■度付き水中マスクの巻



'01/4に沖縄・座間味に潜りに行った時の最初の1本目、海面でマスクを洗って水気を取ろうとマスクを振った時、「チャリ〜ン」と聞き慣れない音が!?  「んっ?」とマスクを見ると、1滴の水滴もない、妙に透明なガラス...。 「ちっがぁ〜う!」前々から樹脂フレームの下部にヒビが入っていたのだが、とうとう割れてしまい、左レンズが海の底へ抜け落ちていってしまったのである (ToT)  予備で船にあったマスクはチャチなものだったので(安全面から)ガイドがそれを使い、急きょガイドのを借りて潜るはめになった。

2年位前から左目下のフレームにヒビが入り、瞬間接着剤で固めてあったのだが、今回、約4ヶ月ぶりに器材をチェックしてみると、右目下にもヒビが入ってしまっていた。 これまで127本、丸6年、伊豆から沖縄、海外まで共にしてきたマスク「TUSA IMPREX TM-7100Q」も、ついに力尽きてしまったのである (^^;;

以前、'01/2 ダイビングフェスティバルのTUSAブースで「移動時はいつもケースに入れて大切に扱ってたのに、ヒビが入ってしまったのは何故?」と質問した事があったのだが、「中性洗剤で洗うと、ポリカーボネイト製のフレーム樹脂が劣化してしまうからで、取説にもそう書いてある」と即答が返って来た。 そんなの初耳で、潜って帰って来た後は毎回、中性洗剤でシリコン部を洗っていたのである。 おかげで丸6年使ってた割に、シリコン部もほとんど新品同様のきれいさを保っていたのだが...。 もちろん、その後はよくすすいでいたつもりだが、中性洗剤はかなりしつこくすすがないと食器などでも残留している、というのもよく聞く話。 恐らく、残留していた中性洗剤が、徐々にフレーム部を劣化させてしまったのだろう。 ただ元々のフレームの強度にも、やや疑問は残るのだが...。

2年前から眼鏡をかけ始めた事もあり、どうせ買い替えるのならと、度を入れる事にした。 近視はたいした事なく、物が1.3倍大きく見える水中では、度なしマスクでも大丈夫だったものの、乱視のせいでややボヤけて見えるようになってしまっていたのである。

5/4、「オープンエア池袋店」に器材をOHに出したついでに、マスクの下見をする。 前に使ってたTUSAのはとてもフィット感が良かったので、またTUSAのにしようかと思ったのだが、カタログを見ると全部ポリカーボネイト製...。 座間味でレンタルしたGULL「マンティス」が定番で良く売れてると聞いてたので、GULLのカタログを見ると、『ポリカーボネイト…洗剤につけ置き洗いをしたり、洗剤の成分が少しでも残ってると破損の原因になります。使用後は真水で充分洗浄して下さい。』とある。 透明色のフレームはポリカーボネイト製だが、不透明色のはABS製との事。 しかも、ネジ1本で分解しやすいともある。 これなら毎回分解して、シリコン部だけ中性洗剤で洗う事も出来そうである。

ついでに、あれこれマスクを試着してみた。 ストラップなしの状態で展示されてるので、顔に当て、鼻から息を吸い込みながら手を離し、フィット感を確認してみる。 やはりTUSAのは全体的にシリコンが柔らかめで、顔にピトッという感じでフィット感はなかなか良い。 視野が広くなるように、両サイドにも窓のあるもの、さらには下側にも窓のある6眼式などもあるが、コンパクトタイプの方がレンズ面が顔に近い分、視野が広くて良いかなと、個人的には感じた。

水中写真向きと言われるブラックシリコンは、回りからの光が遮断される分、確かに前方はよく見えるように感じるが、いかんせん胸元の器材が全然見えず不便そう。 一眼タイプは、真ん中の仕切りがあるかないかだけの違いなのだが、意外な程スッキリ見える。 ただし、度が入れられないので、視力の良い人のみになってしまうが...。 スキーのゴーグルのような局面レンズのコンパクトマスク「スフェラ」も試してみる。 軽さと視野のスッキリ感は確かに感じる。 慣れないと水中では酔ってしまうという事で店内で首を振ってみたりしたが、水中とは違うのだろうか、そこら辺は分からなかった。

さらに、度付きレンズも見せてもらう。 パッケージの紙箱の真ん中に穴が開いて覗けるようになっていて、次々に覗いてみる。 近視の度に合ったレンズで見ても、残念ながら乱視のボケはカバーされず、やはり乱視の度を入れないとダメな事が分かった。 ちなみに軽度の近視だけの場合、既製品のレンズがあるので、在庫さえあれば即日持って帰れる。 ただし乱視の度を入れる場合はオーダーとなり、眼鏡屋(出来れば眼科)での測定が必要となるため、次のような注文書をもらって帰った。

  
S(近視度数)C(乱視度数)AX(円柱軸)PD(瞳孔間距離)
S±C−°mm
S±C−°

その後、GULLにメールで問い合わせてみたところ、 透明性に優れ、曲げに強いのがポリカーボネイトで透明フレームに使用、耐薬品性、縮みに強いのがABSで不透明フレームに使用、との事。 ABSなら中性洗剤で洗っても真水で十分に洗い流せば問題ない、あるいは専用クリーナーでシリコンスカートを拭けばきれいになる。 分解頻度については、あくまでレンズ交換用との事で、毎回使用後に分解する事は考えられてないそうである。

前に眼鏡を作った眼鏡屋で視力検査をしてもらう。 近視の度はそう変わってなかったが、乱視の度は進んでしまっていた (T_T)  最近は、水中マスクに度を入れるために検査に来るお客も増えてるそうである。 度は、あまりクッキリ見え過ぎると気持ち悪くなってしまうため、普通の眼鏡よりやや弱めにしといた方が良いと言われ、結局、近視の度は入れない事にした。 問題の乱視の度は、やはりやや抑え目が良いとの事、先の注文書にデータを記入してもらった。 眼鏡屋での視力検査は無料だったが、本来は検診も兼ねて、きちんと眼科の医師に診てもらった方が良いだろう。

5/26、OHの終わった器材を受取りに行ったついでに、いよいよマスクの注文をした。 結局マスクは、軽量コンパクトタイプのGULL「アスティオン」にした。 視野の広さとフィット感、フレーム部がABS製で太めで丈夫そう、そしてフレーム部が \1,500 でバラ売りされているのも決め手となった。 気になるマスク本体のお値段は \6,030(定価 \9,800)。 これだけなら、まあお手軽なのだが、さてさて恐怖の乱視レンズのお値段は、、、なんと \12,000(定価 \23,000)...(TOT)  マスク本体の倍である。 でも、これで海中風景やお魚がクッキリ見えるのなら...。

ちなみに、近視だけの場合は定価で \17,000、シニアダイバー向けには老眼タイプ、遠近両用タイプもあり定価で \30,000〜40,000程度である。


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