義雅が書類を持ったまま静かに一礼して退室すると、宗太郎の視線が隣の部屋へと向けられる。寝室には美しい青年が待っている。尤も。あの写真を見た後では自慢の稚児も平凡な青年にしか見えないのだから困ったものだ。
「朱樹(トキ)。」
襖を開けて名を呼ぶと、大きな布団の横で正座したままの美しい青年が両手をついて宗太郎を迎えた。




「旦那様。」
白装束の青年が、甘い声で宗太郎を呼ぶ。
この青年を手に入れた時は、最高のモノだと自負していたのだが。
朱樹の前に立ったまま宗太郎が着物の裾を大きく開くと、朱樹が大きく目を見開いた。その肉は既に天を睨んで勃ち上がり、ぬめった白濁を滴らせていたからだ。いつ見ても、年齢と反比例するような宗太郎の肉の逞しさに朱樹は驚かされてしまう。
「朱樹。しゃぶれ。」
その声に、朱樹は膝立ちになると口を大きく開いて遣い込まれた肉を咥えた。濡れた音を立てながら喉の奥まで咥え込み、肉の裏に舌を這わせて舐め嬲りながら吸い立てる。そんな朱樹の奉仕に宗太郎は目を閉じ快感を追う。
あの写真を見ただけでこの有様だ。腰でトグロを巻いた欲望が、マグマのような熱を持って食まれた肉に流れ込んでゆく。強い刺激が欲しくて堪らなくなる。
もちろん、朱樹は知らない事だったが。

「朱樹……今夜は道具部屋へゆく。」
瞬間。朱樹が肉を咥えたまま硬直した。『道具部屋』は、その呼び名の意味するままに、朱樹の身体を弄ぶ為のありとあらゆる玩具が置いてある。
「何を怯えておる。お前は道具で責められるのが好きであろうが。」
朱樹の頭を両手で押さえ、宗太郎は張り詰めた肉で狭い喉の奥を擦りあげる。人間は、死ぬまで性欲の強い生き物だ。歳は関係ない。健康でさえあれば、男は絶倫であり続ける。多少、薬の力は必要だが。
「んっ。」
低く呻いて宗太郎が腰に力を入れた。朱樹の後頭部を片手で押さえ、グイッと肉の根元まで飲み込ませる
と、朱樹の両腕がしっかりと抱きついて来る。
「うぐっ。」
どくっどくっどくっ……と、いつもより濃い子種をたっぷりと注ぐと、朱樹は喉を鳴らして苦いそれを飲み干した。そのまま咥えた肉の汚れを舌と唇を遣って綺麗に拭う。薬の効果で宗太郎の肉は簡単に萎える事は
ない。
「抜くぞ。」
ゆっくりと熱い口内から肉が引きずり出されると、朱樹の腰がガクンと抜けた。肩で息をしながら、濡れた視線で宗太郎を見上げる。そんな朱樹を立たせると、宗太郎は震える腰を抱き寄せ歩き出した。
二人が向かう道具部屋には、朱樹を狂わせる快楽地獄が待っている。
これから朱樹は、宗太郎が満足するまで、そこで身体を弄ばれ続けるのだ。
「あ……っ。」
股間で、若い肉がドクンと跳ねた。
道具部屋での時間を想像するだけで朱樹の肉が爆ぜてしまったらしい。
「なんだ……もうイッたのか。」
「だ……だんなさま……あ…っ。」
「まったく、感じやすい身体だ。まあ、そんな身体にしたのはわしだが。」
朱樹を手に入れて一年。この身体にはありとあらゆる快楽を教え込んで来た。この美しい顔が快楽に染まり、啼き喘いで宗太郎を欲しがるように調教したのだ。徹底的に。
「欲しいのか?」
意地悪く耳元で囁き、細い腰を抱き寄せた腕に力を込める。もう片方の手で朱樹の着物の前を肌蹴ると、下着を着けていない股間で若い肉がフルフルと震え、色素の薄い茂みは、さっきイッたばかりの濃い精蜜
(みつ)でトロリと汚れていた。
「こんなにしておったか……。」
「あ……っ。だめ……ですっ。」
いつ、誰が通るか解らない廊下で宗太郎は朱樹の肉を握り込み、やわやわと扱いた。朱樹は逃げようと腰を捻るものの、骨ばった長い指は肉から離れない。乾いた親指の腹でぬるぬると鈴口を擦られ、三つ並んだプラチナのピアスをそっと中指で撫でられると腰が勝手にゆらゆらと揺れる。肉を噛むプラチナは宗太郎が付けさせたものだ。三つの内ひとつが発信機になっていて、朱樹の行動を24時間監視している。
「く…ぅ……っ。」
鈴口に爪を立てられ、堪らず朱樹は腰を突き出した。はっきりとした意思を持ったその動きに、宗太郎は庭に面したガラス戸を開け、朱樹を後ろから抱き締め直すと庭に向かって両手で肉を扱きあげた。


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