面積を二等分する直線

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直線の方程式

土地の分割問題を題材に、多角形の面積を二等分する直線の方程式を求めることで、

単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。

①正方形の二等分


 図1のような1辺が2(km)の正方形の土地の面積を二等分するためには、

 どのような直線で分ければよいだろうか?

 

1辺が2(km)の正方形の土地の面積を二等分するには、土地の

左隅の点を原点とすると、左右の対称性から、常に対角線の交点

つまり(1,1)を通る直線であることがわかる。よって、(1,1)が

不動点となり、その直線の方程式は y-1=m(x-1)より、

y=mx-m+1となる。(mは直線の傾き)

②三角形の二等分する


 図2のような1辺が2(km)の三角形土地の面積を二等分するためには、

 どのような直線で分ければよいだろうか?

 

図2のように、1辺が2(km)の正三角形の土地において、

T(t,0)を通り(1<t≦2)、面積を二等分する直線と

正三角形の1辺OAとの交点Pを考え、OP=p とおくと、

∠AOB=60°より、P(p/2,(√3/2)p)とおける。

ここで、正三角形の面積S=(1/2)×2×2×sin60°=√3 に対して、

三角形OPTの面積S1=(1/2)tpsin60°=(√3/4)tp であるから、

√3×(1/2) =(√3/4)tp より、p=2/t となる。

よって、2点T(t,0)、P(1/t,√3/t)を通る直線は、y=√3/(1-t2)となる。

これをtについての恒等式を考えると、yt2-(√3)t+((√3)x-y)=0となり、

任意のtについてこれを常に満たすx、yは存在しないので、不動点は持たない。

(※重心G(1,√3/3)が不動点になるような気がするが、そうはならないことがわかる。)

点Tと点Pを他の辺に取っても同様である。