無限小数の世界

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小数と分数

1/nを小数に直す計算をnを1から増やしていって順次行い、その結果を分類することで、法

則を発見することから、無限小数に興味をもち理解を深めることが、この教材のねらいである。

1/nを小数に直す計算をし、下図のような表を完成させていく。

(表示の関係で、下図の青色や緑色の数字は循環節の点がある数字であると見てください。)

10
1/nの小数表示1.00.50.30.250.20.16 0.1428570.1250.10.1
小数の種類有限有限純循環有限有限混循環 純循環有限純循環有限


1112131415
1/nの小数表示0.090.0830.076923 0.07142850.06
小数の種類純循環混循環 純循環混循環混循環


1617181920
1/nの小数表示0.06250.0588235294117647 0.050.0526315789473684210.05
小数の種類有限純循環混循環 純循環有限


nの値の性質によって、有限小数、純循環小数、混循環小数のどれになるかを分類していく

作業を行う。純循環小数とは小数第一位から循環する小数、混循環小数とは途中の位から

循環する小数のことである。

分類していくと、nの素因数が2か5だけでできている場合は有限小数、2も5を含まない場合

は純循環小数、2か5を含み、それ以外の数も含む場合は混循環小数になることがわかる。

まず、分数で有限小数にならないものは必ず循環小数になることを考えさせる。

有限小数は、分母が必ず10,100,1000・・・という10の乗数になる分数に変形できるので、

nの素因数が2か5だけでできていることがわかる。

純循環小数は、分母が必ず99,999, 9999・・・といった9が続く数になる分数に変形できるので、

nの素因数が2も5を含まないことがわかる。

混循環小数は、例えば0.1235=0.12+0.0035のように、必ず有限小数の部分を含むので、

分数に直す際に、通分したときに必ずnに2か5が入り込むため、nの素因数が2か5を含み、

それ以外の数も含むことがわかる。

(参考文献)
[1]何森仁,小沢健一,近藤年示,時永晃 共著(1987),「無限小数の世界」,『生き生き数学』,三省堂.