天使で悪魔





帝都動乱編 〜予備補足〜






  帝都動乱編、お読み頂きありがとうございました。
  帝都動乱編における裏設定をここで公表したく思います。なおあくまで裏設定であり、キャラクター達(特にフィーちゃん)が自分の
  素性を明確に知る事はありません。設定としては生きて行きますが、当人達がいずれ知る知らないは別物とお考えください。


  また私、久遠は前作を知りません。
  なのでモロウウィンドに関しましては、私の想像の方の割合が多い事をここで明言しておきます。
  ご理解頂ければ幸いです。






  《マラカティ》

  本名はレヴァンタン。
  孤児だった為、帝国の施設に引き取られ、やがて帝国兵として教育される。孤児を兵士に仕立て上げるのは帝国の政策。
  類稀な戦闘能力を発揮し、見る見る頭角を現す。
  それをブレイズのキルレインに見込まれ、ブレイズに一員に抜擢。
  各地で特務任務に就く。

  しかしある時キルレインがブレイズ構成員の素性調査をした際に、レヴァンタンが皇帝の血統だと判明。
  皇帝の意思として『皇子』以外は抹殺が常識。
  ヴァレンウッドに遠征中に、キルレインの指示で暗殺を敢行。レヴァンタンは刺客として送り込まれた5人のブレイズを返り討ちにす
  るものの瀕死の重傷を負い意識不明に。その際に記憶を失う。
  その後アイリーンに拾われる。

  後は物語の通りの人生ですね。





  《王者のリング》

  マラカティが手にしていた『王者のリング』は『王者のアミュレット』の付属品のようなモノ(笑)。
  マラカティしか嵌められなかったのは皇族の血を持つ者しか身につけられない為。
  アカトシュの恩恵を受けし指輪。
  指輪そのものは盗品ではなく、皇帝が彼の母親にプレゼントしたから。彼の母親は皇帝の寵愛を受けていたものの、皇后との確執
  により毒殺されている。その後マラカティは捨てられる事になる。






  《デュオス》

  元ブレイズのメンバーで『抹殺候補チルドレン』のカテゴリーに位置していた。
  任務の際にブレイズマスターのジョフリーに暗殺された。
  その結果、ジョフリーは皇帝の信任を得ることになる。……のだが、デュオスは何故か生存し黒の派閥を組織した。

  マーティン&マラカティの異腹の兄。
  しかし外見は二十代後半であり、謎の人物。






  《ヴァルダーグ》

  元囚人。
  モロウウィンドにおいて帝国の権勢は土着の信仰に劣っていた為、帝国は一計を案じた。モロウウィンドの預言を逆手に取り、その
  預言に記された英雄を仕立て上げた。
  それがヴァルダーグ。

  ブレイズが全面的に計画を主導しており、またヴァルダーグの能力が類を見ないほど高かった為、結局は古き信仰は打ち破られる
  事になる。しかし民衆は今度はヴァルダーグを本物の英雄として崇める。
  帝国にしてみれば偶像として利用していたヴァルダーグが本物の英雄になってしまった時、暗殺を計画。
  暗殺計画の立案者はジョフリー。
  これによりヴァルダーグは暗殺された……はずだった。

  モロウウィンドで得た仲間の助けもあり、モロウウィンドを脱出。
  その後デュオスに拾われ、黒の派閥において幹部となる。主な任務はデュオスの護衛。






  《ディルサーラ》

  至門院の女王の遺児。
  至門院の指導者は代々女系であり、女王を継ぐ際に名前を受け継ぐ事になっている。彼女は帝都動乱編(至門院参照)に登場した
  ディルサーラの娘。至門院壊滅後は残党と共に各地を転々とし、やがて黒の派閥に合流する。
  皇帝暗殺の計画は元々至門院が長年掛けて用意していた計画が土台になっている。

  種族はフェザリアン。
  帝国の殲滅政策で根絶やし同然にされたフェザリアンの復権の為に各地を暗躍する。






  《抹殺候補チルドレン》

  皇帝ユリエル・セプティムの子供達であり、ブレイズに組み込まれた者達。
  当人達は皇帝の血縁である事は知らない。
  アカトシュの加護を受けている皇帝の子供達は卓越した身体能力を有しており、そのまま殺すのは惜しいという意味合いで一定以上
  まではブレイズとして利用されている。やがて危険と判断されると始末される事になるのが通例。
  捨て駒候補とも称されている。
  もちろん本人達は知りえない情報なのだが。

  カテゴリーとしてデュオスはこれに位置する。
  マラカティは、キルレインが素性に気付くまでは普通の孤児から立身したブレイズメンバーでしかなかった。





  《皇帝の子供達》

  皇后が生んだ三皇子以外は、基本的に皇帝の血族としては迎えられない。
  主に三つの分類がある。

  1つは《抹殺候補チルドレン》。↑を参照。

  1つはその場で抹殺。
  わずかな期間でも生かしておくと政争になりかねない、という意味合いで生まれてすぐに処刑される。
  その際にその赤子の母親でもある愛人も消される事が多い。

  1つは捨てられる。
  マーティンなどがこのカテゴリーに含まれる。ただ、政治的に厄介になりそうな時は追討が放たれ、始末される。
  なお必ずしも監視が掛かっているわけではない。






  《皇帝の後継者》

  今後の主導権争いの為にブレイズマスターのジョフリー率いるブレイズと、オカート総書記達元老院直轄組織アートルムが現在皇帝
  の遺児を探している。どちらの手で新しい皇帝を奉戴するかによって権力構図が変わる為、双方躍起になっている。

  現在元老院直轄の捜査官ユニオはフィーちゃんに張り付いているものの、あくまで『皇帝の最期を看取った謎の女』として捜査している
  だけ。何故こんな事を書くのかは、↓を参照にしてください。





  《フィッツガルド・エメラルダ》

  実のところ彼女は皇帝の遺児。
  カテゴリーとしてはマーティンと同じ。赤子の際にジョフリーの手によって捨てられた。

  捨て子だったのを養父母(本人は実の両親だと思っているが)に拾われる。
  五年間は平穏に生きていたものの、情勢の変化で皇帝は抹殺を指示。ブレイズが刺客として放たれる。
  両親は殺されるもののフィーはブレイズを階段から突き落として殺害。
  その後親戚をたらい回しにされ、邪教集団にオブリビオンに転送される。そして帝国の監視から消え、また存在記録そのものが
  抹消された。ブレイズとしては死亡扱い。

  本人は両親を殺したのは盗賊だと思い込んでいる。


  指輪が嵌められたのは彼女自身が皇帝の血筋だから。
  卓越した身体能力も彼女が嫌う神の恩恵。全てを見通す力があった皇帝が彼女を娘だと認識していたかは不明。






  《ラストの展開》
  るろうに剣心風にいうところの『夢か現か幻か』ですねー。
  露骨に使うのはどうかと思ったのでその表現はしていませんが。アイスマンがあの場面にいないのは魔剣ウンブラに魂を食われ
  たからです。

  マラカティが最後に見たのは都合の良い夢なのか、それとも……。
  それは皆様の価値観にお任せします。









  それなりに後付け設定はあるものの、マラカティの存在そのものは当初の予定からありました。
  もっと話を掘り下げようとして始まったのが帝都動乱編であり、今後の戦いの軸は皇帝の遺児達の戦いになります。

  次期皇帝を目指すデュオス。
  次期皇帝に祭り上げられるマーティン。
  そして皇帝の娘フィー。

  最終的な答えとして『皇帝とジョフリーの我侭』的な話になると思われます。
  ただお互いに……デュオスとマーティンは自分達を皇帝の遺児だと知っていますが、フィーちゃんに関しては劇的に自分が皇帝の娘
  として明かされる事はありません。ただ最終的に気付く、的な感じですね。

  結構なネタバレにはなっていますが、今後ともよろしくお願いします。
  帝都動乱編、ここに完結です。

  読んでくれてありがとうございました。