独断的JAZZ批評 844.

GUIDO MANUSARDI TRIO
元気溌剌で若々しい
脂ぎっていると言えば言い過ぎか?
"NO MORE NO LESS"
GUIDO MANUSARDI(p), YURI GODLOUBEV(b), MASSIMO MANZI(ds)
2006年7月 スタジオ録音 (SOUND HILLRECORDS : SSCD-8135)


GUIDO MANUSARDIは初めて聴く。
FACEBOOKの友達間で話題になっていたアルバムだ。このMANUSARDIは録音時には71歳だったというから、まあ、ベテランの類と言っても良いだろう。ヨーロッパでは、多くのジャズ・ピアニストを輩出しているイタリアの出身だ。
相棒のYURI GODLOUBEVはDARIO CARNOVALEの"EXIT FOR THREE"(JAZZ批評 675.)に参加していたベーシストで、クラッシクの薫陶を受けている。少々弾き過ぎなのが玉に瑕だった。
ところで、ゲットしたCDが上手くトレースしなかった。松山のジャズ友に教わったのだが、このCDをブランクCD-Rに焼き直しすると不具合が直ってしまうのだ。摩訶不思議だ!

@"SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE" いきなりテンション高めの演奏でガンガン始まる。バップ・スタイルを踏襲した演奏だ。
A"LIKE SONNY" 
J.COLTRANEの曲だが、"SONNY"とはSONNY ROLLINSのことを指しているのだろうか?
B"YOU STEPPED OUT OF A DREAM" 
GODLOUBEVがベースをギターのように弾いているけど、これは弾き過ぎってもんだ。その分、ビートが感じられないのが残念。
C"ICE DROPS" 
今度は美しいアルコ奏法。流石にクラッシクの薫陶を得ているだけに美しい音色だ。どこかで聴いたことがあるようなリリカルなメロディ。
D"BIOS" 
E"OLD FOLKS" 
リリカルというよりも逞しさを感じるスタンダード。
F"WHO CAN I TURN TO" 
どうもMANUSARDIはしっとりとした演奏は苦手のようで、どちらかというと脂ぎったガチッとした演奏スタイルだ。その分、余韻が残らない。続くベース・ソロは得意の速弾きなのだが、一音一音を大事に弾いてくれるといいのだが・・・。
G"JUST ONE OF THOSE THINGS" 
ミディアム・ファーストの軽快な曲。こういう演奏が一番嵌っているかも・・・。心地よいスイング感に溢れている。
H"HERE'S THAT RAINY DAY" 
テーマはピアノ・ソロで奏でるが、饒舌なピアノだ。・・・というか、元気溌剌って言った方がいいかな?
I"UNTITLED 7" 
確かに、ベースのGODLOUBEVは相当のテクニシャンだとは思うけど、弾き方が軽い。
J"LABYRINTHUS" 
C、D、Iに次ぐMANUSARDIの4曲目のオリジナル。グルーヴ感溢れるブルースだ。結局、こういう演奏が一番似合っているかも?

本アルバムのピアニスト、MANUSARDIは71歳という年齢を考えると元気溌剌で若々しい。脂ぎっていると言えば言い過ぎか?その分、しっとりとした曲調は苦手なのだろう。
ベースのGODLOUBEVはテクニシャンだと思うけど、音色も含めてちょっと軽い。テクニシャンが陥る罠かも・・・それが勿体ない。
とはいえ、ノリノリの演奏を全編に貫いているのでイタリア製バップ・テイストを十分楽しむことが出来るだろう。   (2014.01.18)

試聴サイト : http://www.youtube.com/watch?v=9TH2xXPtjp4



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