2013年5月の整体


睡眠の枕 まくら は 慢性的な首や肩や背中のコリのある人にとって十分に考慮すべきである

又 枕の形状や高さなど気になって眠りにくいということならば すでにそれは
首や肩や背になにがしかの疾患があると考えていい
首や肩や背中に何も問題がない場合は 枕がどんな状態であろうともほぼきにならず熟睡できるはずである

よく 首や肩が急にいたくなって 寝ちがいのようですといって 首をかたむけながら整体にこられるかたがいて
「 やっぱり 枕が悪いんでしょうか?」
と質問されるが
そのほとんどは睡眠中の姿勢が原因で 寝ちがいが起きるのではなく
すでに寝る前からの首肩の疾患が主原因で 眠りによってそれが増幅された結果 朝起きたら寝ちがい というのがほとんどで
主原因は睡眠中の枕ではない

枕は 睡眠中に これらの疾患を回復する手立てとして つまり適宜な枕は睡眠中にこれら疾患を軽快にしてくれるという意味で
どんな枕にするかは 十分に考慮すべきである

では どんな枕を選べばいいのであろうか

枕の要素は 4つある 高さと硬さと素材にくわえ
 頭とくびと肩のどの部分に充てるのか そのポジショニングである
そのポジショニングをあやまると どんなに考え抜かれた枕でも いつもシックリこない

結論的ののべれば 様々な市場に出回る枕商品を検討しながら
独自に検討を重ねた結果は

綿のバスタオルを巻いたものを
仰向けのときは 頸椎にそれをあて頚椎のカーブにそった高さのものとし
横向きのときは 側頭部にそれをあて 脊椎のラインが頚椎と頭部を直線となるものとする

となる

綿のバスタオルの巻いたものがなぜすぐれているかというと
高さをその人に合った状態で適宜かえることができる
綿の感触 及び発汗の処理 洗濯が容易で清潔
硬さの調整が タオルの素材や巻く程度で適宜変更できる

 


これが基本で あとは人それぞれの体型や 頚椎の状態 肩甲骨の状態 頭部の形状 肩の大きさ などにあわせ
高さを決定していく

たとえば 仰向けの場合 下の体型図が基本となる
頚椎も胸椎も ほぼ問題なく 肩まわりに無駄な脂肪が存在せず 猫背もなく というような場合
あおむけにねると 肩甲骨部と後頭部の頂点がほぼ直線でむすばれる
こうした体型の場合のもっとも快適な枕は
このバスタオルをまいて それを頸椎に置き 後頭部の床との接点が心もちかすかに浮き上がる程度の高さの枕となる
この心もちかすか の程度がどれくらいなのか 10度から5度だろうか これはその人による快適度であるので
正直 数量化するのは現実的でないかもしれぬ

 

下記の 1図と2図 があるが 
1図は 後頭部が心もち高くあがっている
背中から肩にかけて たっぷりと筋肉や脂肪がついている人は
こうした程度が快適な枕となる
もちろん この場合 後頭部に何かをかまして 第2の枕としてもよいが
それをしなくて 浮かしたままでも快適度は変わらないはずである

2図は やせ形で猫背でなく 頸椎に異常のない場合となる

 1  
 2  
 3  

3図をみてわかるように 頸椎は かすかにカーブしているのだが このカーブの度合いも人によって違い
したがってここにあてる枕の高さも その個人のカーブの度合いで快適さがちがってくる


次に 横向きの場合
その基本は 4図にあるように 枕をしたときに 脊柱と頭部の中心線が直線になることで
このラインがくずれると 頸椎がゆがむ 5図を参考。
枕がない場合は 6図のようになり 中心線は大いに乱れる
7図のような場合も頸椎は下垂し 頸椎はゆがむ
 

 
 
 
 

これを見て分かるように 横向きのときの快適な枕の高さは 
そのひとの肩の幅 つまり肩の先端から側頭部の頂点の距離によるのである
下図の矢印の長さがそれにあたる
したがって この幅が短い人 長い人 様々に枕の快適な高さは決定すべきである

 

こうして分かるとうり じつは理想をいうと 枕は 仰向け用と横向き用の2種をよういすべきである
もちろん これはなかなかやっかいであり
寝返りを打つたびに枕を変更するとなると これだけで睡眠障害になりかねない
では現実に どうこれを解決するのか?

その前に寝返りの意義を考えてみたい

寝返りは 言葉の意味からすると 裏切るという意味があり聞こえはわるいが 睡眠時の寝返りは実はかなり重大な意味を帯びている
つまり自由に寝返りがうてるかどうかは 快適な睡眠のレベルを決定する大きなファクターである
従来 ねぞうが悪いといって 寝返りを極端に打つことをおとしめる見方があるが
ねぞうは 実はからだがそれを要求するもので
ねぞうがヴィジュアル的に端正でなくても それはからだが要求している生理現象としてとらえるべきであり
寝返りを打ちながら ねぞうを様々に変転していくのは その動きによって体を無意識に矯正しているとみるべきである

そもそも 寝返りは 起きているときに疲労した背骨のアライメントの修復、神経の回復、筋肉や靭帯や関節の矯正
をおこない 体を動かしながら 回復させるという いわゆる睡眠の体力回復行為の一端をになっており
この意味からいって 寝返りうちやすい枕を選択するのが まず考えられる

こうしてみると 寝返りの自由度を確保しながら
仰向け用と横向き用の枕を入れ替えれる鷹揚 おうよう な態度が
つまりは 快適な睡眠をすすめる 枕といえる