KENNY DREW /NIELS-HENNING ORSTED PEDERSEN
ジャズの魂を震わす超弩級デュオである
"DUO LIVE IN CONCERT"
KENNY DREW(p), NIELS-HENNING ORSTED PEDERSEN(b),
1974年6月 ライヴ録音 (STEEPLE CHASE SCCD-31031) 

これを「弾き過ぎ」と言わずに何て言えばいいのだろう!
ドラムレスの穴を埋めるためか、はたまた、ライヴという環境がそうさせたか。もう、(管楽器はないが)ブローの連続である。でも、この「弾き過ぎ」が心地よいというのも珍しい!
ブローであって、ブローでない!即ち、ノリノリでありながらも正確に演奏されているのだ。抜群のテクニックに裏打ちされた自信が漲っている。音程もリズムも乱れることがない。磐石の分厚い演奏なのだ。このアルバムがもしもライヴでなかったなら、多重録音をしているのではないかと疑ってかかるだろうう。ベースとピアノの丁々発止のインタープレイを堪能頂きたい。

このアルバムは彼の名演"DARK BEAUTY"(JAZZ批評 49.)の1ヶ月後にライヴ録音されている。"DARK BEAUTY"はドラムスにALBERT "TOOTIE" HEATHが参加してトリオ演奏になっているが、こちらはデュオだ。

PEDERSENは今年、2005年の4月に突然と帰らぬ人となってしまった。享年、58歳であったという。デンマークの、ひいてはヨーロッパ・のジャズ・ベースを確立した一人と言っても過言ではないだろう。これほどのテクニシャンでありながら良く歌うベーシストというのもそうそう現れるものではない。

@"IN YOUR OWN SWEET WAY" ドラムレスであることをひとつも感じさせない。強く逞しい超弩級4ビートが躍動する。3連符の多用が多少気になるが、この躍動感を支えるテクニックの一つだろう。ベース・ソロはまさに「弾き過ぎ」なのだが、不思議と違和感はない。
A"MY LITTLE SUEDE SHOES" これがベースを弾いて出る音か!まるでギターではないか!どうやって弾いているのか見てみたかった!

B"YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS" スタンダードの名曲。心憎いなあ、この聞かせ方!しっとり系の12/8拍子から躍動感満載の4ビートまで。
C"MY SHINING HOUR" ベースが唸りピアノが跳ねる!
D"VIKING'S BLUES" PEDERSENのオリジナル。ベース・ソロで始まる。このソロの凄さは半端じゃないぞ。
E"OLEO" 34秒の超弩級高速演奏。
F"DO YOU KNOW WHAT IT MEANS TO MISS NEW ORLEANS" ミディアム・テンポに乗って指でも鳴らせば最高さ。

G"SERENITY" DREWのオリジナル。しっとりバラード。
H"ALL BLUES" 言わずと知れたMILESの書いた曲。テーからアドリブへ、徐々にテンションが高まっていく。ついには、DREWはピアノでブローしまくる。
I"TRUBBEL" 今度はベースが美しいテーマを奏でる。
J"THERE'S NO GREATER LOVE" スタンダード・ナンバーも二人の手に掛かると、こんな風にノリノリの楽しさ満載の4ビート演奏になる。
K"OLEO" この速さ!聴いている方も疲れ果ててしまう・・・。

これは紛れもなく「弾き過ぎ」である。でも、この「弾き過ぎ」が実に心地よいのだ。こんなアルバムはそうそうあるものではない。DREWとPEDERSENの阿吽の呼吸と丁々発止のインタープレイが同時に堪能できる。30年経とうが50年経とうが古さを感じさせることはないだろう。ジャズの魂を震わす超弩級デュオである!
PEDERSENの冥福を祈りながら、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。   (2005.09.04)



独断的JAZZ批評 292.