玉を箱に入れる入れ方のうち、玉と箱をそれぞれ区別するかどうかで場合分けをして
考えることで、場合の数について深く理解することが、この教材のねらいである。
玉6個を箱3個に分けるとき、次の場合はそれぞれ何通りだろうか。
ただし、1個も入れない箱があってもよいこととする。
このときは、数えあげるのが速い。6個の玉の分け方の組合せを考えればよいので、
(6,0,0)、(5,1,0)、(4,2,0)、(4,1,1)、(3,3,0)、(3,2,1)、(2,2,2)の7通りとなる。
箱にA,B,Cと名前がついていると考え、6個の玉の分け方の順列を考えればよい。
①のときの(6,0,0)は、(6,0,0)と(0,6,0)と(0,0,6)の3通りに分かれると考えることができる。
(5,1,0)は、3つの数がすべて違うので、(5,1,0)と(5,0,1)と(1,5,0)と(1,0,5)と(0,5,1)と(0,1,5)の
6通りである。
同様に、(4,2,0)は6通り、(4,1,1)は3通り、(3,3,0)は3通り、
(3,2,1)は6通り、(2,2,2)は1通りなので、
3+6+6+3+3+6+1=28通りとなる。
これは、重複組合せで考えると、すぐに計算することができる。
6個の玉を3つに分けるので、下図のように、「6つの玉の列に2つの仕切りを入れる」こと
を考えると、
3H6=8C2=(8×7)/(2×1)=28通りとなる。
玉に①~⑥と名前がついていると考え、6個の玉の組分けと考えればよい。
①のときの(6,0,0)は、①~⑥がひとつの箱に入っている状態で1通り。
(5,1,0)は、5個入りの箱に入る玉を、①~⑥の6個から5個選ぶので、6C5=6C1=6通り。
同様に、(4,2,0)は、6C4=6C2=(6×5)/(2×1)=15通り。
(4,1,1)は、6個から4個選び、次に残りの2個から1個選ぶのであるが、
2つの1個入りの箱に入る玉は入れ替えても同じなので、
つまり、(①②③④,⑤,⑥)と(①②③④,⑥,⑤)の2つは同じなので、2!で割る必要がある。
よって、6C4×2C1÷2!=15通り。
同様にしていくと、(3,3,0)は6C3÷2!=10通り。
(3,2,1)は6C3×3C2=60通り。(2,2,2)は6C2×4C2÷3!=15通り。
ゆえに、1+6+15+15+10+60+15=122通りとなる。
玉に①~⑥、箱にA,B,Cと名前がついていると考え、6個の玉の組分けと考えればよい。
③のときの122通りのうち、(6,0,0)を除いた121通りに対して、A,B,Cの名前をつけるつけ方が
それぞれ3!=6通りあるので、121×6=726通り。
(6,0,0)のときは、玉が6個入っている箱がAのときとBのときとCのときの3通りしかないので、
(0個の箱は入れ替えても同じなので)121×6+3=729通りとなる。
これは、重複順列で考えると、すぐに計算することができる。
さきほどまでの考え方は、「Aの箱に何番の玉が入るか・・・」という考え方であったが、
考え方を逆転させて、
「①番の玉がどの箱に入るか・・・」と考えていくと、重複順列となり、36=729通りとなる。
※③の答えは、④を先に36=729通りと求めてから、(729-3)/6+1=122通りと計算すること
もできる。