かけ算の工夫

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筆算のしくみ

43×43を図1のように計算した子どもがいたとする。

この間違いは、図2の43+43の計算方法の類比からくると思われる。

この計算は一の位で3+3、十の位で4+4を計算しているので、

かけ算でも同様に、一の位で3×3、百の位(十の位×十の位なので)

で4×4を計算していると見ることができる。

よってこの間違いは、悪い間違いとはいえないと考えられ、単に

十の位の計算(十の位×一の位)をしていないだけと考えられる。

図3のように筆算することが普通だが、図4のように考えてもよい

のである。

「43×43を図1のように計算した子どもがいたらどう教えてあげますか?」

というところから導入し、そのしくみについて考える。

展開公式を利用した2桁×2桁のかけ算の工夫

上記の「筆算のしくみ」の話から、「展開公式を利用したかけ算の工夫」の話へと展開し、

展開公式のしくみについて考え、理解することがこの教材のねらいである。

①(a+b)2=a2+2ab+b2

432=(40+3)2=402+2×40×3+32=1600+240+9=1849である。

この式は、402は百の位の計算、2×40×3は十の位の計算、32は一の位の計算をしていると

見ることができる。②以降の展開公式も同様に捉えて説明していくことができる。

②(a-b)2=a2-2ab+b2

792=(80-1)2=802-2×80×1+12=6400-160+1=6241である。

(792=(70+9)2=702+2×70×9+92=4900+1260+81=6241より簡単)

③(a+b)(a-b)=a2-b2

22×18=(20+2)(20-2)=202-22=400-4=396である。

④(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab

22×24=(20+2)(20+4)=202+20×(2+4)+2×4=400+120+8=528である。