身近な物の長さが三角比を用いて計算できることを実感し、この単元の有用性を感じることが、
この教材のねらいである。
伊豆半島にある十国峠のケーブルカーは、図1のように、
レールの全長が 316m 、平均傾斜角は 18° である。
このとき、山ろく駅と山頂駅の標高差yとレールの地図上の
長さxを求める。地図上の長さとは、図2の地図に書かれて
いるレールの長さである。三角比表を用いて計算すると、
標高差
y=316×sin18°≒316×0.3090= 97.644m
地図上の長さ
x=316×cos18°≒316×0.9511= 300.5476m
となる。地図上の長さは、図2の5000分の1の地図に
書かれているレールの長さを測ると、ちょうど6cm
なので、実際の長さは6×5000=30000cm= 300m
となり、ほぼ正しいことが検証できる。
また標高差においても図3の地図で山ろく駅から
山頂駅までの等高線を数えると10本分あり、等高線の
間隔は10m間隔なので、標高差が約 100m である
ことがわかり、ほぼ正しいことが検証できる。
(図3のレールの長さは、駅の中心付近から測られて
いるようで、地図上の長さを正確に検証するのには
使いづらいので、使う図を分けた。)