3つの平均と年俸交渉

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相加・相乗・調和平均

データの種類によって平均のとり方が違うことを考察し、3つの平均を紹介することから、

平均について興味をもち、単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。

①相加平均


 A君はテストで国語が50点、数学が70点、英語が75点だった。

 A君の3教科のテストの平均点は何点だろうか?


相加平均を使い、平均点は(50+70+75)/3=65点となる。

②相乗平均


 あるゲーム機の売り上げが、1年目から2年目に2倍,2年目から3年目に8倍になった。

 平均で、売り上げは1年当たり何倍になっただろうか?


(2+8)÷2=5倍ではない。このケースは相加平均ではなく相乗平均を使う。

√(2×8)=√16=4倍となる。

③調和平均


 A君は学校に行くのに、行きは歩いて時速4km、帰りは車で迎えにきてもらい時速28km

 だった。行きと帰りの平均の時速は何km/hだっただろうか?


(4+28)÷2=16km/hではない。このケースは相加平均ではなく調和平均を使う。

2/{(1/4)+(1/28)}=2÷(2/7)=7km/hとなる。

④年俸交渉

あるプロ野球球団に所属するA選手の今季の年俸は6200万円であった。A選手は今季成績を

あまり残せず、球団としては年俸をダウンさせたい。球団は最初の交渉で4000万円を提示

した。それに対してA選手は年俸9000万円を要求。交渉は難航した。そこで球団代表はこう

切り出した。

球団代表「それでは、平均をとりましょう!」

これを聞いてA選手は「予定通り」とほくそえんで合意した。

A選手は、相加平均だと思い、年俸は、(9000+4000)/2=6500(万円)で、

年俸が300万円アップしたと思った。

しかし球団は、相乗平均の√(9000×4000)=√36000000=6000(万円)を提示した。

つまり年俸は200万円ダウンしてしまったという話である。

ちなみに調和平均だったら、2/{(1/9000)+(1/4000)}=72000/13≒5538(万円)と、

約5538万円になってしまう。

ただの「平均をとる」だけでは危ない?平均には3種類あるのである。

ちなみに、a>0,b>0のとき、

相加平均と相乗平均と調和平均の関係は、(a+b)/2√(a×b)2/{(1/a)+(1/b)} である。