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ひぐらしのなく頃に 〜身代り編〜 Vol.3
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・ふふっ」
「ど・・・・・・どうした?」
レナが圭一の顔をじっと見る。
やっぱり圭一は照れていた。じっと見られるのは慣れていないのだろうか?
「照れてる圭一くんかわいいかわ・・・・はぅ〜やっぱり照れてる圭一くんはかぁいいよぅ〜」
かぁいいモード再発動・・・・・・・・・・・・。
「なあ、俺にはやっぱりお前の「かぁいい」の基準がわからねえよ!!!!って、おい
そ・・・それは・・・・鉈?一体何処からそんなもん出してきたぁぁぁぁぁっ!?」
「レナのポケットは四次元なの。だからいろんなものが出せるんだよ・・・・・だよ?」
圭一はレナの左手を見た。そこには・・・・・・お約束どおり(?)鉈が握られていた。
「よ・・・四次元って・・・・お前は某二足歩行型ネコ型ロボットかいっ!!
「はぅ〜圭一くんがド○えもん〜・・・・・・やっぱりかぁいいよぅ〜!!」
「俺は人間だって!!やばい、レナの奴、見境がつかなくなってる・・・」
多分、鉈はどこか隠した所から持ってきたのだろう。例の宝の山で発掘するために。
道路の端で対峙する二人。レナが圭一ににじり寄る。
そして・・・
圭一は踵を返すと猛ダッシュで走り出した。
だが!!!!!!
「どうしたのかな?・・・かな?」
目の前に現れたのは・・・・・・
「ひっ!!!!!!!!!」
レナだった。一体どうやって圭一の前に現れたのか・・・・
「お・・・お前・・・いつの間に!?」
圭一は尋ねた。
「鉈で峰打ちしたら大丈夫かな・・・・かな?そうすれば傷も余りつかないし。うん。
気絶させるだけでいいから・・・ぶつぶつ・・・」
ぜんぜん人の話を聞いていないようだった。圭一は今度こそこう思った。
「絶対*される!!」
その時、道路の向こう側から見覚えのある人影が・・・・・。
圭一にはその人影が神様仏様イエス様・・・・あらゆる神様に見えたかもしれない。
・・・その時は・・・・・。
「おお!助かった・・梨花ちゃんに沙都子に羽入!!!レ・・・レナを何とかしてくれ!!」
三人はレナと圭一を見た。そしてお互い顔を見合わせたののち、無言で頷く。そして・・・
「がしっ!!」
「んな!?・・・・なんだなんだ!?・・・・」
「命が惜しかったらおとなしくするです」
「あぅ・・・かぁいいモードのレナには誰もかなわないのですよ・・・・」
「ほら・・・おとなしく観念するのですわ」
三人はそれぞれ圭一の左右の腕と腰をがっちり押さえた。
「ありがと。圭一くんをお持ち帰りしようとしたんだけどね。逃げるからなかなか
出来なくて・・・」
レナが圭一へとにじり寄る。そして鉈を振りかぶると・・・・・・・・・
暗転。
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・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
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・・・・
・・
どれくらい時間がたっただろうか・・・・?
圭一は目を覚ました。
「?どこだ?ここは・・・・」
辺りを見回す。何処かの部屋のようだった。
室内を見回と部屋の一角に見覚えのあるものが見えた。
「これ・・・ケンタくん人形?」
そう。そして、人形の*手には、接着剤で補修した跡が。
「そういや・・・・・俺が発掘したとき・・・「あの」鉈で折っちまったんだよな・・・って
まさか!!!!」
もういちど辺りを確かめるように見回す。そこは紛れも無く・・・・
「レナの部屋だ!!!・・・・あの時、鉈の峯で殴られて気絶して・・・・痛うっ!!!」
後頭部に激痛が走る。
「は・・・・・早くここから逃げ出さないと・・・あ、あれ、体が・・・動かない・・」
よく見ると両手、両足がロープで縛られている。
体が恐怖で硬直する。
全身から嫌な汗が吹き出る。
「今度こそ*される!!」
しばらくののち、階下から足音が聞こえてきた。そして、その音は部屋の前で止まり・・・・。
静かにドアが開いた。
「・・・・・圭一くん起きたかな・・・・・かな?」
レナだった。
「お・・・・・俺をどうするつもりだ?」
「どうもしないよ?蝋人形とかにしようと思ったんだけど・・・・・・・・・・・。それに
話さない圭一くんなんてつまんないから、どうしょうかな〜って。いい方法が見つかるまで
とりあえずは縛っておくの」
「でも、俺が帰って来ないと俺の親が心配して警察に捜索願いだすぞ?ここに俺がいる事だっ
ていつばれるか解らないぞ?」
「大丈夫だよ?・・だよ?そんなことぐらいわかってるから」
「大丈夫?一体何が大丈夫なんだ?」
「もうすぐわかるよ」
少しして、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「こんにちは〜・・・・・・・・・・」
その声を聞いて、圭一は愕然とする。
「俺・・・・・!!?」
「わかった?だから、安心して圭一くんはレナのものになってね?・・一生・・ふふっ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃあ、出かけてくるね」
といってレナは部屋を出、ドアを閉めた。と、その直後。
「ばっ!!」
勢いよくドアが半分ほど開いた。開いたドアの隙間から睨むような目をしたレナが言った。
「逃げるなんて真似したら・・・・・解ってるよね?」
「あ・・・・・ああ・・・・・・」
圭一は返事するのが精一杯だった。
「だんっ!!」
勢いよくドアが閉まった。
物音が遠ざかるのを確認する。
「・・・・さてと・・・・どうやって・・・・・・ここから・・・・・出ようかな?」
かなりきつく縛っているように見えた紐も、実は案外そうではなかった。
ちょっともがいているとすぐに緩んでしまった。
「まずは・・・・両手からだな」
手を縛っていた紐を解き、足を縛っていた紐を解こうとした・・・・・・その時!!!
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