太陽の動きの分析

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空間のベクトル

太陽の動きをベクトルを用いて分析することで、空間ベクトルに興味をもち、単元の有用性を

感じることが、この教材のねらいである。

右図のように、地平面Aに対して太陽が差し

込む平面をBとする。地平面A上に互いに

垂直になるように、基本べクトルx=(1,0,0),

y=(0,1,0) をとり、地平面Aに垂直に、

基本ベクトルz=(0,0,1) をとる。

平面B上にあり、太陽が南中した方向の

ベクトルをa=(cosβ,0,sinβ)とする。

ある時刻に太陽がある方向を

b=px+qy(|b|=1)とおく。

太陽の平面B上における地平線からの

角度をθとして、b=cosθとおくと、

a=sinθから、p=sinθ,q=cosθとなり、

b=(cosβsinθ,cosθ,sinβsinθ)と表せる。

ここで、bから地平面Aに射影したベクトル

cとし、bcのなす角をαとすると、

これが太陽の高度の変化を表す。

 

c=(cosβsinθ,cosθ,0)より、

cosα=b・c/|b||c|=(cos2β・cos2θ+cos2θ)/(√(cos2β・cos2θ)+cos2θ)

   =√((1-cos2β)cos2θ+cos2β) となる。例えば、さいたま市は北緯36度なので、春分・秋分

の日はβ=54°となることから、β=54°を入れてグラフを書くと、θとαの関係は右上のようになる。

(参考文献)
[1]太田伸也(2002),「太陽の動きを捉えるための数学的モデルを作る活動を通して空間図形の見方を広げる
  指導」,「日本数学教育学会誌数学教育 56-6」.