『ロシア 疑惑のゴールドラッシュ -アフリカ・UAEコネクションを追う-
 (Moscow's Dirty Gold Rush)['22]
 https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/18JQVQXQ7W/
『プーチンの陰で 大富豪“オリガルヒ”の闇を暴く
 (Hunting the Russia Oligarchs)['22]
 https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/2QW894ZW1M/
NHK BS世界のドキュメンタリー

 プーチン体制の背後にあるものを捉えた海外ドキュメンタリーを続けて録画視聴した。先に観た「ロシア疑惑のゴールドラッシュ」では、十六年前に観たブラッド・ダイヤモンドと同じようなことが金で行われていたわけだが、その酷さは、'06年の映画以上だったように思う。ここでもまたプリゴジンかと思ったが、彼は既に粛清されている。

 呆れるほどの横暴と強欲ぶりだ。もっともロシアとUAEがアフリカでやっていることは、かつて欧州がやっていたことと全く同じだという気がした。その最大の宗主国だったイギリスの番組であるところが皮肉な話だとも思った。

 コーヒーなどでようやく謳われるようになったフェアトレードが提起されていたが、コーヒーと違ってゴールドとなれば消費者が富裕層に偏りがちなだけに、却って難しく思われるのは、金満とは程遠く全く縁のない僕のひがみだろうか。


 続いて観た「プーチンの陰で」では、ウクライナ人オリガルヒで同国国会議員にもなっていたビクトル・メドベチェクや元ウクライナ大統領のビクトル・ヤヌコビッチの金満ぶりに驚いていたら、ウクライナ人ではないアリシェル・ウスマノフ、イーゴリ・セーチン、エドゥアルド・フダイナトフ、イーゴリ・ケサエフらのオリガルヒの凍結を逃れた資産が、凍結逃れのための各種の手法ともども示され、さらには、続々と不審死を遂げたオリガルヒにまつわる検証も添えられていて、なかなか観応えがあった。

 プーチン体制の核心がオリガルヒにあるという趣旨だったように思う。先に観た金取引の番組とは違って、こちらはフランス制作だ。『ブラッド・ダイヤモンド』の拙日誌に記した人間は、どうして富や力の呪縛から逃れられないのだろう。富や力が幸福を約束してくれるもののようには決して思えない、むしろ災いの種だという気がしてならないのに、「わからない…」。との末文を改めて想起した。
by ヤマ

'23.11.17. NHK BS1録画



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