しきつめられる正多角形

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約数の利用

しきつめられる正多角形について考察することから、約数の利用や整数解の方程式に

興味をもち、単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。

身の回りからしきつめ模様を探し、それをもとに考察し、平面をしきつめられる正多角形は、

正三角形、正方形、正六角形の3つしかないことを示す。

正 n 角形の一角の大きさは、180(n-2)/nである。これがしきつめられるには、

この角が m 個集まったものが360°になればよいので、m×180(n-2)/n=360 となる。

これを解くと、mn-2m-2n=0から、両辺に 4 を足して左辺を因数分解すると、

(m-2)(n-2)=4となり、n-2 は正の整数であることから、n-2=1,2,4 となり、

n=3,4,6 となることがわかる。

なお、平面をしきつめられる正多角形は、

正三角形、正方形、正六角形の3つしかないが、

5辺が同じ長さのある図1のような五角形

(等辺五角形)はしきつめることができる。

この等辺五角形は、∠A=131.34°、

∠B=∠E=90°、∠C=∠D=114.33°で、

5つの辺の長さが等しい五角形である。

図1のようにしきつめられるので、実際に

しきつめを体験してもおもしろい。

<参考文献>
[1]町田彰一郎(1998),「発見的思考」,『新版21世紀への学校数学の展望』,誠文堂新光社,pp.299-301.