2015年12月の整体
 

ヒトの人生において
随所に好悪いずれにも左右する転機があるように
整体にも 施術の過程において 転機がおとずれ
その転機をきっかけに一瞬にして 体の状態が激変する瞬間があるのである



もちろん それは 短い施術の時間内でいくどもあらわれることもあり
また
長く繰り返される施術の中で それまで進捗をみなかった整体の効力が
突如の転機で おそってくるような出現の仕方もある

ひどくゆがんでいた顔がもどる瞬間
しびれで上がらなかった腕がわけなくスウィとあがるようになった一瞬
曲がっていた腰が伸びてスタスタ歩けるようになる変化
激痛で呼吸もできなかった痛みが去ったその時

こうした身体の劇的な回復には
その前兆となる 何らかのシグナルがあるのであるが
それは その病態、そのヒトによって独特なのものがあり
それが 身体のもつ個性といえるのかもしれない

たとえば 某氏は
ぎっくり腰を発するたびに 整体 MIKUNIの門をくぐるのであるが
施術中に
それまで硬直していた胸椎の5番と6番が グニュッと大きく動くと
腰椎3番と4番の激痛が 潮がひくように消える
実際に グニュッと大きな音を響かせ胸椎が動くのである
その胸椎の音が つまり転機である
そうなると
某氏は はずみがついたように元気になる



たとえば 某婦人は
不定愁訴におちいるたびに 来院されるが
もともと メニエルシ病の傾向があることがあって
こうなると 愁訴は多重で多彩にわたる

全身のだるさ なんともいえないイライラする焦燥感
末端の冷え 片頭痛 ふくらはぎの鈍重
口のかわき 眼のショボショボ感


毎度のことだが この婦人の症状は1時間の整体施術で
こうした不定愁訴が 霧が晴れるように霧散するのである
その転機は 大腸の動きである
丹念な内臓マッサージで
大腸の動く音が響きだすのが転機となり
身体が軽快になるのである
整体で こうした内臓の動く音を
内臓鳴 ないぞうみん と呼ぶ
大腸が動くので 
腸鳴 ちょうみん である
いったん この音が鳴り出すと
セミが鳴くように みぃみぃ と鳴く

この婦人にとって 転機とは 腸鳴 ちょうみん

整体の光景のひとつである