独断的JAZZ批評 832.

MILCHO LEVIEV / DAVE HOLLAND
「やりあった!?」
"UP & DOWN"
MILCHO LEVIEV(p), DAVE HOLLAND(b)
JのみTODD GARFINKLE(p), SHIGEO SUGIYAMA(b)
1987年9月 ライヴ録音 (M・A RECORDINGS : M002A)


少し古めの録音であるが、FB友達の間でDAVE HOLLANDの弾きっぷりが話題になったアルバムということでゲットしてみた。
CDをゲットしたのはいいのだが、このCDがなかなかの曲者!肝心要のトラック1、2がきれいにトレースしないのだ。アナログLPで言う「針飛び」っていうやつだ。勿論、ほかのCDはきれいに掛かっているので、このCDだけの問題のようだ。そう言えば、このCDのようにトレースできないCDがたまにあるのも事実。
で、CDプレイヤーのメーカに出張修理で診てもらったけど、このCDだけは解決できない。CDディスクに問題がある場合もあるってことでした。因みにこのCDは1987年の日本のサントリーホールでのライヴ録音盤。amazonには新品がなくてカルフォルニアの中古盤業者から購入したのだけど、それがいけなかったのだろうか?
出張で来てもらったついでに、光ピックアップまで交換して修理代はそれなりに掛かったのだけどね・・・。悔しい!従って、このCDの印象がすこぶるヨロシクない。

@"BILLY'S BOUNCE" トレース NG!これが聴きたいのに!ピアノもベースもガシガシ弾いている。
A"QUIET FIRE" 
トレース NG!
B"COSMOSIS" 
ベースが躍動感あふれるアップ・テンポの4ビートをズンズン刻む。デュオであることを忘れさせる演奏だ。
C"UP AND DOWN" 
ミディアム・テンポのブルース。MILCHOはブルガリアのピアニストでクラッシクにも造詣が深いようだ。音符多めの演奏だ。HOLLANDのベース・ワークがグルーヴィ!
D"JUMPIN' IN" 
まるで「トムとジェリーの追いかけっこ」よろしく音符過剰に弾き倒す。HOLLANDも負けじと音符過剰で弾き倒す。ウーン、少々聴き疲れする。
E"CAVATINA" 
ホッと落ち着く美しいバラード。ベース・ソロがいいね。
F"LETTER TO YANA" 
ここでは珍しくHOLLANDのアルコ奏法が聴ける。僕は初めてHOLLANDのアルコを耳にしたけどなかなか達者だ。
G"ONCE UPON A TIME" 
ギターリスト・JOHN ABERCROMBIEの曲で、静謐な印象の曲。
H"CON MUCHO GUSTO" 
MILCHOの左手によるブロック・コードが躍動感に溢れていて素晴らしい。
I"WHAT IS THIS THING CALLED LOVE ?"
 C. POTERが書いた曲で既にスタンダード化している曲。アップ・テンポでグイグイ突っ走る。

J"FIRST FLIGHT" このトラックはボーナストラックということで前の曲から30秒後に開始する。が、これはこのレーベルの他のCDから持ってきたものらしい。これも余計なお節介というものだ。演奏者はTODD GARFINKLEと杉山茂生ということらしい。宣伝を兼ねているのか!

いかにもコンサート・ホールでの録音と感じさせる残響音がある。
デュオであるが、デュオを感じさせない音の厚みがある。ひとえにピアノの音数の多さに依るところが大きいし、その迫力ある演奏ぶりにHOLLANDも刺激を受けた格好だ。一言で言うと「やりあった!?」って感じかな?
最初にも書いた通り、きちんとトレース出来れば星4.5は与えてもいいなあと思っていたが、聴くに聴けない2曲があっては残念ながら星4つまでだね。因みに下記のYouTubeでは全曲、針飛びなしに聴くことが出来る。フーッ!   (2013.11.07)

<2013.11.09 追記>
松山のジャズ友から「針飛びのCDはCD-Rに焼き直すとOKの場合がある」という情報をいただいて、早速、試してみた。そうしたら、トレースしなかった@もAもきちんとトレースするようになった。ならばということで、星4.5にアップしました。情報、ありがとうございました。


試聴サイト : http://www.youtube.com/watch?v=Kj2Jyj6_L8I&list
=PLPNJB5gDSsY3aKi-Q_Wqo55BvidGhj3RI




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