大村湾のスナメリの調査

長崎県の大村湾にはスナメリの個体群があります。この個体群は有明海・橘湾あるいは玄界灘から瀬戸内海に存在するスナメリ個体群との間で、個体の移動が制限されていることがわかっています。これまで数回にわたって行われた航空機を用いた生息数調査で、個体数は約数百頭と推定されていますが、調査ごとの結果の変動が大きく、正確な数はわかっていません。

独立した個体群で個体数が数百というのは、様々な人為的、環境的要因で容易に減少に向かう可能性が否定できません。大村湾では様々な網漁業も行われており、これら漁網に羅網して死ぬスナメリも報告されています。

このスナメリ個体群の保全のためには、常にその動向をモニタすることと、生態的な情報を蓄積していくことが必要です。

我々は大村湾のスナメリについて、漂着標本を収集して、その生態情報の収集に努めるとともに、陸上目視調査、音響データロガー調査を長期にわたって継続して、個体数減少の兆候がないか確認することを行っています。

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