√abの作図

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作図

平面図形の性質を利用して√abの長さを作図することで、平面図形や作図に興味をもち、

単元の有用性を感じることが、この教材のねらいである。


 横の長さがa、縦の長さがbの長方形がある。この長方形と同じ面積の正方形を、

 定規とコンパスだけで作図せよ。

 

(a+b)2-(a-b)2=4abより、

(a+b)2-(a-b)2=(2√ab) 2と考え、この式を利用する。

まず、縦a-b、斜辺a+bの直角三角形を次の手順で作図する。

①図1のような横の長さがa 、縦の長さがbの長方形ABCDにおいて、

 コンパスを利用して点Bを中心とする半径bの円弧を作図し、

 円弧と線分ABをB側に延長した直線ABとの交点をEとする

 と、AE=a+bとなる。

②円弧と線分ABとの交点をFとすると、AF=a-bとなるので、

 コンパスを利用して点Aを中心とする半径a-bの円弧

 を作図する。

③ABの中点をとってAEを直径とする円弧を作図し、②で描いた円弧との

 交点をGとすると、直径に対する円周角の性質から、

 AG=a-b、∠AGE=90°となる。

よって、縦a-b、斜辺a+bの直角三角形が作図できる。

(a+b)2-(a-b)2=(2√ab) 2より、

三平方の定理から、EG=2√abとなる。

よって図2のように、EGの中点Mを作図して、

点Mを中心とする半径√abの円弧を描くと、一辺が√abの正方形を作図することができる。

<参考文献>
[1]三橋功一(1994),「正方形化の問題」,『CRECER中学校数学科教育実践講座第16巻知的好奇心
  をくすぐる授業に役立つ数学の話』,ニチブン,pp.112‐113.