こたつ という 日本の冬を代表する家庭の風景は
かつては あたたかい家庭を象徴するシーンであった
家族が 思い思いに足を突っ込み
みかんを食べたり テレビを見たり トランプをやったり 新聞を読んだり 猫とあそんだり
家族がふとんにおおわれた遠赤外線によりそい
体をよせあう姿は なつかしい日本の原風景である
さびしいことだが
ちかごろでは 暖房器具の多様化や
こたつにいったん入ると移動するのが低下する動性の悪さをいやがる傾向
さらには
家族そのものの集合性の悪さ などなどで
こたつの出番はいちじるしく低下している
ただし
じつは からだにとっては
こたつスタイルは きわめて悪影響をあたえるスタイルなのであるから
こうした傾向は ある意味 いいことなのかもしれない
猫はこたつで丸くなるように
人もこたつの中では背は丸くなってしまう
これは たき火にあたる時 囲炉 いろり にあたる時も同様で
こうした時 背はほとんど丸くなる
こうした こたつ、囲炉 いろり、たき火 の場合なぜ背が丸くなりやすいのか?
基本は 体の力学的メカニズムとして
あぐらをかくとき 無意識のうちに 背は丸くなる体の特徴であること があり
あぐら つまり 足を外側に広げての座位姿勢が
骨盤を広げると同時に
背筋を弓なりに丸くしていってしまうのである。
さらに
今ひとつ、 人はリラックスの極致になると
知らず知らずのうちに 背が丸くなる傾向があるのである
これは 副交感神経が優位にたちリラックスが本格化すると
自律神経は骨盤を開かせ 背骨をまるめてくるのである
こうした要因で
人は背を丸くしながら
ゆったりとリラックスの中でくつろぐのである。
この意味で こたつ、囲炉 いろり、たき火 は
決して精神生活上は悪くはないのであるが
もともと 腰痛もちのひとや 猫背のひとには
それらが ますます悪化する大きな要因となるのである
とくに 腰痛のひどいひとは
こたつなどで長時間いたりすると ぎっくりが発症しやすい
むかしは 年末年始になると
こたつの中でぎっくり腰となり そこから出られず
こたつの中で ぎっくり腰と戦ったひとが 多くいた。
年末年始はとくに ぎっくり腰が多発する警戒すべき時期なのである
なぜ 年末年始は ぎっくりが多いのか?
ひとつは 極月に仕事から解放されて 気がゆるむこと
適度な緊張で仕事をしているときはぎっくりも起こりにくいが
気がゆるんだ 一瞬の何気ない動きで ぎくりと来ることが多い
また 平生はしない 大掃除や家事や餅つきなどで
いつもつはちがう筋肉を使った時など 発症しやすい
さらに 年末年始は暴飲暴食をする機会が多く
内臓の過度な負担はぎっくりの大きな要因となる
また 日本の年末年始は きわめて温度が低下する時にあたり
その寒さが腰を冷やし ぎっくりがでやすい
また 寒さによって 運動量が激変し
血行の不良となることも大きな要因である
そして きわめつけが こたつ・いろり・たき火 の時の姿勢である
もちろん こうしたものは体を温めて いい要因もあるが
ついあたたまりすぎて 同じ姿勢で長時間いるのが
いちばんいけない
ひどい時には
せっかく長時間の暖をとって いざ立ち上がろうとしたとき
たちあがれなくなることもある
できるだけ こきざみに体を動かして 暖をとるのが
ぎっくり腰をさける 工夫のひとつである
|