次のような概念モデルを用いて、「PならばQ」の命題が真のとき、「PはQの十分条件」で、
「QはPの必要条件」であるということをイメージすることが、この教材のねらいである。
女子マラソンの記録で、ある日本人が世界記録を持っているならば日本記録も持っている
ので、「世界一ならば日本一である。」の命題は真である。
世界記録を持つことは日本記録を持つために十分な条件なので、
世界一は日本一の十分条件で、
日本記録を持つことは世界記録を持つために必要な条件なので、
日本一は世界一の必要条件であることがイメージできる。
この概念モデルは、真の命題の対偶は真であるが、逆と裏は真であるとは限らないことも
実感しやすいモデルである。
上記で述べたとおり、「世界一ならば日本一である。」の命題が真であることは実感できるが、
その対偶である、「日本一でなければ世界一ではない。」の命題も真であることは実感しや
すい。また、逆である、「日本一ならば世界一である。」の命題や、
裏である、「世界一でなければ日本一ではない。」の命題が偽であることも実感しやすい。