−激ウマ手打ちパスタを目指して−



はじめに

管理人は学生の頃にペペロンチーノのうまさを覚えて以来、ソースのほうは幾度と無く
挑戦しては敗れ、挑戦しては敗れを繰り返してきました。

そうこうする内に、とある事実に気がつきます。
「麺がうまければ少々ソースがしょぼくても食える」
「麺がしょぼいと少々ソースがうまくてもイマイチ感が否めない」


このことをまとめると次の表のようになります。

  麺の出来
イマイチ フツー ウマ麺
ソースの出来 ウマソース △〜○ ○〜◎
フツー
イマイチ × △〜○

 ●:激ウマ ◎:ウマイ ○:フツー △:イマイチ ×:悲しみ

麺がよければ他が少々しょぼくても何とかなる。
というわけで、管理人の興味はもっぱら麺に向いていったのですが、買える麺にも限界があり、
普通にスーパーに売っている乾麺はどれも同じような感じで、さらにかつて挑戦した手打ちパスタは惨敗だったため
しばらく遠ざかっていました。

しかし、今年の一月にパスタマシーンをゲットすることが出来、再びかつての情熱が蘇ってきました。

激ウマパスタを目指したここ三ヶ月の検討を記録しておきます。



検討結果

run 処方 判定
セモリナ粉 強力粉 たまご オリーブオイル 厚さ 形状 乾燥 コシ モチモチ 総合
g g g g g メモリ   hrs
1 300 0 3 少々 0 十数滴 4 細麺 0 × ×
2 300 0 1 少々 10 数滴 4 細麺 0 ×
3 250 0 1 少々 10 数滴 4 細麺 0 ×
4 250 0 1 少々 10 数滴 4 細麺 6
5 200 50 1 2.5 50 数滴 4 太麺 4
6 200 50 1 2.5 50 数滴 4 細麺 1
7 200 50 1 1.5 50 数滴 3 太麺 0
8 200 50 1 2 45 数滴 4 太麺 0

 ●:激ウマ ◎:ウマイ ○:フツー △:イマイチ ×:悲しみ


run1

run1 run1はセモリナ粉の袋の裏に書いてあった処方です。
管理人の読解力が足りない為か、ひどいものが出来上がった記憶が。。。
あまりにも麺同士がくっつきやすく、やたらとカタマリに。
コシとは違うブニブニとした感じがして若干の不快感を感じさせます。
かつて惨敗を喫した時も、確かこの処方だったような。。。
その時はパスタマシンが無くうまく麺に出来なかったせいだと思っていましたが、
そうではなかったようです。

見てくれはよかったんですがねえ。





run2

run1での失敗は、たまごが多すぎたせいじゃないかということでやったのがrun2です。
うどんはコシがあるけどたまごは使っていない。たまごの有無はコシとは関係なくて、むしろ多すぎた。
たまごを減らして水で調整してはどうか。という議論がなされた記憶があります。
結果はとしては、run1の不快感を与えるブニブニ感はなくなりました。
その代わり、全くコシがありません。びっくりするぐらい無いです。
ソフト麺に引けをとらないコシの無さです。
それはそうと、”ソフト麺”ってのは潔い名前ですな。
「コシは無い」と宣言しているわけで。。。

写真はありません。お察し下さい。



run3

run2の失敗はなにかの間違いだろうと再チャレンジしたのがrun3です。
run2までは切った後の麺同士があまりにもくっつきやすかった為、打ち粉として使っていた
薄力粉を混ぜてみては、というヨメ案を採用し、切る直前に薄力粉をちょっと混ぜて
捏ねなおしてパスタマシンで切ってみました。
この製麺工程直前の硬さ調節(薄力粉の添加)で切断後のくっつきは劇的に改善しました。
が、コシは全くありません。

写真はありません。お察し下さい。



run4

run1 インターネットで手打ちパスタについて調べていると、乾麺化することでうまくなるとの記述を見かけました。
市販の麺が激安なものでもそこそこうまいのは乾麺化されているせいかもしれない。
というわけで、乾麺化を試みてみました。
処方は乾麺化まではrun3と全く同じで、薄力粉で硬さ調整をしています。

結果は、、、ホンのちょっとだけコシが出てきた気がします。
それにしても一体何なんでしょうか。このコシの無さは。
ネット上にあふれている手打ちパスタの情報では、コシがすごいとかぷりぷり感が
たまらんとか色々かいてありますが、とても信じられません。


写真は乾麺化の様子です。
出来上がりの写真はありません。お察し下さい。



run5

run5-1 run5-2


これまでの麺はグルテンがちゃんと出来ていないのではないか、グルテンを形成しやすい強力粉を添加してはどうか、
とのヨメ案を採用し、強力粉を添加したのがrun5です。
塩の量がちゃんと書いてあるサイトを発見し、同じ量(粉に対して1wt%)の塩も入れてみました。
4時間ほど乾燥させてゆでてみると。。。

なんとなんと大成功です。
ものすごいコシでセモリナ粉の香りも強く、まさに激ウマです。

一度に複数の変数を変えるという仕事では出来ない進め方でやっている為、どれがよかったのか
(強力粉の添加か、塩の量か、水の量か、乾燥時間か、太麺か)はっきりとしませんが、
この処方が激ウマであることは確かです。
一番変化量が大きいのが強力粉の添加なので、この効果が一番高い気はします。

写真は左が乾燥の様子、右が出来上がりです。



run6

run5の処方で細麺をやってみたのがrun6です。
やはりコシはすごく香りもヨシで、run5の再現性は取れています。
すごくうまいんですが、わずかに塩辛い気が。。。
細麺にすることで表面積が増えて塩味が強くでたのか?
コシ●、モチモチ感◎なので総合判定は●になるところですが、このわずかな塩味の為判定は◎です。

写真を撮る前に思わず食ってしまったので、写真はなしです。



run7

run7 run7はrun5の処方から塩を1.5gに減らしたものです。
普通食べるフィットチーネはもう少し厚さが薄い気がしたので、
厚さもパスタマシンのメモリひとつ分薄くしてみました。
また、ほとんど乾燥時間をとらずすぐゆでています。

結果は、モチモチ感はしっかりあってうまいんですが、
肝心のコシがちょっと弱くなっています。
(コシはrun5と比較してです。普通にコシはあります。)
薄くしたためにちょっとゆですぎたのか、そもそもコシが弱いのか
判然としませんが、厚さは厚い方が食べ応え、香りともいい気がします。




run8

run8 run8では水の量を少し落としてみました。
run5から塩の量もすこし落として2gとしています。
太麺で厚さをメモリ4に戻しています。
乾燥時間をほとんどとらず、すぐにゆでました。

やはり基本この処方ですな。
コシが強く、モチモチ感もあり、さらに香りが強くて激ウマです。

管理人としては4〜5時間乾燥させたほうがウマイ気がしますが、
ヨメは乾燥させないほうがウマイようです。
乾燥させないほうがモチモチ感は強い気がしますな。



まとめと今後の予定

三ヶ月間の検討の結果、太麺としての激ウマ処方を見出しました。
ただこれをそのまま細麺に適応すると、わずかに塩辛いという結果になりました。
これは今後の検討課題です。
コシの強さを維持できる最低塩量がポイントになります。

また細麺をやる場合、麺が四角いということも気になります。
市販の乾麺は丸い口金を使用した射出形成の為、断面が見事な円となりますが、
管理人が持っているパスタマシンでは平らな生地を切るだけなので、断面は四角となります。
これが食べる時にちょっと気になる。。。
まあこれはどうしようもないかもしれませんが。

また、うどんを打つ場合は季節によって塩と水の加減を変えているとのヨメ実家情報が入ってきました。
これについては、もう少し長期の検討によって確認していく必要があります。

検討に進展があり次第、「パスタたち」は更新していきます。


とりあえず次はラビオリでもやってみるか。



平成21年3月22日
「まめたち」管理人