背後であのひとの声がする
なんという懐かしい響き
その声にfがこたえていると
あたまの中で自分の声だけがエコーする
ああこれはねごとだね
それは一夜の
破滅型の映画監督は左足を少し引きずる
コーヒー茶碗を持つ手がふるえる
あああのひとはやさしかったね
ごめんね自分がブルーの時だけ
いいんだもうそんなこと
あいたいな
すぐあえるよ
いつのこと
さあしらない
mはいくぶん壊れているとはいえ
破滅型のおとこじゃないし
映画監督にもなれはしない