昔から 花見のうたげのあとは
腰痛の人が多く出るのは 今も変わっていない
その原因は はっきりしている
ひとつは 冷え
ひとつは 暴飲暴食
今ひとつは
地面にゴザを敷いて座る床すわりの姿勢が
もっとも腰痛を誘発しやすい劣悪な姿勢ということにある
いずれも 周到な準備と心がけで回避できる原因であり
花見に行く前に このポイントをおさえれば
桜が散るのを見ながら 腰痛で泣かなくても済む
このうち 3つ目の床すわりの姿勢についての詳細を
今月は記してみよう
そもそも 床すわりの姿勢そのものは
よほど意識しないと腰に対しては劣悪なのである
床すわりの姿勢を 大まかに分けると以下の4つとなる
このうち 最も腰に対して負担が少ないのが
正座である
そして 最も腰の負担が大きくなるのが
あぐら である
特に 骨盤の中の仙腸関節に問題がある腰痛のタイプは
あぐらの長時間は 痛みがでやすい
それは あぐらという姿勢が骨盤を開いた状態にして
仙腸関節に炎症をおこしやすメカニズムがあるからで
とくに慢性腰痛で
仙腸関節炎と言われた方は注意をはらわなければならない
横座りは
以下の図のように
腰の負担は幾分軽減されるが 上半身がねじれる傾向がある
体育すわりは
両膝頭がしっかりとぴったりくっついていれば
腰の負担は軽減されるが
背中は弓なりに縦方向に曲がり 猫背の姿勢となる
それを防ぐ 体育すわりは 背中をのばして座ることで
一番手っ取り早いのが
二人で背中合わせの体育すわりをすることである
下図を見てほしい
この場合も両膝頭がぴったりとくっついていると
骨盤がしまった状態になるので腰痛を回避できる
下図の姿勢は 腰の負担が軽減される望ましいものである
さらに細かい指摘をすれば
右の子の背中が幾分湾曲を見ていることで
それは 左の子の背のラインと肩の位置と比較すると歴然とする
つまり
左の子の方が 姿勢は推奨される
かように 正座以外は それぞれの特徴的な欠点があり
長時間にわたり こうした姿勢が腰痛を誘発しやすいのである
もちろん
正座も長時間に及ぶと 背筋とでん部に多大な緊張がかかり
腰痛をおこす遠因にならないとは言えない
いずれにしろ
同じ姿勢で長時間いること自体がよくないので
対策の一つとしては
うごきまわり姿勢をたえず変化の中でとらえることである
したがって 腰にとっての最も推奨される花見の作法は
歩き回りながら かつ 色んな姿勢ですわりながら
多くの桜を 様々な角度からみることである
ゆめゆめ
同じところに居座って
同じ姿勢で同じ桜の花ばかりを見つめないことである
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