「三角形の内角の和が180°でない三角形がある」など、非ユークリッド幾何学の話を通して、
幾何学に興味をもつことが、この教材のねらいである。
高校までで学ぶ幾何学はユークリッド幾何学である。
その中で次の定理について考察する。
ユークリッド幾何学が成り立たないとして成立する幾何学を非ユークリッド幾何学という。
非ユークリッド幾何学は大きく分けて2つあるが、1つ目は、リーマン(ドイツ1826~)が
考えた、楕円幾何学である。これは、楕円体の表面での幾何学で、
である。
例えば、楕円幾何学の中の球面幾何学のモデル
として、地球をイメージするとわかりやすい。
地球上では、図2のように異なった2地点にいる
2人が北に平行に進むと必ず北極点で会う(交わる)し、
2つの経線と赤道を結ぶ三角形は3つの角がすべて90°で、
内角の和は270°である。
非ユークリッド幾何学は大きく分けて2つ目は、ロバチェフスキー(ロシア1793~)と
ボヤイ(ハンガリー1802~)が考えた、双曲幾何学である。
これは、双曲面での幾何学で、
である。
モデルとしてベルトラミーの擬球面などがあるが、これをイメージするのは難しいので、
存在だけを話す程度でよいだろう。