といち借金の恐怖

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指数・対数

利息のしくみや複利計算について考察することから、指数・対数に興味をもち、

指数の発散の恐ろしさと常用対数の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。

といちとは十一と書き、十日で一割という法外な利息を取ること、およびそのような

利息を取る金融業者(ヤミ金融等)を意味する。

もし、十日で一割の利息で1万円を借り、返済せずに放っておいたとしたとき、

3年後に借金はいくらになっているだろうか?予想してから考察してみる。

十日で一割の利息というのは、1(万円)が10日で1×1.1=1.1(万円)

20日で1×1.1×1.1=1.12=1.21(万円)、30日で1.13=1.331(万円)なので、

3年後は365×3=1095日より、109回利息がついたとして1.1109(万円)となる。

これを電卓で計算してもよいが、常用対数を使って計算してみる。

x=1.1109と置いて両辺に常用対数を取ると、log10x=109×log101.1より、

常用対数表からlog10x=109×0.0414=4.5126となる。つまり、5桁の数(万円)の値とわかり、

返済額は1億円を超えることがわかる。さらに詳しく計算してみる。常用対数表を逆に見ると、

log103.25=0.5119より、x≒3.25×104で、返済額はおよそ3.25×104=3億2500万になって

しまうことが推測できる。実際に計算すると3億2493万9630円でほぼ一致する。