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月刊『 本棚の溜息』86号(1997年8月号)


【夏休み課題図書】

ということで、最近読んだ 「本」「本屋」関連の本を一挙紹介!

『古書狩り』横田順弥著。
個人的にはヨコジュン と言う名前でハチャメチャSFのイメージから離れられないのだが、最近は文化史的な 作品が多い。本書は古書ミステリー小説集。本人が本の虫だけあって細部のリアリティ ー感が堪らない。ジャストシステム刊、本体千六百円。

『マンガでわかる再販制度ーい ま出版が危ない』は講談社刊。
220頁で本体700円というところに何かしら意図的な ものを感ずる。個人的には漫画を読み慣れていないので、イマイチよく頭に内容が入ら ない。が、文字ばかりだと頭に入らない人達もいるから漫画なのだろうが、そのような 人達がこの漫画を買うかは少々(かなり)疑問。

鍛治真起著『本屋さんに行くと言って ウルグアイの競馬場に行った』は、京都駅で、手元に本や活字類が無く、パニックに陥 りながら飛び込んだキオスクで見つけた。
「ニコリ」の軌跡と、名前の由来の名馬ニコ リを訪ねる二本建ての内容がシンクロしながら話が進んでいく。

『不良のための読書術』は永江朗著、筑摩書房刊。
筑摩らしからぬ装丁だが、内容には合っている? 自称書店の棚の評論家、 ということだけあって、読書の周辺に関して読ませる内容になっている。 ゴダール式読書法のように能書きを述べているところ以外が面白い。本体1600円。

ずっと待っていてやっとでた! のが『本を愛する住まい』彰国社刊。
私より早くR社河野さんが現物を先に手にしていた、というのが少々悔しい! 
「本のある暮らし」「読む書く環境」「本のある住まいの設計」の三部構成だが、前半二章は、シリアスリ ーダー、ヘビーユーザーには不要。初心者が本書を手にするのならば、一般知識とし てまとまっているので有効かもしれないが、そのような人は、多分このような本は必要 としない。
三章目は本棚から始まる。机、椅子から小物を経て書斎、書庫、文庫へ、と ワクワクする項目が続く。が、あっという間にジエンド。三章だけをさらに充実させ た続編を期待したい。本体2400円。

『街の本屋はねむらない』は現代書店業1で、 奈良敏行さんと田中淳一郎さんの共著。
奈良さんは鳥取市で定有堂書店を経営。そこで 発行する定有堂ジャーナルは一部で非常に有名。私もときどき定期購読している。もう ちょっとビジュアル(店舗の写真とか)がはいっていると、嬉しかったが。アルメディ ア刊、本体1200円。
7月7日に著者を囲む会があったが、ちょうど関西出張で参加出 来ず。後日参加者のリストを見せて貰って、会いたい人が沢山参加されていて、ヒジョ ーに残念!(涙)

【書皮鑑定】

TXNテレビ東京系の人気番組「開運!なんでも鑑定団」 に書皮友好協会の中西氏が幻の一品(でしたっけ)のコーナーで登場、コレクション を披露された。

【GO!GO!本屋さん!】

七月二十日の日経新聞(東京版)に第四回目を掲載。今回のテーマは『POP』。ビジ ュアルを交えて、実地出前観察風レポート。八月はお盆を挟むため、第四日曜日に掲載 予定。テーマは「本を本屋で探す」。
話は変わるが、先日の関西出張の折り、書店で「 書店へくりだそう」というキャンペーン・チラシを発見。主催はリクルート関西販売部 後援は日書連近畿ブロック会。クイズに答えると千名に図書券三千円が当たる、とい う内容であった。

【どむか】

8月15日(金曜日)七時半頃より十一時頃まで、パブパ ルコ六階『パークス』(渋谷、スペイン坂角、電話三四七六ー三〇〇三)にて例会。 「パークス」が会場となるのがいよいよ次回で最後。九月はどこで? ということを考 えながらも、とにかく清水店長への花束を持って駆けつけるのだ!

【業務連絡】

7月21日、帰山家に次男誕生、「幸大」(ゆきひろ)と命名しました。


★どむか主宰・「本棚の溜息」編集発行人/帰山健一
★平成9年8月4日発行
★ E-mail:BXJ05656@nifty.ne.jp
★勤務先/100-8066日本経済新聞社総合事業部Tel5255-2847、fax 5255-2860
★E-mail kaeru@tokyo.nikkei.co.jp【どむかPATIO】GFA02534パスワードchoryu1#

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