画鋲を投げる実験

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同様に確からしい

いろいろな確率を、実際に実験して考察することで、確率に興味・関心をもち、

確率の意味についての理解を深めることがこの教材のねらいである。

①硬貨を投げる実験


 10円玉を2枚投げたとき,表と裏が1枚ずつ出る確率を求めよ。

 

(予想される2つの考え方)

(A)2枚の10円玉は区別できないので、全事象は表2枚、表1枚、表0枚3通りある。

   そのうち表と裏が1枚ずつなのは、表1枚1通りなので、答えは1/3

(B)2枚の10円玉は区別できないが、同様に確からしく数えなくてはいけないので区別し、

   全事象は(表,表)(表,裏)(裏,表)(裏,裏)4通りある。

   そのうち表と裏が1枚ずつなのは、(表,裏)(裏,表)2通りなので、答えは2/4=1/2

同様に確からしく数えないと,確率は正しく求まらない。よって答えは(B)。

実際に実験して1/2になることを確かめる。

②さいころを投げる実験


 さいころで1の目が出る確率は1/6なので、

 さいころを6回投げたとき,1の目は必ずちょうど1回出るだろうか?

 

さいころを6回投げたとしても、1の目がちょうど1回出るとは限らない。

2回以上出ることもあれば、1回も出ないこともある。

実際に実験するとそのことがわかり、また、相対度数が試行回数をふやすほど数学的確率に

近づくこと、つまり大数の法則を理解することができる。

③画鋲を投げる実験


 画鋲を投げたとき,針が上を向く確率は1/2だろうか?

 

針の上を向くのと下を向くのが同様に確からしくないので、確率は1/2とはいえないことが

わかる。また、その確率は計算では簡単には求まらないので、実験で試行回数をふやして

いったときにその相対度数が限りなく近づく先の値、つまり統計的確率を確率と考えるとよい

ことがわかる。画鋲の種類によって確率は違うだろうが、実際に実験したら、だいたい針が

上を向く確率が3/5くらいとなった。この統計的確率によって、画鋲を投げたときの結果が

予測できるようになる。