ENRICO INTRA
僕が購入した価格、2300円なら元は取ったという感じ
それ以上でもそれ以下でもない、ジャスト・プライスだ
"JAZZ IN STUDIO"
ENRICO INTRA(p), PALLINO SALONIA(b: from@〜I), EMESTO VILLA(b: fromJ〜M, PUPO DE LUCA(ds)
1962年 スタジオ録音、ボーナストラックJ〜M 1957年録音 (SCHEMA RECORDS : RW 126CD)

兎に角、激レア盤なのだそうだ。何しろ、ヨーロッパのピアノ・トリオの最上級に位置する激レア盤で中古市場で30万円の高値をつけたほどのLPが初めてCD化されたそうで、さらに、ファン垂涎のサンレモのライヴ音源を4曲ほどボーナストラックとして追加したCDなのだ。
これだけの謳い文句があるとすれば、ピアノ・トリオ・ファンを自認する人間として購入しないわけには行かない。1962年の録音が10曲、1957年のライヴ音源4曲の合計14曲が入っている。
僕は不幸にして、希少価値というものにあまり反応しないタイプ、というよりは常日頃「幻の名盤に名盤なし」と思っているタイプなので、1枚のLPに30万円をつける希少価値とはいかなるものかということにも興味があった。

@"PERCUSSION" 
のっけからいかにも古臭い演奏だ。今から45年以上前の演奏なので、さもありなん。ブラッシュがサクサク、ベースがゴツゴツとサポートしてピアノがワンマン風に歌っている。
A"NARDIS" 
曲間にMCが入って、演奏曲目をアナウンス。これが、実に邪魔で鬱陶しい。演奏のほうも4ビートでスイングしているのだが、何か色気というか情緒に欠ける。あえて言うと機械的だ。聴いていて、熱くなる高揚感みたいなものが足りない。クールというのとは違うし、グルーヴィというのとも違う。
B"PITTURA" 
C"A FOGGY DAY" 
ここまで聴いてくると どれも似たような演奏スタイルで変わり映えしない。
D"TRA BOP" 
E"JOHN LEWIS" 
F"CLASSIC JAZZ" 
G"YOU STEPPED OUT OF A DREAM" 
H"TRE, TRE, TRE" 
I"FLORA BLUES"
 脇目も振らずストレート一直線の演奏スタイル。
J"MODERN IN S. REMO" サンレモのライヴ音源というけれどライヴの拍手とか歓声は全く聞こえない。
K"BLUES" 
L"THE CLASSIC JAZZ" 
M"LA STRADA DEL PETROLIO" 

1枚くらいこういうアルバム、即ち、1960年代のヨーロッパの4ビート・ジャズを持っていてもいいかなとは思う。でも、30万円かけて購入する気にはなれない。僕が購入した価格、2300円なら元は取ったという感じ。それ以上でもそれ以下でもない、ジャスト・プライスだ。だから星は4つ。中古市場の買取に出すほどでもない。
最近、いわゆる「レア盤」を聴くたびに思うのだけど、「レア盤」はレアであって初めて価値があるということ。「レア盤」が世に出回ってしまったら、その価値の大半が失われて、ごく普通のアルバムに成り下がること必至だ。このアルバムもそういう1枚だ。
このアルバムを聴くならBUD POWELLとかSONNY CLARKを聴いたほうがずっと刺激的だし色気がある。   (2008.12.15)

参考サイト: http://www.myspace.com/intraenrico 



独断的JAZZ批評 518.