じゃんけんであいこになる確率を計算することから、余事象について深く理解し、
単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
じゃんけんであいこになる確率を、じゃんけんする人数を変えて考えてみよう。
2人でじゃんけんをしてあいこになるときは、2人の出す種類が同じときなので、
あいこになる確率は3/9=1/3である。
3人でじゃんけんをしてあいこになるときは、3人の出す種類が1種類か3種類のときなので、
あいこになる確率は(3/33)+(3!/33)=(1/9)+(2/9)=1/3である。
この考え方では、n人にする(一般化する)のは大変なので、考え方を変えて、余事象を使って
求める方法を考える。これを勝負がつくとき、つまり3人の出す種類が2種類である確率は、
「(2種類以下-1種類)×3通り」と考えて、
{(2/3)3-(1/3)3×2}×3={(8/27)-(2/27)}×3=2/3
より、1-(2/3)=1/3と求めることができる。
同様に考えると、n人でじゃんけんをしてあいこになる確率は、
1-[{(2/3)n-(1/3)n×2}×3] となる。
これより、例えば10人でじゃんけんをする場合、あいこになる確率は
1-[{(2/3)10-(1/3)10×2}×3]=18661/19683(≒0.948) となる。
よく10人くらいでじゃんけんをしている場面をみかけるが、10人でじゃんけんする場合
20回に1回くらいしか勝負がつかないことがわかる。
この続きとして、じゃんけんであいこの確率を漸化式で考える教材が、数学Bにあります。