トランプのポーカー

back

確率の加法定理

トランプのポーカーに関連する組合せを計算し、役の作りやすさについて考察することで、

確率について理解を深め、単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。

①排反のときの加法定理

トランプのポーカーで、最初の手札が図1のようなとき、

フルハウス(3枚組+2枚組)になる

確率は、トランプはジョーカーを除くと全部で52枚

なので、52-5=47より、残り47枚中、

(残り2枚)または(残り2枚)を引けばよく、

Aを引くという事象とKを引くという事象は排反(同時に起きない)なので、

2/47+2/47=4/47の確率でフルハウスができることがわかる。

②排反でないときの加法定理

次に、最初の手札が図2のようなとき、1枚交換して

ストレート(数字が5枚つながる)またはフラッシュ(5枚全てマークが同じ)になる確率は、

残り47枚中、ストレートの場合は2か7(マークが4種類)の残り8枚を引けばよく、

フラッシュの場合はの残り9枚を引けばよいが、この2つの事象は排反でなく

◇2か◇7を引く場合が重なっているので、8/47+9/47-2/47=15/47の確率で

ストレートまたはフラッシュができることがわかる。

③どちらの手を狙うか?

最初の手札が図3のように、4枚が同じマークで残り1枚が

違うマークのワンペアーができている場合、

フラッシュを狙ってマークの違う1枚を交換した方が

よいか、それともワンペアーをいかして他の3枚を交換

した方がよいかはよく悩むところである。そこで、どちらの方が確率が高いかを求めてみよう。

(1)フラッシュを狙う場合

フラッシュができる確率は、は残り9枚なので、9/47である。

フラッシュができない場合でも、フラッシュを狙ったときに、何か役ができる確率を考えると、

ワンペアーができる確率は、が残り3枚、が残り2枚あるので、

(3×3+2)/47=11/47となり、

フラッシュができる事象とワンペアーができる事象は排反なので、

フラッシュまたはワンペアーができる確率は、確率の加法定理より、

9/47+11/47=20/47(≒42.5%)となる。

(2)ワンペアーを残す場合

ワンペアーを残すので、役ができる確率は100%。

ツーペアーになる確率は、A以外のもうワンペアーがA,5,7,Q以外の9種類のときと、

5,7,Qのときと場合分けして、(42×43×9+32×44×3)/473=906/5405(≒16.8%)

スリーカードになる確率は、Aをもう一枚だけ引けばよいので、

(21×452)/473=132/1081(≒12.2%)

フルハウスになる確率は、ツーペアーの場合に加え、Aかもう片方かのどちらかが3枚になれば

よいので、{(42×2143)×9+(32×2133)×3}/473=11/1081(≒1.0%)

フォーカードになる確率は、Aを二枚引かなくてはならないので、

(22×45)/473=3/1081(≒0.3%)

ワンペアーを残した場合、役ができる確率は100%だが、フラッシュ以上の役ができる確率は、

11/1081+3/1081=14/1081とわずか約1.3%しかないことがわかる。

実際に実験をやって、相対度数と確率を比較してみてもおもしろい。