窓が開いているのを見つけたのか、人の気配が勢いよく近づいて来た。朱樹には足音で解る。
丘野、だ。
「や……ぁ……っ。」
朱樹の瞳からボロボロと涙が溢れた。
こんな姿を丘野にだけは見られたくなかったのに。
けれど、宗太郎の腰の動きは止まらない。前立腺を責め立てられて、再び射精感が込み上げ
て来る。せめて耐えなければと思うのに、自分の意志ではどうにもならない。
「宗太郎様っ。」
焦った男の声と姿が同時に朱樹を襲う。その刹那。
「あぁぁぁっ!!」
悲鳴のような喘ぎ声をあげ、朱樹が果てた。駆けつけて来た丘野の足元に、朱樹の白濁がボト
ボトと落ちる。
「あ……。」
何が起こったのか解らなくて、けれど、すぐに理解した丘野が来た道を駆け戻る。
だが、宗太郎がそれを引き戻した。
「美彦(よしひこ)。」
宗太郎の低い声に丘野は立ち止り、朱樹は丘野の名が美彦である事を知った。
「はよ来い。」
そう呼ばれては、丘野は逃げる事など出来ない。
朱樹は、腰を前に突き出したままピクピクと痙攣している。宗太郎が中に子種を吐き出している
のだ。最後の一滴まで注ぎ込むように宗太郎が腰を揺らすと、朱樹の突き出されたままのぬる
りと光る肉も震え、それが卑猥で、丘野は逆に目が離せなくなってしまった。
宗太郎は朱樹と繋がったまま器用に体勢を変えると、胡坐の上で朱樹を抱えた。ショックの余
りぐったりしたまま朱樹は動かない。いや、動けないのだろう。頬を涙で濡らしたまま、呆然と宗
太郎の胸に身体を預けている。
「んぁっ……。」
突然、宗太郎に肉を弄ばれて、声を殺す間もなく朱樹は喘いだ。くちくち、ちゅくちゅく、と自分の
股間から聞こえる滑った水音に歯を食いしばって喘ぎを殺そうとするのだが、既に何度も果て
た身体は快感に従順で、最早自分の言う事を聞いてはくれない。繋がったままの腰が自然と揺
れ、宗太郎の手の動きに肉は喜び、身体は蕩けてゆく。気持良くてどうしようもない。
「美彦。」
宗太郎に呼ばれて、丘野は恐る恐る近づいて来る。最悪な事に、床が高く造られた屋敷の廊
下は、庭にいる丘野の腰よりも上にある。朱樹は何とか脚だけでも閉じたいと思ったが、無駄な
足掻きだった。白装束の胸元が肌蹴られ、宗太郎の片手が色づく胸の粒を弄ぶ。
「あぁぁぁ……。」
思わず背を撓らせ喘ぐと、朱樹は咥え込んだ宗太郎の肉をギュッと締め付けた。ゆるゆると自
ら腰を揺らせて中の肉を扱き上げる。堪らなく気持良い。知らず、白い背を仰け反らせ両腕を
持ち上げると、朱樹は宗太郎の首に腕を回した。そのまま尻を宗太郎の股間にぐりぐりと押し
付け、逞しく勃起したままの肉で淫孔の中を掻き混ぜる。
「あぁ……ふぅ……。」
朱樹は、密かに想いを寄せる丘野の前で宗太郎に犯されながら、いつも以上に感じていた。宗
太郎との情事を他人に観られる事は度々あったが、こんなに感じた事はない。
「随分と感じておるな。中が大洪水だ。朱樹。丘野に観られてそんなに嬉しいのか?」
もう、死ねるものなら死んでしまいたい。
ぬちっぬちゃっちゅくり。朱樹の股間から絶え間なく聞こえる滑った水音はどんどん卑猥に大き
くなってゆく。
それと共に、朱樹の腰も揺らめき、堪え切れない喘ぎが唇を割って溢れ出す。
「あっ、あっ、あっ……やめ……だんな、さ、まっ…あぁっ。くぅっ。」
骨ばった宗太郎の指先が、むき出しになった肉の鈴口に爪を立て、撫で擦る。胸の尖りを弄ぶ
指先も、汗に濡れた粒を押し潰し、引っ掻き、捏ね回し、朱樹のすべてを狂わせた。
唇の端から零れた唾液で胸元を濡らし、細い背を仰け反らせて朱樹が啼く。丘野の目の前で。
「ひぁぁっ。でるっ。あぁっ。でるっ。でるっ。」
やがて宗太郎の猛りを咥え込んだままの細い腰が揺れ朱樹が甘く叫ぶと、まるでそれを待っ
ていたかのように宗太郎が丘野を呼ぶ。
「美彦。」
しっかりと朱樹の脚を開かせ、固定し、快楽に汚れた股間を丘野に見せつけながら。
「コレを綺麗にしてくれ。」
物欲しげにそそり立つ朱樹の肉の鈴口に指の腹で蓋をし。
「はよせい。」
宗太郎は丘野に命じた。
「はよしゃぶって、朱樹のココを綺麗にしてくれ。美彦。」
宗太郎の言葉に、朱樹の身体が狂喜した。
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