雨が続くと だるくなるのは湿度が高くなるにしたがい
皮膚呼吸のレベルが下がり新鮮な血液供給がとどこおりやすいことや
気圧が低くなり リンパの流れなど 体液の活動が低下しやすい環境になることなども原因のひとつで
こうした環境に創意工夫で 老廃物の排出をスムーズにいくよう準備するのが6月を乗り越える知恵である
さて 梅雨どきに多いのが 関節の古傷のぶりかえしであり
湿気は関節に慢性の疾患があるとうずかせ 奥深いところからるいやな痛みが出現してくる
また 雨が続くと 運動の機会も減り 筋肉の暫時の退化を生み
これも関節痛をいざなう
かつて まだ日本のいたるところで田畑が多く梅雨時になると 田植えに駆り出されることが頻繁だったころ
6月の疾患で好発するのが
股関節痛であった
もちろん これはいまでもそうで
特に中年にさしかかったもともと慢性の腰痛もちの女性などが 何の準備もなく田植え作業にかりだされ
翌朝起きてみると 股関節の激痛にみまわれ 整体にかけこんでくる例は 6月の例年のことである
こうした場合 急性の股関節の激痛は
生まれつき股関節の寛骨臼 かんこつきゅう
つまり骨盤と大腿骨の連結する大きいカップ状の関節の入り込みに問題がなければ
数回の施術で回復しやすいが
もし この寛骨臼 かんこつきゅう に生来の問題が伏在していれば
回復するに少々やっかいである
臼蓋形成不全 きゅうがいけいせいふぜん というのがそれで
つまり股関節の骨のはまりが浅く 大腿骨がそとにはみ出やすい形状となっている
股関節には、
大腿骨を支える“臼蓋”(きゅうがい)と呼ばれる受け皿のような箇所 骨盤側の“くぼみ”である寛骨臼の一部がある
大腿骨の先端部分(大腿骨頭)は球状になっていて、
この臼蓋のなかに納まるような状態で接している
“臼蓋形成不全”というのは、この大腿骨を支える臼蓋の形状が不完全なため、
股関節痛を起こすわけである
大腿骨と臼蓋がうまく噛み合わず摩擦が生じ、軟骨に負担を掛けることで関節を消耗し、
これにより股関節に炎症が起き、鈍痛〜激痛を伴う
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じつはこれ 中年にさしかかるころになって はじめて発症することが多い
なぜなら 若年のうちは周囲の筋肉群などが強固でこれらがカバーし痛みなどが出るまでに至らなく
これが 年齢やあるいは過度な負荷や酷使をきっかけにして突然 激痛がおそってきたりする
もしこうした場合は
まず 当面の痛みを取り去る施術をおこない しかる後に
臼蓋 きゅうがい が形成不全で大腿骨が少々はみだしていようと
周辺の組織を鍛えあげ 同時に柔軟を付与することで 痛みのでない身体つくりをする施術をおこなう
しんぼう強く こうしたリハビリ施術をおこなえば
翌年の田植えの時期には
股関節の激痛に見舞われることなく 苗を植え付けに成功することができるにちがいない
6月はそういう時期である
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