自由落下の性質や平行の光や電波が放物面に当たると焦点に集まる性質から、身のまわりか
ら意外と放物線や放物面を見つけることができる。身のまわりにある放物線を探したり、話をし
たりすることで、現実事象との関連や単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
自由落下における時間と落下距離の関係が2次関数であることから、物を投げたときに放物線
を見ることができる。野球の打球(フライ)や投げた球の軌跡、噴水の水の軌跡など、放物線を
身のまわりから見つけることができる。
放物面とは、垂直方向の断面が放物線になっている面のことである。
平行の光や電波が放物面に当たると焦点に集まる性質を利用して、
パラボラアンテナ(衛星放送のアンテナ)は作られている。
宇宙の基地局から送られてくる電波は平行線なので、アンテナに平行
で入ってくる。それを図1のように、放物面である反射器で反射し、
焦点部分にあるアンテナの受信器で受信する。
また、その逆の原理で作られているのが、車のライトや懐中電灯
である。車のライトは、反射板がないと電球から出た光は八方に
進んで拡散してしまうが、反射板を置くことで、図2のように光は
平行線となり、遠くまで照らすことができる。