「ひっ……。」
冷たい空気に晒されて、その上射精を強く促され、朱樹は全身を硬直させて歯を食い縛った。
このままでは、美 しい庭に精蜜を撒き散らしてしまう。
「やめ……っ。あっ。あっ。」
「構わん。廊下を汚すよりいいだろうが。」
それとも。
「廊下に撒き散らして女中でも呼ぶか?」
耳元で囁かれ、朱樹は激しく首を横に振った。
「ならば、イケ。朱樹。お前の子種を庭に撒き散らせ。」
「だ…め……っ。あっ。やっ。」
「早くせんと、警備の者が見回る時間になるぞ。」
「いっ……。あっ。」
宗太郎の言葉に、それでも朱樹が抵抗すると焦れたのか、突然、片手で朱樹の着物の裾をグ
イッと持ち上げると 、宗太郎ははち切れんばかりに猛った自分の肉を朱樹の中に突き入れた。
ズクッズクッズクッと、二人の腰がひとつのリズムを刻んで前後に揺れる。何とか悲鳴を堪えた
ものの、朱樹にはそれが限界だった。後ろから抱き締められたまま、朱樹の膝が崩れ、結果
的に廊下で四つん這いの姿勢をとらされた。
「あっ。ひっ。ひっ。んんっ。」
堪え切れない小刻みな喘ぎが朱樹の唇から溢れ、宗太郎が奥深くを突き上げ抉る度、受け入
れる事に慣れた身体が甘く痺れて戦慄いた。
「い……いくぅっ……で、るっ。」
「イクか?」
もう、どうしようもなくなった朱樹が甘く喘ぐと、宗太郎が四つん這いだった朱樹の上半身を持ち
上げ、立ち膝にした。そのまま激しく腰を打ち付けると、朱樹の肉が庭に向かって爆ぜる。
「ひぁ……あぁ……っ。」
ビクビクと肉を跳ねさせながら、朱樹は純白の雪の上に白濁を撒き散らした。その間も、宗太
郎の腰の動きは止まらない。最奥を突き上げたかと思うと、そのままの深さで腰をゴリゴリと押
し付け中を掻き乱し、朱樹の前立腺を 擦り上げながら更なる射精を促した。
開け放たれたガラス戸の前で、二人の腰が淫らに揺れ続ける。正に交尾だ。終わらない。
「くっ。ふっ。くっ。ふっ。ふ……っ。」
腰の動きに合わせて吐き出される宗太郎の息は熱い。再び朱樹を四つん這いにすると、宗太
郎は汗ばむ手の平で細い腰を押さえ込んだ。パンッパンッパンッ、と二人の肉体が激しくぶつ
かり合う。朱樹の唇から吐き出された喘ぎが白く凍える。
「どうだ。ここか? それともコチラか? 何処を突いて欲しい? 言うてみ。」
濡れた股間をグッと朱樹の尻に押し付けると小刻みに震わせながら、宗太郎は意地悪く朱樹
の耳に囁いた。柘榴のように熟れた淫孔の入口が、甘い囁きにキュッと窄まる。ありありと感じ
る逞しい肉の熱さに、朱樹の心と身体 はトロトロに蕩けてゆく。
「お……おく……もっと。深く、に。あぅ……っ。ひぁ……あっあっあっ。」
朱樹の甘い強請り声に、宗太郎はひと際深い部分に肉の先端を叩きつける。朱樹の中で、宗
太郎の鈴口がぱっくりと開き、子種は垂れ流し状態だ。太いカリが熱い蠕動に逆らうように激し
く肉壁を擦り上げる度、朱樹の唇から唾液が溢れる。
イイ……気が狂いそうなくらい気持ちイイっ。
「イイようだの?」
「ん……あ……もっと。もっと激し……くっ。だんな、さまっ。」
「気持ちイイか?」
「は……ぁ……イィ……イィ……あぁ。気持、イィ……っ。」
もう、朱樹には理性も羞恥心もない。まして一年という時間を掛けて宗太郎に調教された若い
身体は、襲いかかってくる快楽の前にあまりにも無力だ。
「お前はわしのまらが好きだのぉ……。わしもお前の名器を好いておるぞ。」
熱い肉で、言葉で、宗太郎は朱樹を煽る。元々朱樹にはマゾの気があり、肉体的にも精神的に
も、激しく責め立てられる事に無償の喜びを感じるのだ。
「あぁっ、あぁっ、うれ……し……ぃっ。はっ、はっ、はぁぁっ。また、イク……デるぅッ。」
切なげに腰を悶えさせて朱樹が達した。と、同時に朱樹の中で宗太郎も弾けた。深く繋がった
二人の結合部がピクピクと卑猥に痙攣する。朱樹の肉壁が宗太郎の肉を扱き、子種を搾り取
っているのだ。朱樹が、宗太郎の股間にうっとりと淫孔を擦り付けながら、最後の一滴まで子種
を扱き出す。少しでも快感を長引かせようと、ゆるゆると円を描く尻の動きが淫猥で堪らない。
「ん……ん……あぁ。熱い……。」
赤い唇を濡れた舌で舐め回しながら、朱樹は恍惚の表情を浮かべ腰を揺らした。一年の調教
によって開発され尽くした身体は全身が性感帯だ。淫孔を覆う柔らかな淫毛の湿り気にさえ感
じてしまう。
その朱樹の様子に、宗太郎は唇の端をクイッと持ち上げ、満足げに微笑んだ。朱樹の調教は
完璧だった。
後は……そう。絶対服従の仕上げ、だ。人は裏切る生き物だ。どれほど完璧に躾ても、実体の
ない精神を縛りつける事は簡単ではない。快楽だけでは、人間の深層心理まで支配する事は
出来ないのだ。
そう言えば……確か今夜は……。
宗太郎は、はらりはらりと舞い散る雪に視線を滑らせながら、ふと、その事に気づいてほくそ笑
んだ。
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