日本シリーズの勝敗の確率を考え、実際の結果と比較することから、反復試行について深く
理解し、確率に興味をもち、単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
野球の日本シリーズは最大7試合行うが、先に4勝した時点で大会は打ち切りである。
さて、それぞれのチームの1試合の勝敗の確率を1/2としたとき、第7戦までもつれる確率
はどれくらいだろうか?
AチームとBチーム対戦するとしたとき、まずAチームが4勝3敗で勝つ確率は、
第6戦まで3勝3敗の状態で、第7戦にAが勝てばよいので、
6C3(1/2)3(1/2)3×(1/2)=5/32となる。
よって、Bが勝つ場合も考えると、第7戦までもつれる確率は5/16(≒31.25%)となる。
つまり、第7戦のチケットを持っている人が試合を見られる確率は31.25%ということがわかる。
同様に計算すると第6戦で決まる確率は、5C3(1/2)3(1/2)2×(1/2)×2=5/16(≒31.25%)
で、第6戦のチケットを持っている人が試合を見られる確率は62.5%。
第5戦で決まる確率は、4C3(1/2)3(1/2)1×(1/2)×2=1/4(≒25%)
で、第5戦のチケットを持っている人が試合を見られる確率は87.5%。
第4戦つまり4連勝で決まる確率は、(1/2)4×2=1/8(≒12.5%)である。
ちなみに、日本シリーズは2009年に60回目を迎えたが、ここまでの結果は以下の通りである。
理論値と比べるとかなり近いのには驚きである。(あと4年で1回ずつおきると理論値とぴったり
になる!)
回数(60回中) | 相対度数 | 理論値 | |
---|---|---|---|
第7戦まで | 19回 | 31.66% | 31.25% |
第6戦まで | 19回 | 31.66% | 31.25% |
第5戦まで | 15回 | 25% | 25% |
第4戦まで | 7回 | 11.66% | 12.5% |