つらら(長野県上高地釜トンネル内)

 釜トンネルに到着したのは1998年1月6日、吹雪の夜。トンネルはすでに閉鎖されていた。しかし、ここは路上駐車の禁止区域。引き続き車の走行はとても危険で、困っていた。幸いトンネル入り口の玄関は工事の関係で鍵がかかっていなかった。勝手に車を中にいれた。
 トンネルといっても片面は壁がない。寒い。ガソリンを節約するためにエアコンをつけていない。全身数箇所ほかほかコンロを張って夜を忍んだ。
  翌日、中の湯温泉売店の真壁さんにあって、お詫びしたところ、逆に「夕べ私はちょうどお風呂に入っていたから知らなかった。知ったら、温泉に入れてあげましたのに」と笑って言ってくれた。本当に真壁さんにはお世話になった。あの焼きパンの香り、秘湯のぬくもりは忘れられない。
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