『スイミング・プール』をめぐって
TAOさん
ヤマ(管理人)


  No.4733 から [2004/10/19 13:58]

(TAOさん)
 ヤマさん、こちらではおひさしぶりです。
 『スイミング・プール』はまさに同感でした!

ヤマ(管理人)
 ようこそ、TAOさん。
 悪趣味への感度は僕なんか及びもつかないTAOさんですから(笑)、きっとそうだろうなと思う一方で、あんなのは「悪趣味」ってことじゃないとのご意見もあるかなって気がしてました(笑)。

(TAOさん)
 サニエ嬢のみごとな肉体に対する賛辞もですが、どうしてオゾンはあんなに意地悪なんでしょうねえ。

ヤマ(管理人)
 憧れの裏返しだと思ってます(笑)。男の子には、幼い時分にかなり普遍的なものとしてあるように思いますね。いわば、幼児性ですよ。僕にも根強くあるので、すぐに判ります(苦笑)。

(TAOさん)
 ひゃーそうなんですか?! 私も幼児性の強さに関しては負けないはずなんですが、男の子だったことはないからなあ。それと、オゾンの場合は、その男の子の幼児性に加えて、ゲイの人ならではの厳しさがある気がしますねえ。

ヤマ(管理人)
 おおー、彼はゲイなんですか。

(TAOさん)
 あ、ごぞんじなかったんですねー。

ヤマ(管理人)
 ええ、知りませんでした。その手の情報にはトンと疎いもんで(苦笑)。

(TAOさん)
 私は『まぼろし』『8人の女』を見て、なんだろうこれはと悩んでいたときにナオミ(現・ぴーさん)さんから教えてもらい、そうかーと思ったんですよ。

ヤマ(管理人)
 彼女のアンテナは幅広いですもんねー。なれば、ストレートの男以上に女性に対する感情は複雑でしょうね。妬みや憧れ、抵抗感や嫌悪感、どれも一筋縄ではいかないでしょうね。もっとも、僕は「ゲイだったことはないからなあ。」その複雑さってのも想像でしかないんですが(笑)。

(TAOさん)
 男性は女性を理想視してくれるけど、ゲイは女よりもはるかに神経がこまやかなので、女の図太さや怠慢や醜さが気になってしょうがないんだと思うのです。

ヤマ(管理人)
 なるほどねー。そう言えば、某所での女性の書き込みに私はオゾン監督の女性に対する共感と悪意のようなものを感じました。悪意といっても相手を貶めるものではなく、女性の中にある暗黒部分を明るみに出してしまうものという感じです。男性が持つ“女性に対する幻想”をあまり持っていないのでしょうかね。というのがあって、その「幻想の有無」という視点に、非常に興味深いものを感じたことを思い出しました。

(TAOさん)
 はあはあ、非常に同感しますね。

ヤマ(管理人)
 ですか(笑)。

(TAOさん)
 逆の例ですが、林真理子がデビューした当初、私はこりゃまたユニークな人が出てきたなあと面白がっていて、多くの男性が彼女のことを徹底的に嫌うのが不思議でしょうがなかったのですが、どうもその幻想を失いたくないがゆえの抵抗のように思えました(笑)。

ヤマ(管理人)
 そう言えば、五年余り前、『御開帳』早瀬まひる・はるの若菜)を友人に貸してやったら、それが理由で読むのがイヤになったと途中で返されましたよ(苦笑)。ところで、サニエ嬢については、僕、そんなに賛辞してましたっけ? あ、オゾンの映画の画面そのもののことなんですね、これ(笑)。

(TAOさん)
 オゾンの“女性に対する共感と悪意”という点では、女性一般に対して、というのもあるけども、とりわけイギリス女に対する根深い軽蔑を感じましたよ。

ヤマ(管理人)
 僕は、女性一般で忽ち納得してたもんだから、この差異には気づきませんでした。そうか、そう言われれば、確かにそういう気も。でも、気難しく神経質な女性作家ということでの好設定ぐらいにしか考えてなかったような気もしないではありませんけど(笑)。

(TAOさん)
 あのまずそうな食べ方! 色気のない服の着こなし! またシャーロット・ランプリングがうれしそうに演じちゃって。役者ってのは、ある意味、変態なのですねー。

ヤマ(管理人)
 うん、これは全くそう思うなぁ〜(笑)。ちょっと倒錯したところがないとやれませんよねー。でないと半端役者に留まっちゃうような気がしますね。

(TAOさん)
 イギリス女に対する差別意識は絶対だと思いますよー。

ヤマ(管理人)
 そーか、絶対なのか(笑)。

(TAOさん)
 オゾンにとってはひょっとすると、屈折した共感かもしれない。『8人の女』では、イザベル・ユペールがやり玉に上がってましたよね。エマニュアル・ベアールに「どうしたらそんなにセクシーになれるのか」なんて聞いて、「そんなの生まれつきだから」と言われたりして。パリ在住の友人によると、イザベル・ユペールってのは、典型的なガリア地方出身者であって、コケット好きのフランス人にとってはアンチセクシーの代名詞みたいに思えるらしいのです。

ヤマ(管理人)
 ゲイにも種々あるようですが、ここんとこに屈折した共感を覚えているのかもってTAOさんは、御覧になってるんですね。なるほどね。

(TAOさん)
 オゾンは、ガリア人やイギリス人のように、生まれつき女の魅力を持ち合わせていない人が、コケットな女に刺激されて変貌していく過程に過剰な関心を示すように思われますねえ。

ヤマ(管理人)
 となれば、ここんとこ、なるほど「屈折」してますね(笑)。

(TAOさん)
 そこには必然性すら感じます。だからなのか、私にはただの悪趣味とは思えないんですよ、じつは(笑)。

ヤマ(管理人)
 なるほどねー。「趣味」のような余裕かませないんだ、必然なら(笑)。そこに向かうことへの切実さを汲んであげてるんですね。

(TAOさん)
 ええ、好き嫌いとか体質的なことでいうと、やっぱり苦手なんですが、切実さには弱いもんですから(笑)。

ヤマ(管理人)
 ふーむ、面白いな。
by ヤマ(編集採録)



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