身のまわりの確率を、実際に計算して考察することで、確率に興味・関心をもち、
単元の有用性を感じることがこの教材のねらいである。
目白に住んでいるAさんは新橋に出勤する。家を出て目白駅につく時刻は必ず8時台では
あるが、その時間はばらばらである。
目白から新橋までは山手線で行くと、内回り(新宿、品川回り)も外回り(赤羽、上野回り)も
約30分で変わらない。
例えば、時刻表が以下のようになっているとしたとき、
Aさんが内回りに乗る確率と外回りに乗る確率はそれぞれいくつだろうか?
目白発8時台 内回り 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 (9:00)
外回り 1 5 9 13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53 57 (9:01)
この場合、8:01~8:04の3分間に駅についた時は内回りに乗るが、
8:04~8:05の1分間に駅についた時は外回りに乗る。同様に考えていくと、
内回りに乗る確率が3/4、外回りに乗る確率が1/4となるのがわかる。
Aさんの会社は20階立てビルの14階にある。14階で下りエレベーターを待っているとき、
上行きのエレベーターが先に来ることが多いそうである。どうしてだろうか?
これは、エレベーターがたえず動いているとすると、エレベーターが1階から14階までにいる
時間と14階から20階までにいる時間の比が12:7と考えられるので、
上行きが先に来る確率が12/19、下行きが先に来る確率は7/19で、
上行きが先に来る確率が高いからである。