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唾液シェーングレン症候群



唾液についてその恐るべきパワーを

深掘りしていき その先に

シェーングレン症候群についてのべる。

シェーングレン症候群を理解することで

唾液の恐るべき効用がより得心がいく。






唾液の流れ出る水量は驚くほど多量である。

一日に

0.5リットルから1.5リットルの量が分泌されている。

2リットルペットボトルを思い浮かべれば

その量の多さにギョとするのではないだろうか。


みなさんのなかに

 唾液がやたら多く ツバ気の多い

と白眼視されてきた人もいるだろうが

唾液の効用の広域を認識すれば

ツバ気の多い人をうらやましくなるに違いない。


唾液は唾液腺から分泌される。

唾液腺は大きく2つに分けられ

大唾液腺と小唾液腺である。

大唾液腺は 耳下腺、舌下腺、顎下腺 の3つ。

小唾液腺は 多数に点在する。



唾液は

口の中に分泌された直後は無菌であるが

分泌後は口腔内の微生物と戦い汚染される。

唾液そのものに含有される微生物と戦う成分が

唾液と一緒に胃の中に送り込まれ

胃の強烈な酸が 唾液と混合された有害物質と戦う。

こうして

口から侵入する有害物質と戦闘する

最前線にあるのが唾液である。


こうした唾液の成分は

実は刻々と変化し一定ではない。

生理リズム、

運動の程度、

体調、

ストレス、

感情の起伏、

妊娠、

薬物摂取 

等々

の条件で刻々と変動している。

そのため 唾液はその分泌状態で

体調の好悪をはかる基準にもなる。




だれもが 人生のいろいろな局面で

興奮でごくりと生唾の動きを感じる瞬間や、

異常な高揚感と期待感でツバがあふれ出る状況、

極度の緊張で口がカラカラになり

言葉が出なかった経験があるに違いない。

唾液は このように心の振幅を見事に反映する。


ドライマウス


唾液がかれて

ヒトは初めてその大切さを認識するのであるが

唾液の分泌激減で口が渇くことをドライマウスという。

ドライマウスは

一時的な唾液乾燥から恒常的な唾液乾燥まで広いが

ドライマウスは

ドライアイと同様 放置すれば様々な疾病を生み

さらには

かくれた疾病のサインでもあることがある。


唾液の量が減ったりして苦痛を味わったり

ひとたび

唾液の役割を認識して

唾液の奥深い世界を垣間見れば

ちょっとツバをはいたりすることが

簡単にはできなくなるに違いない。

それほど

唾液はヒトの身体を防御していてくれるのである。


では

唾液の奥深いワールドを舌なめずりでもしながら

のぞいてみよう。


嚥下えんげ機能



食事の時に出てくる唾液は刺激時唾液と呼び

食欲と咀嚼で自然に分泌される。

唾液分泌で食べやすくなり嚥下を誘導する。

この時

唾液は咀嚼されればされるほど湧出する。

老化などで嚥下作用が低下するが

 それは噛んでも噛んでも唾液が出ないからで

やむを得ず飲み物を飲んで唾液の代替が必要になる。


発声潤滑


発声は

声帯筋の作用で行われるが

唾液の湿潤効果により

声帯筋の粘膜が潤滑され 円滑に発声される。

唾液の分泌が停止し口が乾燥すると

途端に発声がとどこおる。

また

しゃべればしゃべるほど筋肉群が唾液腺を刺激し

唾液の分泌も潤沢となる。

口から泡を飛ばしてしゃべればしゃべるほど

唾液は湧き上がってくる。


洗浄作用、バリア最前線

泉のように湧き出るあふれ出る唾液は

洗浄作用として

口の中の食べ残しや食べかす、

口腔内病原菌微生物、汚物 などなど

洗い流す作用で 

口からその先へのバリアの最前線となっている。

病原菌などは

唾液の一緒になり胃の中に流れ込むが

胃では

強烈な胃酸が海の様になっていて 

ここで病原菌が死滅する。


 殺菌/抗菌作用



唾液の殺菌/抗菌作用は

 以下の代表的な成分で行われる:

 リゾチーム

リゾチームとは
酵素であり
細菌の細胞の壁を
分解する力を持ち
細菌の殺菌力をもつ。

 ラクトフェリン

ラクトフェリンとは
口腔内の
病原微生物や歯周病菌対して
抗菌活性を示す。
また
TNF-aの産生を抑制することで、
歯周組織の炎症や破壊を防ぐ。 


 免疫グロブリンA

粘膜分泌液中に存在して 
粘膜免疫にあずかる
特殊なタイプの
免疫グロブリンである

ウイルスの中和、細菌の凝集
粘膜上皮細胞への
細菌の付着の防止
食物アレルゲンとの結合
等の様々な活性がある。
とくに
上気道感染(風邪)には
第一線の生体防御機構として有効。


ラクト
ぺルオキシターゼ


ほとんどの哺乳類の
母乳や 涙や唾液 
その他の体液に含まれる酵素。

ラクトぺルオキシターゼは
触媒として作用して
細菌の代謝を
つかさどる酵素を
不活性化させる。

この作用によって
口腔内の細菌増殖が
抑制される。




これら成分は唾液以外の体液にも含まれてもいて、

母乳、涙、鼻汁、にも含まれているものがある。


pH調整作用


口の中の細菌によって

糖から酸が形成されて

pHが酸性に傾くと 

エナメル質が溶解して初期の虫歯となる。

この時

唾液はpHを中和して

中性にする作用がある。


再石灰作用




再石灰化とは、

むし歯菌などがつくった酸で

溶かされた歯のエナメル質表面の

無機成分(ハイドロキシアパタイト)が、

唾液などの働きで

再び歯の表面に形成される現象を指す。

つまり

再石灰化とは

口腔で備わった生体防御メカニズムのひとつであり

むし歯を拡大させない自然治癒能力である。

これに唾液の力が大きくかかわっているのである。

実は

このメカニズムをさらに積極的に応用し

再石灰化メカニズムを

歯科医療の中心にすえるという未来型の

負担の少ない医療法として

脚光を浴び始めている。

すなわち

その中心にあるのが唾液の作用。


ここで

むし歯のできる過程から再石灰化を説明しよう。


食事をとると、

歯の表面についたプラーク(歯垢)の中のむし歯菌が、

砂糖などを利用して酸をつくる。


プラーク(歯垢)の中の酸性度(pH)が

概ねpH5.4以下(歯により異なります)になると、

歯の表面のエナメル質の

無機成分(ハイドロキシアパタイト)が

溶け(脱灰といい、むし歯の始まり)始める。

しかし、

唾液の働きにより、40分から60分ほどで、

歯の表面の酸性度
(pH)がもとの状態(中性)に戻る。

そうすると、

一度溶かされた無機成分が歯の表面にもどってくる。

これが再石灰化。

歯の表面は、

常に脱灰と再石灰化を繰り返しながら、

成熟(酸に溶けにくくなる)していく。

ところが、

だらだらと時間をかけて菓子等を食べていると、

脱灰されている時間が長くなり、

再石灰化の時間が短くなるため、

歯の表面に穴があいてしまい、

もう元には戻らなくなる。

あいた穴をどんなに上手につめてもらっても、

再石灰化で復元した状態にかないませんし、

そのままでは、

他の歯も次々とむし歯になっていく。


さて、この脱灰と再石灰化のバランスには、

飲食の頻度や種類、

ブラッシング、フッ素の利用の仕方のほか、

口のなかの細菌の種類や量、

唾液の性質や量など

様々な要因がかかわっているので、

再石灰化能力を高める工夫をすれば

かならずむし歯は防げる。


味覚


味覚を感じるセンサーは 味蕾みらいと呼ばれ

花のつぼみのような形状をしており

舌の上に 約5000個、

舌の以外の のどなどに 2500個 点在する。


口腔内に食物がはいると

その瞬間に舌の先端に位置する味蕾が

その食物の安全性を確認する。

結果

安全と判断されると咀嚼が始まり 攪拌され

唾液と混在しながら 舌の奥の味蕾へと向かい

味わいが始まる。

この時

唾液と混在することにより より食物が混じり合い

味蕾
みらいが感受しやすくする。

また

舌の粘膜が唾液で潤い

味蕾を傷つけることなく

保護する役目も唾液は持っている。

舌の奥の奥歯の横にある味蕾が 

奥歯でかみしめた時

味をより深く感じるようになっている。



美味しいものを食べた時の表現として

舌鼓
したづつみを打つというが 

これは、

舌と軟口蓋をギュっと押し付けて

 味蕾を圧迫して

より味覚を深くしようとする行為を指し

舌で味蕾を

太鼓で打ちたたくようにすることをいう。

そして

のどの味蕾は 

食物がのど越しに通過するときに味覚を感じる。


口臭抑制


すでに唾液の効用と作用を見てきたように

こうした唾液が豊富に分泌されている場合

口臭も消えやすく

唾液分泌が減ってくるに従い

唾液のもっている

殺菌 抗菌 浄化作用も低下することになり

口臭が出やすくなる。


唾液全身性疾病


唾液の分泌が減少し

異常に口とノドが渇く状態が続き

同時に

目の乾燥も異常になりドライアイに悩まされ

また

全身性の根強い疲労が

なかなか改善しない場合

シェ―グレン症候群を疑う。


シェーングレン症候群



シェーグレン症候群とは

とくに涙腺と唾液腺に対して

自己免疫システムが作動して

涙腺と唾液腺の組織が破壊され

これにより

涙液と唾液が低下し目と口の乾燥状態が続く。


いつも乾燥する目






こうした自己免疫疾患は

本来外敵を攻撃する自己免疫が

敵ではない健全な自己の組織を

継続的に攻撃して破壊してしまう。

それによって全身性の多くの不快症状がでる。

なかでも

涙液と唾液の役割は

単に目と口を潤している役割だけでなく

多くの生理的な作用を有しているために

目と口の乾燥の常態化は

全身性の他の疾患や病態を到来させる要因となる。

したがって

目と口の乾き以外に

強い疲労感、倦怠感、関節痛、

頭痛、しびれ、消化器不調、耳鳴り、

などなどでひどく苦しむ。


シェーグレン症候群は

膠原病
こうげんびょうに含まれる。

膠原病
こうげんびょうとは

体の細胞と細胞とを結合させている組織が

変性つまり変形してしまい

その健全性を喪失させることで

病変がはじまりそれが全身の細胞に波及する

という疾患である。


古典的な代表的な膠原病に

関節リウマチ

全身性エリテマトーデス、

強皮症


などがある。


シェーグレン症候群は、

古典的膠原病には属さず

1933年にスウェーデンの眼科医の論文から

命名されたのが始まりである。

眼科医というところから

つまり眼の疾患が共通する

シェーグレン症候群の特徴をよくあらわしている。

日本では1970年代に

医学界で認識し始めたという歴史である。


西洋医学的では

目下のところ

シェーグレン症候群に対して

有効な根本治療の道筋を明瞭にしていない。


最近の新しいシェーグレン症候群研究のひとつに、

次のようなことがあげられる。

シェーグレン症候群では、

進行に伴い唾液分泌量の

全体量そのものが減少するのに加えて

唾液中に含まれ

口腔と消化管の粘膜保護や組織修復に

促進的な役割を果たすとされる

epidermal growth factor(EGF)量も同時に低下し

これにより

唾液量のみならず 唾液の質の低下も起こる。

 EGFとは分子量6.045kDaのサイトカインで、

細胞の細胞分裂と増殖を促進する。

人体では

唾液腺と十二指腸で主に産生され、

口腔や消化管の粘膜保護作用や組織修復に

大きなな役割を果たしている。

また、

皮膚におけるEGFが皮膚創傷の治癒を

促進するとされている。

唾液分泌量に加え唾液中EGF分泌能も低下し、

この「唾液の質」の低下が口腔内病変の形成に関与する


 つまり

シェーグレン症候群は単に唾液の量の減少のみならず

質の劣化もおこり

これが口の中の病変を進めるという趣旨である。


整体シェーグレン症候群治療


では、 整体は

シェ―グレン症候群をどう治療するのであろうか?


まず

シェ―グレン症候群に限らず 

自己免疫疾患のすべてに共通する課題となる

 

なぜ 本来

自己を守るべき免疫が

健全な細胞を攻撃してしまうのか



?




という命題に立ち返る。


ここに 一つの仮説がある。

通常 自己免疫疾患は

免疫システムのかく乱、 つまり

正常に免疫システムが

作動していないという前提に立っている。

免疫システムが

間違った誤作動をしているという

説明になっているが

そもそも そこに疑問がある。

つまり 自己免疫疾患による病態が 実は

免疫が正常に作動しているという仮説だ。


どういうことかというと

たとえば

シェ―グレン症候群は

涙腺と唾液腺を攻撃するが

これは 涙と唾液の分泌を停止して

目と口の機能を完全停止して

休息させるという目的があるからではないか!


という意味である。

だとすれば

免疫システムはこうした目的にそって

涙と唾液の分泌を停止させる。

これはつまり

決してかく乱ではなく

正常な免疫の発揮なのである。

という仮説である。


整体は

実は この仮説にのっとって

自己免疫疾患の治療を組み立てている。

つまり

自己免疫疾患におちいっている患者の体内では

免疫機能がフル活動して

その活動の活発で疲れ切っているので

そこに全身性の心身ともの休息を下さいとの

シグナルを懸命に発信している。

そこで

整体は

まず全身性の心身の絶対休息を

もたらす施術をする。

その時

そのシェ―グレン症候群患者が

訴える様々な不快のうち

もっとも容易に治癒回復しそうな不快を見いだし

まず その解決に取り組む。

たとえば

睡眠障害が最も容易に解決しそうな不快ならば

睡眠障害を軽減する整体治療に集中する。

その見立てが秘訣となる。

そこで

睡眠障害が少しでも軽快になったと患者が感じれば

その糸口が見つかったことになる。

そこで一気に

睡眠障害を寛解するルートをばく進する、

と同時に

第2の容易に解決しそうな不快を選択し

同様に整体治療を進める。

このときの

患者の少しでもよくなっていくらくになっていく

という治る感覚が重要である。


つまり

シェ―グレン症候群に苦しみ患者の

すべての不快、痛み、苦しみをすべて列挙して

そのひとつひとつの重症度を点検をし

どこから着手するのかを決定する。

その観察と診断と判断する総合性が基本である。


整体は そこから始まる。



 
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