■ダイビングを始めるには?



「これからダイビングを始めたいけど、どうしたらいいのか分からない」とか、よく質問メールをいただきますので、これまでの初心者Q&Aなどから、まとめてみようと思い立ちました。 これから始めようと思ってる方は、ひとつ参考にしてみて下さい。 また、ご質問ご指摘がありましたら、ぜひお寄せ下さい。  

・ 体験ダイビングをしてみる
・ ショップ・サービスを探す
・ 器材を購入する
・ 講習を受け、ダイバーとなる
・ スキルを身に付ける
・ 自分のダイビングスタイルを見つける



体験ダイビングをしてみる

ダイビングは、やはり水中という特殊環境で行われるので、体質や心理面から、人によっては向き不向きがあると思います。 そこでまず、体験ダイビングをしてみてはいかがでしょうか?

行なう場所としては、ダイビング練習用プール、近場の海、リゾートの海、どこでも出来ますが、ストレスが少なく、より大きな感動を味わえるのは、何と言ってもリゾートの海でしょう。 旅行に行った時など、ぜひ体験してみて下さい。時間は約4〜5時間、料金は1万〜1万5千円位でしょうか。 カラフルな熱帯魚やサンゴ礁、そして青い海、白い海底、きっと本格的に始めたいと思う事でしょう。

ここで、何の問題もなく潜れた人は、即、Cカード取得に乗り出しましょう!
ただ、水中に潜るなんて初めての経験でしょうし、色々と不安のあるのが普通でしょう。 耳抜きがしにくいとか、潜る事への恐怖心とかは、慣れてくればある程度は解消されますが、あまりに不安を感じる場合は、ひとまず間を置いてみてはいかがでしょうか。

一番怖いのは、恐怖心からくるパニックで事故を起してしまう事です。 時期を見て、またやりたいという気持ちが湧いてきたら再チャレンジしてみて下さい。 なお、体質的に耳抜きがしずらくても、潜水医学に詳しい耳鼻科で診てもらうと解決するかもしれません。

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ショップ・サービスを探す

ダイビングをするには、Cカード(あくまで認定証で免許ではない)が必要です。そのためには4日間程度の講習(学科+実技)を受けなくてはなりません。 講習を受けるショップ・サービスには大きく3種類あります。(都市部に住む人から見て)

種類特徴
都市型ショップ海から離れた都市部にあるショップ。講習と器材販売がメインで、ツアーも行なっている。日帰りツアーは早朝ショップに集まり、ワゴン車等で現地に移動するスタイル。ただし週末のみで、しかもあちこちのポイントに行くため、ガイディングでは現地サービスにかなわない。都市部に住む場合、ここを利用するケースが多いが、自宅そばにあれば会社帰りに気軽に寄れるので、インストラクターとの関係も密になってスキルアップしやすかったり、メンバー同士の交流が深まったりするメリットがある。ただ、都市部に店を構え、週末以外は稼働率が低いので料金はどうしても高くなりがち。中には、破格の講習費で客をつっておいて高額の器材を売りつける、悪徳ショップもあるので要注意。
現地サービス海のそばに店を構え、日々のファンダイビングのガイドがメインだが、講習や器材販売も行なっている。毎日のように同じ海で潜っているので、ガイディングは確か。傾向として、サービスが多いとこほど競争しあって質が高い。現地までは、車や電車で自力で移動する。お客は現地の人はもちろん、あちこちの都市部からも集まるので、お店との、そしてお客同士のかかわりは粗になりがち。
リゾートサービス沖縄や海外など、南国のリゾート地にある現地サービス。旅行ついでにCカードを取れるので割安感はあるが、そう何度も行けるわけではないので、後が続かず、いわゆるペーパーダイバーになりがち。

どれを選ぶかですが、都市部に住む場合、やはり都市型ショップを利用するのが一般的でしょう。 もちろん、現地サービスを利用してもいいのですが、最初の店選びの際、現地までなかなか行けないので、情報収集が大変という問題があります。 リゾートサービスは、講習自体は温かくてきれいな海で出来てとてもいいのですが、その後の事を考えるとあまりお勧め出来ません。

最初のショップ・サービス選びが、その後のダイビングに大きな影響を与えるので、とても大切です。手間を惜しまず、情報収集してください。

情報源としてはダイビング雑誌、HP等で、まずいくつかショップをリストアップしてください。 店の場所で選ぶ事になりますが、都市型ショップでは会社帰りに寄りやすいとか、ツアーに行く場合には、早朝ショップまで重たい器材一式を持って行く事になるので、電車の乗換え時の階段の事も考慮するといいでしょう。

季刊誌My Diving
Diving School
シーズンに入ると年に数回、発売されます。まずこれを読む事が先決でしょう。初心者向けですので、How To からショップリストまで、必要な情報は揃っています。ただし、どんな宣伝広告でもそうですが、いい事しか書いてありません。料金や、目先の小さなオマケに釣られないようご注意を!
月刊誌Marine Diving
Diving World
Diver
毎月10日発売。ダイバー向けの雑誌ですが、GWから夏にかけて初心者向けの特集もよく組まれます。結構高いので、伊豆や沖縄のポイント情報をまとめた小冊子、今度行きたいと思っているポイントの特集記事などがある時だけ、買っています。シーズナリティがあるので仕方ないのかもしれませんが、毎年のように同じ特集が組まれてるので、1度買えば状況が大きく変わらない内は買い替えなくていいかも (^^;;

次に、電話で聞いてその内容や応対で2つ3つに絞り込み、そして実際に店に行って詳しく話を聞いて下さい。 週末はどこも忙しいので、できれば平日にするのが良いでしょう。

高いお金を払うんだし、何より自分の身の安全に関わる事ですから、講習内容やかかる費用について、納得できるまで十分説明を聞いて下さい。 きちんと具体的に説明をしてくれるショップなら安心ですが、あいまいに言葉を濁したりするようなショップでは不安です。 この時の応対の姿勢が、当然、講習内容に反映されて来ると思います。(安全性について聞くのも手かもしれません。「どういうリスクがあり、どう対処する」と、きちんと説明してくれるならいいのですが、「大丈夫、大丈夫」だけとしか言わないショップには疑問を感じます)

特に費用についてはしっかり聞いて下さい。講習費、器材(購入orレンタル可?)、教材費、旅費、宿泊費、食費、カード申請料など、どこまで含まれるのか、しっかり確認して下さい。 特に器材については、レンタルで良いのか、何を購入しなくてはいけないのか、一番問題になるところですので、よく確認しましょう。 ここで説明を面倒臭がったり、詳細を教えてくれないようなショップの講習内容は、もう察しが付きますよね。

いいショップ、悪いショップの見分け方は、人によって判断基準も違ってホント難しいのですが、結局は、オーナーなりスタッフのダイビングに対する姿勢、取り組み方、お店やメンバーの雰囲気で判断するのが確実なのかもしれません。

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器材を購入する

器材はレンタルでも出来なくはないのですが、操作方法や使い勝手が違ったり、メンテナンス面での心配があります。 最終的には全部揃えるべきですが、どの時点で購入するかが問題です。 体験ダイビングの経験があって、特に問題のないことが分かっていれば、講習前に購入して、最初からマイ器材でのぞめば慣れも早くて良いでしょう。 しかし、もし講習段階で断念してしまった場合など、高い高い器材一式が丸々無駄になってしまいます。

色々と不安のある方は、全部レンタルで講習を受けるのもいいでしょう。 もちろんレンタル費はかかりますが、水着一枚で参加できるショップも数多くあります。

ただ、出来るならば軽器材は揃え、重器材のみレンタルにした方がいいでしょう。 特に、ウエットスーツが合わないと、苦しかったり、水中で寒かったりしますし、マスクが合わないと、水が浸入してきたりします。 他の器材はさほどではないのですが、特にこの2つは合わないと大きなストレスになってしまいます。

実際にはなかなか難しいかもしれませんが、レンタルでおいおい何種類か試してみて、自分に合った物を購入していく、というのが一番賢いのかもしれません。 もちろんお店で選ぶ時、相談に乗ってくれますが、実際合うかどうかは何度か使ってみないと分からないでしょうから。 「高い高い器材一式を買わなければ講習は受けさせない!」な〜んてショップはもちろん選択肢から外しましょう。

で、問題のお値段ですが、はっきり言ってピンキリです。 メーカーを問わず、型落ちした前年度品のセットなら、ダイビング雑誌の広告に載ってるような激安器材販売店で、一式10万円位で揃うかもしれません。 Sプロ、SASなど、メーカーにこだわると、値段は一式30〜50万円、あるいはもっと高くなるでしょう。 一般に、都市型ショップで購入する(させられる?)と割引率が低く、いい(高い)ものを勧められるので、相当高くつきます。 私がそうでした (T-T)。

あくまで例えばですが、マスク、シュノーケル、グローブ、ブーツ、フィン、メッシュバックなどは数千〜1万数千円位、ウエットスーツは3〜8万円位、ドライスーツは8〜15万円位、BCDは3〜15万円位、1st&レギュレーターが3〜15万円位、ゲージが2〜5万円位、オクトパスが2〜5万円位、ダイビングコンピューターが3〜15万円位、キャスターバックが1〜3万円位、まだまだその他もろもろあります。

値段はホントにピンキリで、もちろん例外はありますが、値段の差ほどの性能や信頼性の差はないと思います。 「シンプルで安いものほど信頼性が高い」という声もなきにしもあらず。 ただ、マイナーなものよりはメジャーな物の方が、何かトラブルがあった時、分かる人が多くいるし、交換パーツ類もすぐ入手できる、というメリットがあります。 サイフに余裕があって、機能やファッション性にこだわるのであればより良いものを、そうでなければそれなりのものを、店員さんと「おサイフ様」とよく相談してみて下さい。

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講習を受け、ダイバーとなる

講習にかかる費用は、ショップや実習する場所により5〜20万円位と差はあります。講習費、教材費、旅費、宿泊費、食費、カード申請料を合わせて7〜8万円位、というのが妥当なとこでしょうか。 あまりに安いところでは、高い器材を強制的に買わせることでカバーしたり、最悪、講習内容がいい加減だったりしますので、ご注意を。

逆に高いところでは、じっくりと時間をかけて、完全に出来るまで何度も教えてくれる傾向にあります。 特に、水がちょっと恐い人、泳ぎの苦手な人、年配の方は、お金と時間をかけた方が安全かと思います。

全く泳げなくても、息継ぎなんてことをしなくてもレギュレーターからいつでも楽に空気は吸えるし、浮力はBCDというジャケットで調整するので、ダイビングは出来ます。 ただし、水への恐怖心から、ほんの些細なことでパニックになってしまうのが一番怖いことです。 この機会ですから、泳げない人は水泳をマスターしてはいかがでしょうか? 最近は指導方法も進化してるようで、水泳教室に通えば1〜2週間で泳げるようになるみたいです。 全く泳げない人には水泳から教えてくれるショップもあります。

実は、私も泳ぎはあまり得意でないので、久しぶりに潜りに行く時は、事前にプール(区民プールで1回420円也)に2〜3回行くようにしています。 泳ぎの得意な人も、そうでない人も、あらかじめプールや海などで水に慣れておく事をお勧めします。

講習自体は、指導団体やショップによって差はありますが、学科講習、プール講習、海洋実習に分かれます。 学科講習が1日、プール講習が1〜2日、海洋実習が1〜2日位です。 まず学科講習を受けてから、金〜日または土日×2週で、プール講習と海洋実習をするのが普通でしょう。

学科講習は、テキストやビデオ教材を使って学び、最後にテストがあります。 問題は車の運転免許よりは簡単ですが、自分の命に関わる事ですのでしっかり予習し、講習も眠らないできちんと受けましょう。

プール講習は、最初水に慣れる事から始まり、まずは足の付く浅いところで、次に水深3m位のところで一つ一つスキルをこなしていきます。 時期的に、炎天下のプールサイドに長くいますので、日焼け対策をお忘れずに。

また、水中では無重力状態ですが、水に入るまでの数分間は20kg近い器材を担いだり、水中移動時のフィンキックなど、けっこう体力を使います。 体力に自信の無い人は、多少トレーニングしてからのぞめば万全です。

海洋実習は、プールでやったスキルの確認です。 プールと違って波のうねりがあったり、砂が舞ったりしますが、落ち着いてやれば大丈夫です。 最後は、水中ツアーに出かけます。 余裕のある人は、お魚の観察なんかも出来るでしょう。

ここまで無事クリアできれば、合格です。 仮の紙のカードをもらいますが、これも立派なCカードです。 登録が済めば、約1ヶ月後には正式なカードが届くはずです。

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スキルを身に付ける

Cカードを取ったとは言え、たかだか経験本数4本程度では、まだまだ一人前とは言えません。 講習後、間を空けてしまうと、せっかく習った事もすっかり忘れてしまいます。 間を空けずに、出来れば10〜20本は続けて潜り、スキルを身に付けるようにしましょう。 車の運転、他のスポーツ同様、一度体が覚えてしまえば、後が楽です。

そのためには、GW頃にCカードを取り、年内は月1のペースで潜るのが理想でしょう。 せっかくCカードを取ったのだから、色んな海に潜りに行きたいのも山々でしょうが、器材購入や講習費で懐具合も寂しいでしょうし、ここはぐっと堪え、近場の海でより回数多く潜る事をお勧めします。

ちなみに私がなんとか落ち着いて潜れるようになったのは30本目位から。 10本しか潜ってないのに、マンタを見たくて石垣島に行っちゃったのも私です (^^ゞ

Cカードを取ったばかりの段階、たとえばPADI(最大手の指導団体)の場合、OW(オープンウォーター)では、水深18mまでしか潜ってはいけないという制限があり、その上の段階のAOW(アドバンスド・オープンウォーター)を取る事を勧められます。 AOWを取る時期については、OWのすぐ後に取った方がいいとか、何本潜ってから取った方がいいとか色々な意見がありますが、やはりたて続けに取るよりは、多少経験を積んでから取った方が、より理解も深まるでしょう。

スペシャリティについては必要性を感じたら取っていけば良いでしょう。 本人の関心と関係なく、何でもかんでも、むやみやたらに勧めるショップは要注意です。

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自分のダイビングスタイルを見つける

ダイビングのスタイル、潜る目的は人それぞれです。

魚を見るのが好きな人、写真やビデオを撮るのが好きな人、のんびり漂うのが好きな人、ダイナミックな地形を味わうのが好きな人、ホント十人十色です。 自分に合ったスタイル、楽しみ方を見つけましょう!

そして、何はさておき「Safety Diving」を心がけ、末永くダイビングを楽しみましょう! また、いつまでも素晴らしい海に潜れるよう、環境面にも気を配りたいものです。

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