ヒトの人生において
随所に好悪いずれにも左右する転機があるように
整体にも 施術の過程において 転機がおとずれ
その転機をきっかけに一瞬にして 体の状態が激変する瞬間があるのである
もちろん それは 短い施術の時間内でいくどもあらわれることもあり
また
長く繰り返される施術の中で それまで進捗をみなかった整体の効力が
突如の転機で おそってくるような出現の仕方もある
ひどくゆがんでいた顔がもどる瞬間
しびれで上がらなかった腕がわけなくスウィとあがるようになった一瞬
曲がっていた腰が伸びてスタスタ歩けるようになる変化
激痛で呼吸もできなかった痛みが去ったその時
こうした身体の劇的な回復には
その前兆となる 何らかのシグナルがあるのであるが
それは その病態、そのヒトによって独特なのものがあり
それが 身体のもつ個性といえるのかもしれない
たとえば 某氏は
ぎっくり腰を発するたびに 整体 MIKUNIの門をくぐるのであるが
施術中に
それまで硬直していた胸椎の5番と6番が グニュッと大きく動くと
腰椎3番と4番の激痛が 潮がひくように消える
実際に グニュッと大きな音を響かせ胸椎が動くのである
その胸椎の音が つまり転機である
そうなると
某氏は はずみがついたように元気になる
たとえば 某婦人は
不定愁訴におちいるたびに 来院されるが
もともと メニエルシ病の傾向があることがあって
こうなると 愁訴は多重で多彩にわたる
全身のだるさ なんともいえないイライラする焦燥感
末端の冷え 片頭痛 ふくらはぎの鈍重
口のかわき 眼のショボショボ感
等
毎度のことだが この婦人の症状は1時間の整体施術で
こうした不定愁訴が 霧が晴れるように霧散するのである
その転機は 大腸の動きである
丹念な内臓マッサージで
大腸の動く音が響きだすのが転機となり
身体が軽快になるのである
整体で こうした内臓の動く音を内臓鳴 ないぞうみん と呼ぶ
大腸が動くので 腸鳴 ちょうみん である
いったん この音が鳴り出すと
セミが鳴くように みぃみぃ と鳴く
この婦人にとって 転機とは 腸鳴 ちょうみん
整体の光景のひとつである
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