■教材はどんなものを使うの?■
最近は、様々な出版社から、多様な教材・楽譜が出版されており、生徒さんの年齢や希望によって、使用する教材も大きく変わってきます。小さなお子様が初めてピアノのレッスンに通われる場合は、導入期のピアノレッスンの進め方・教材の一例も参考にして下さい。
【ピアノコース(子どもの場合)】
こどものバイエル 導入編…年齢によっては省略可
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こどものバイエル@A
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バイエル・チェルニー@AB
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ブルグミュラー25番、チェルニー20番、ハノン
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ソナチネアルバム、ツェルニー30番、ハノン、バッハインベンション
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ソナタアルバム、ツェルニー40番、バッハシンフォニア
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ベートーベンソナタ、ツェルニー50番、バッハ平均律
というような順番で学習します(その他、音楽ドリルや併用曲集も使用しますが、これは人によって違うので省略します)。音高や音大を受験する場合、必ずこれらが試験曲に含まれますので、将来受験の可能性が少しでもある生徒さんには、いざという時に不利にならないよう、上記の教材を必ず含めて学習するようにしています。
これらの教材は『古典派』と呼ばれる古い時代の作曲家の作品です。古典派の作品は構成がしっかりしていて、音楽の基礎を学ぶ上では欠かせないものですが、ある程度技術が身についたら、豊かな表現力を身につけるため、少しずつショパンやシューマンなど、『ロマン派』の作品も間に取り入れていきます。
バイエルから始まるドイツ式の学習法だけでなく、メトードローズから始まるフランス式の学習法もありますが、私の経験上、日本人では(真面目なところがフランス人よりドイツ人に近い?)フランス式よりもドイツ式の学習法が合っている人が圧倒的のようです。
最近では、このような教材をレッスンで全く使わず、新しい教材中心に進めて行く教室もありますが(大手楽器店の音楽教室などもそうですね)、新しい教材にはどちらかと言うと上達よりも楽しさを優先させたものが多いように感じられます。また、保育士資格や各音楽学校のカリキュラムが上記の教材を使用している事が前提となっているため、あえて当教室ではオーソドックスな教材を中心にレッスンを進めるようにしております。
小学校卒業までに、ソナチネアルバム&ツェルニー30番を終わらせるのが目標です。
【ピアノコース(趣味で始める大人)の場合】
一方、大人の方は、「好きな曲を弾きたい!」という気持ちからピアノを始められる事が多いので、上記のようなゼロから段階を追っていく学習法は向かない場合もあります。将来専門的になさるというので無いのでしたら、こちらも柔軟に対応させて頂いております。
もちろん「基礎からしっかり学びたい」というのであれば、『大人のバイエル』というのがありますので(内容的には子どものバイエルと同じです)1番から順にレッスンを進めますし、「好きな曲を弾きたい」というのであれば、大人用にやさしく編曲された曲集が多く出版されていますので、各生徒さんに合った教材を用意し、それらを弾きながら少しずつテクニックを磨いていく方向でレッスンを進めます。
子どもは何でもいつの間にか感覚で身につけてしまうものですが、大人はそう簡単には行きません。感覚に頼るのではなく、なるべく「この曲の構成はどうなっているのか?」「この練習をすることで、どういう効果があるのか?」など、まずは理屈を納得できる事が大切です。こちらもなるべく丁寧に説明するよう努めておりますので、疑問などは早めに解決するようにしましょう。
逆にきちんと理解する事ができれば、初期の段階では確実に大人の方が進みが早いのです。