断面積の最も大きい雨どいを作るという課題を通じて、単元の有用性を感じるのが、
この教材のねらいである。
幅24cmの金属板を、図1のように両端から等しい長さだけ直角に
折り曲げて雨どい(屋根の下に設置し、雨を集めて地面に流す
もの)を作りたい。雨をためることのできる断面積をもっとも大き
くするには、端から何cmのところで折り曲げればよいだろうか。
①紙を切り取って折ってみて、どこで折れば最大になるか予想してみよ。
②折り曲げる部分の長さを (xcm)、断面積を (ycm2)として、yをxで表す式をたてよ。
③平方完成してグラフを書き、xが何cmのときに最大になるか求めよ。
また、断面積yの最大値も求めよ。
y=x(24-2x)より、y=-2x2+24x、平方完成して、y=-2(x-6)2+72となるので、
x=6cmのとき、断面積yの最大値は72cm2となる。
①の予想の段階で、幅24cmの場合、折り曲げる部分の長さxが整数になるので、
下のような表を作って考えると、簡単に予想できてしまう。
高さx(cm) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
横幅24-2x(cm) | 22 | 20 | 18 | 16 | 14 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 |
断面積y(cm2) | 22 | 40 | 54 | 64 | 70 | 72 | 70 | 64 | 54 | 40 | 22 |
よって平方完成は難しくなるが、例えば幅30cmにすると、y=-2{x-(15/2)}2+(225/2)となり、
x=7.5cmのとき、断面積yの最大値は112.5cm2となるので、これならば予想は難しくなり、
計算して求める意義を大きく感じることができる。
高さx(cm) | ・・・ | 6 | 7 | (7.5) | 8 | 9 | ・・・ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
横幅30-2x(cm) | ・・・ | 18 | 16 | (15) | 14 | 12 | ・・ |
断面積y(cm2) | ・・・ | 108 | 112 | (112.5) | 112 | 108 | ・・・ |