ことしは 10月にはいるや すがすがしい好天が続いている
夏が雨が多かったので 今月は
まるで それをとりもどすように太陽の輝気が日ごと続く
こうした陽気で
洗濯をしても あっというまに乾いてしまう
こうした 物干しにたなびく姿を見ているだけで 爽快になる10月である
整体の施術のとき使うタオルも 太陽の光を存分に受けて
施術される方は いつにもまして気持ち良いはずである
さて こうして 今月は
体を動かすのに もっとも適した時といえる
ただし こんな絶好の時期にもかかわらず
ものぐさで 運動するのが苦手な人もいるので
そうした人にも できるように
最もかんたんで それでいて効果が抜群に高い運動を記してみよう
それは ぶら下がりである
以前 ぶら下がり健康法 といってブームになったことがあるが
それである
とくに どういう人にすすめるかというと
猫背
肩こり
首痛
背中痛
この上半身の慢性疾患に 最適の体操である
とくに
デスクワークの長い人 パソコンに向かうのが長い人
にとっては 即刻していただきたい
もちろん ただ ぶらさがるだけでも それなりの効果は期待できるが
効率を最大限にむけて
いくたの ぶらさがりテクニックと解剖学の初歩的知識を身につけたい
解剖学的には
ぶらさがりによって 何を一番に狙うのかというと
それは 肩甲骨の可動域を広げることにある
上記の 猫背 肩こり 首痛 背中痛
の根本治療が まず肩甲骨を自在に動くようにすることであり
肩甲骨に付着あるいは連結する筋肉群をゆるめることが基本である
ぶらさがることで それが狙えるのである
猫背の場合 大きく分類すると
肩甲骨が内側に丸かる事による猫背 と
背骨の胸椎が亀の甲羅の様に縦方向に丸かる事による猫背 と
2つに 或いはその混合の猫背 と 計 3つのタイプになる
ぶらさがりは このうち
肩甲骨が内側に丸かる事による猫背の矯正に有効である
肩こり 首痛 背中痛の場合 その原因が
下図のような肩甲骨の筋肉群にある場合に有効であある
硬直したこれらの筋肉群が ぶら下がることで上方に引っ張られ
ゆるんでくるのである
これら肩甲骨に寄り添う筋肉群の特徴は
肩甲骨が内転した状態が長いと柔軟を失いやすいことで
ぶらさがることで
こうした 肩甲骨の内転を矯正し
これらの筋肉群の緊張を解き
痛みを軽減させるのである
ねらいは こうしたところにあるので
ぶらさがるとき 意識的に脇下を思いっきりのばす感覚をもつと
より効果が高い (下図の赤丸の部位)
さらにぶら下がる時 注意するのは
完全に脱力の状態でないと 思った効果がでない
すっかり脱力しないと 筋肉が完全弛緩しないので
ストレッチ効果がない
もちろん
筋肉繊維を強固にする目的で ぶらさがるときは別の話である
下図は あきらかに 脱力状態のぶら下がりではなく
筋力の増強アップをねらった体勢である
こうして ぶら下がる時は その目的を明確に意識しなければいけない
つまり
かたまった筋肉をほぐそうとするのか
はたまた
筋肉繊維を増強して強固なものにしようとするのか
である
ここでは
猫背
肩こり
首痛
背中痛
に苦しむ所からの解放をねらっているので
完全脱力のぶらさがりを めざす
こうして 完全脱力でぶら下がった場合
自重があるひとほど効果はある
つまり体重がある人ほど負荷が多くかかり ねらった弛緩を実現しやすい
また ぶら下がりになれてきたら
ただ 漫然とぶらさがるところから いろいろなバリエーションや変化をつけたい
ひとつは 深呼吸をとりいれる もちろん腹式呼吸でおこないたい
ふたつめは 首を回転させる 左右前後と回転する
みっつめは 下半身に動きを入れて体全体をひねり・ねじりを入れる
こうして ぶらさがりが常習化してくると
日常的にも 折にふれ 手を頭より上にあげたくなってくる
そうなれば すでに 肩甲骨周りはかなり柔軟になっている
また 軽快になった体は 下図のように
いたるところで逆立ちなどしたくなる欲求に駆られるかもしれない
こうしてぶらさがることで 体の変化がでてくると
鉄棒をみたら すぐに ぶらさがりたくなるクセとなるかもしれない
夕刻 ふと 通り過ぎる学校の校庭で ぶらさがり
あるいは
山歩きの途中で 格好な枝ぶりを見つけたら すぐぶらさがる など
どうしても ぶらさがることができない状況にある方は
整体に おいでください
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