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知っておきたい労働法規

解雇 雇い止、有期雇用、無期雇用
    A 有機雇用

 前ページでは、無期雇用(いわゆる正社員)の人の解雇の決まり・規制についてでした。それでは有機雇用の人の場合はどうなのでしょうか?
 有期雇用には、契約社員や一般的なパートタイマーの人からいろいろ形があります。有期雇用の期間について、労働基準法では次の様に定められています。

有機雇用の解雇規制・保護

<労働基準法>
(契約期間等)

第十四条  労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年を超える期間について締結してはならない。
(但し、次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、五年
 専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
 満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)

 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる。


労働基準法の第14条では、働く契約期間(有期雇用)を特例を除いて3年以内にしなければならないとされています。
有期雇用者の解雇については、労働契約法に書かれています。
<労働契約法>
第四章 期間の定めのある労働契約
 (有期雇用)
(解雇)第十七条
 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 
 労働契約法では、「有期雇用者は契約期間は解雇されない。」という原則が書かれています。それでは、有期雇用者に対し使用者は、契約期間が終了したら、無条件に解雇することができるのでしょうか?これについては、労働基準法14条の2の条文(上記の下線部分)が示しています。
厚生労働大臣が基準を定める
そして、厚生労働大臣(厚生労働省)が次の基準を示しています。

有機雇用者の解雇制限

  契約締結時の明示事項等
(1)使用者は、有期契約労働者に対して、契約の締結時にその契約の更新の有無を明示すること。
(2)使用者が、有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、労働者に対して、契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示すること。
(3)使用者は、有期労働契約の締結後に(1)又は(2)について変更する場合には、労働者に対して、
その内容を明示すること。
 示された基準では、使用者は、労働契約の更新(延長)の可能性があるかどうか示しておくことと書かれています。では、有期雇用者には、無期雇用者のような「解雇制限」は全くないのでしょうか?
 実は有期雇用者でも
@ 業務内容が恒常的であり、更新手続が形式的である。
A 雇用継続を期待させる使用者の言動が認められる。
B 同様の地位にある労働者について過去に雇止めの例がほとんどない。
等、事実上、期間の定めのない雇用者(無期雇用者)と同じ状態である場合原則解雇できません
例えば、「何年も同じスーパーでパートタイマーで働いている」という場合などの突然の解雇は、正当な行為ではありません。
 この事を知らないで、一方的に雇い止めをされて、途方に暮れている人も多いようです。