『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』をめぐって
TAOさん
ミノさん
ヤマ(管理人)


  No.4387 から [2004/05/01 09:24]

(TAOさん)
 ところで『王の帰還』ですが、私はヤマさんと逆で、『二つの塔』でゴラムが2つの人格に引き裂かれて葛藤する場面があまりに多すぎて、ちょっとうんざりしていたんです。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、TAOさん。お読みくださり、ありがとうございます。
 何か今さらながら言うことかって感じですよね、拙文(苦笑)。ま、「申し立てても詮無いこと」とも書いていますし、ゴラムの件についても、少し言い過ぎかという気もあります。TAOさんが『二つの塔』でそのように感じてたんなら、今回はすっきりだったでしょうね(笑)。

(TAOさん)
 『王の帰還』では、すっかり悪のほうに収斂されたゴラムが、フロドの悪をも相殺するかのように、結果的にフロドの最終任務を果たすことになったのを見て、なんとよくできた話だろうかと思い直しました。

ヤマ(管理人)
 彼がいてフロドと争ったからこそ、任務が果たせたんですよね。

(TAOさん)
 最後に正義が勝つのではなく、悪×悪イコール善と転じるところが面白かったんです。

ヤマ(管理人)
 なるほどね。単にフロドすらもという話にするためだけではないんですね。

(TAOさん)
 ただ物語全体が、単なる覇権争いか、と言われれば、ほんとそう見えますね(笑)。

ヤマ(管理人)
 ハナからそうだったら、そのつもりで観てるからまだしもながら、なんかゴラムの姿そのままに「結局それかよ」って感じがちょっとね(苦笑)。

(TAOさん)
 善と悪を相対化しているところはあるんですが、…

ヤマ(管理人)
 これを僕は、そうは感じられなかったんですよ(とほ)。

(TAOさん)
 サウロンに関しては絶対悪みたいだし。ガンダロフは絶対善には見えませんがね。

ヤマ(管理人)
 そうそう「みたい」なの(笑)。二人とも登場した頃の胡散臭さって、すっかりなくなってしまってませんでした?(笑)
 悪にしろ善にしろ、その理由や根拠ってのが今ひとつ明示されてなくて言わば「強敵だから絶対悪」って感じなのが、イメージだけでみんなが邪悪と言ってるみたいでねー。脅かして期待することとは異なる“決定的な邪悪さの本質が覇権志向にある”ってのが作り手の立場かなって思ってたら、何のことはない単なる覇権争いと化したわけだから、覇権自体を邪悪とは観てないわけですよね。そこに決定的な不満を覚えました。

(TAOさん)
 私は原作を読んでないのでたしかなことは言えませんが、たぶんこの物語はケルト神話をベースにしてるので、玉砕攻撃を美化する傾向は免れないのではないでしょうか。

ヤマ(管理人)
 今でも平然と民に痛みを強いるのが為政者で、それをあからさまにすることが分かりやすいとか力強いとかって浅はかな理由で支持しちゃうのが民の性根なんで、ケルト神話に限らず、古い物語がそういう美意識にあるのは、もちろん免れないことでしょうね。

(TAOさん)
 どうしてもケルトの世界観に悲壮美が漂ってしまうのは、歴史性、民族性から言ってしょうがないのかも。

ヤマ(管理人)
 滅ぼされた側の文化だから、よけいに悲壮美が際立つのかもしれませんね。その世界観自体に滅びの美学があったから滅ぼされたっていうわけではないんでしょうが(笑)。


No.4415 から [2004/05/07 10:37]

(ミノさん)
 ヤマさん 『王の帰還』今きちんと拝読。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、ミノさん。ありがとうございます。

(ミノさん)
 これって、少し前こちらで話題になってたと思うのですが、ムシ返します(笑)。

ヤマ(管理人)
 そうでしたね。ケルト神話って話も出てました。

(ミノさん)
 ヤマさん、イロイロと問題提起されてたんですね。私もこれ、力づくの映画で有無を言わせずワワワ〜っと見たんですけど、メインとなるストーリーって全然わからずじまいなんですよ。

ヤマ(管理人)
 ええ、そうなんです。
 指輪を捨てに行く目的が何だったのかってのは、けっこう重要なことだと思うんですよ。サウロン倒せてよかったじゃないってな結果だけで済ますのもね〜、なんかスッキリしないとこが自分の中にありましたね(苦笑)。

(ミノさん)
 王の帰還・・ってこれって、王様探しの話だっけ?みたいな。

ヤマ(管理人)
 そうそう、それそれ(笑)。

(ミノさん)
 「1」なんかはるか記憶の彼方だし。でも、命の軽重とか犠牲を称える精神ってのは、そう言われるとありますよね。でもそういった点を忘れる圧倒的な迫力ではありますが(笑)。

ヤマ(管理人)
 そうそう。そこんとこに主眼のある作品なんだろうから、まぁ、僕のぼやきは野暮っちゃ、ヤボなんですけどね(苦笑)。

(ミノさん)
 私はゴラムが『二つの塔』では善悪にやじろべえみたいに傾いていたのに、『王の帰還』では、あっさり悪に傾いていたのが意外でした。

ヤマ(管理人)
 でしょ(笑)。あれじゃあ、サムの引き立て役ですよね。

(ミノさん)
 それにしても、この映画見ながら思ったのは、人間って本当に「真・善・美」を求める生き物なんですねえ…てことですかねえ…。

ヤマ(管理人)
 そういうことで言えば、最終作で活躍したのがサムなのは、彼を立て役者にすることで僕も含めて多くの人が溜飲を下げるでしょうし、サムだけでなく、決死の勇気を奮って松明の連鎖の口火を切ったのもホビット族のピピンでしたよね、確か。ま、ホビット族のバギンス&フロドの書き残した物語ってことだから、そうなってるのも道理ってな冷ややかな観方もできますが(苦笑)、彼らが活躍しているところが嬉しいお話ですよね。
by ヤマ(編集採録)



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