天使で悪魔
至門院
至門院(しもんいん)。
アルトマーの出身地であるサマーセット島にある学術機関。
シロディールにある、知識の最高峰であるアルケイン大学とともに『学問』を司る機関の双璧として存在している。
アルケイン大学は知識と魔術。
至門院はより純粋に知識のみを追求。その為か、学術的には至門院の方が勝っているようだ。
しかしきな臭い噂もある。
反乱推奨組織。至門院は、反帝国を掲げる組織にも求められれば知識を伝達する。例え反乱の知識であったとしてもだ。
そもそも至門院には謎が多い。
指導者は『D』と呼ばれる女性。一切公式に姿を現さない。至門院の構成員の前歴も定かではない。
そして……。
「……さすがはレヴァンタン。なかなか、やる」
忌々しそうにキルレインは吐き捨てた。その後ろに控えるブレイズの2人も軽蔑の視線を投げつける。
キルレイン。
皇帝直轄の親衛隊であり諜報機関でもあるブレイズに所属する男。ブレイズは常に3人1組で行動する。キルレインは他の2人、
マディスとリディアスを仕切る立場にある。
場所はレヤウィンの兵舎。
賓客としてここに滞在している。その意味はもちろんグレイランド殲滅を見届ける為だ。
報告は次々に入ってくる。
一時間前にも報告の為に駆け込んで来た者がいた。今回の殲滅作戦に陣頭指揮を取ったヴァルガ隊長だ。将軍の椅子欲しさに
ブレイズの命令に従った(階級関係なしに指揮する権限がブレイズには確かにあるものの)のだ。
ヴァルガは野心の為にこの策に乗った。
そして……。
「プロの扇動者が聞いて呆れるな」
冷ややかに、ヴァルガの次に飛び込んできた人物を見る。
扇動者。
フリーの傭兵で、グレイランドの民衆が蜂起するように仕向けた人物。扇動者は一瞬ムッとする。自分は扇動するのが仕事であり
戦闘は仕事ではない。戦闘云々の結果の責任を自分に求めるのは筋違いだと思った。しかし口にはしない。
口にするのは危険だからだ。
「まあいい。持ってけ」
金貨の袋を扇動者の足元に投げる。約束より幾分か少ない。
扇動者は屈んで金貨の袋を手にする。
「では」
早々に立ち去る。
あまり長居すべきではないと判断したのだ。
「使えん奴だ」
キルレインは呟く。
それにしても分からないのは、レヴァンタンの行動だ。何故扇動者を放逐したのか。殺せば、足取りが消える。自分達が死んだ事
にも出来る。にも拘らず放逐した。
何がしたいのか?
何が……。
「それでどうしますか?」
「馬鹿か貴様は。殺すに決まっている。……しかし、足取りが消えたな」
「確かに。そしておそらくそれが目的ではないですか、キルレイン殿」
巨漢のリディアスは憶測めいた事を呟く。
外観的にはノルドを思わせる、愚鈍な感じではあるもののそれなりに頭は切れる。ちなみにノルドっぽいものの実際はインペリアル。
「……なるほどな」
キルレインは頷いた。
ありえるだろう。
レヴァンタン(マラカティ)は生きていると自分を誇示して逃げ回る……捜索の範囲は当然広げる必要がある、その結果捜索の範囲
は広がるものの隙が出来る。キルレインが動員出来る兵力が限られている為だ。
グレイランドの一件はあくまで『民衆の蜂起』でしかない。
帝国全土で起きている事件の中では大分下に位置する事になる。何故ならばこの程度の反乱は頻繁に起きているからだ。
いや、反乱と呼ぶのもおこがましい。
だから自然動員兵力は限られる。
「……レヴァンタン。何をするつもりだ?」
このまま逃げるのか。
それとも……。
霧の中。
ギシ。ギシ。ギシ。
艪(ろ)を漕いで進む。私達は船上。
一艘の小船。
街道を進むのは危険だった。あのままグレイランドに残るのも危険。かといって街道以外を進むのも危険。
陸路は全体的に危険。
小船を一艘調達した。そして我々は船の上。
ニベイ湾を進む。
進むべきは帝都。そう提案したのはアイスマンだ。何か策があるらしい。
もちろん小船でニベイ湾を渡って帝都に進むのは無謀。どこか途中で上陸する必要がある。上陸する場所?
それはエルズに心当たりがあるらしい。
船上には私、アイスマン、カイリアス、エルズ、クレメンテ。
他の村人は全員シロディールを離れた、もしくは離れるように説得した。あくまで私と共に行動するという者もいたが、説得して離れ
させた。鉱山ギルドから得た金貨を惜しみなく与えた。
もっとも、それでも金貨5000枚が今なお私の手元にある。これは軍資金だ。
何の軍資金?
決まってる。
皇帝暗殺の為の資金だ。
今回の村の攻撃にはブレイズが一枚噛んでいたらしい。つまり、皇帝の指示。
いずれにしても帝国の失政が今回の一因でもある。ヴァレンウッドだってそうだ。皇帝の治世は、必要ない。
セプティム一族の治世は終わらせる必要がある。
何故?
皇帝の治世は、帝国の大局だけを見ている。いや、厳密には大局しか見ていない。
それが政治の本質なら、そう勝手にほざけばいい。
例えなんであれ私は皇帝を殺す。
それが私のすべき事なのだ。
グリーフ砦。
ブラヴィルの東にある孤島。ここは現在海賊の拠点になっているらしい。
島、といってもそれほどでかくない。小島だ。
その小島の中央に砦がある。それがグリーフ砦。海賊が建てた砦ではなく、随分前に帝国軍が放棄した砦らしい。
海上の軍事拠点として存在していたものの、放棄後は海賊が住み着いている。
さて。
「よっと。……あんまり船は好きになれないぜ」
船は接岸。
カイリアスはぼやきながら船から降りる。
「誰も、いねぇな」
皮肉な笑みをエルズに向ける。
エルズはソッポを向いた。
「直に戻るよ」
「ほんとかよ?」
「疑うなら勝手に泳いでどっかに行きな。忌々しいダンマーめっ!」
「ちっ」
ここに来たのはエルズの提案だ。
元冒険者の彼女には船を持つ友人がいるらしい。その船に便乗させてもらい、帝都に向かうわけだ。
友人は海賊。
名をガストン。この近海を荒らしまわり、現在はここを拠点にしているらしい。
「頼りになる友人だよ、マラカティ」
「信用してるよ」
……相手は海賊だがな。
それでも。
それでも、使いようによっては、今は役に立つ。エルズの顔の広さに感謝しなければ。
「よいしょ。よいしょ。……兄貴も手伝ってくれよー」
「ああ。悪い」
金貨の詰まった箱を小船から降ろすクレメンテを手伝う。
他の連中?
アイスマンは涼しい顔して海を見ているし、カイリアスはカイリアスで独自の理論を展開している。誰も手伝おうとはしない。
……。
……このチームワークで皇帝暗殺は大丈夫なのか?
「大将。海賊なんて放っとけよ」
「ん?」
「そんな事よりスクゥーマを買おうぜ、スクゥーマをよ。幸い、金は山ほどあるんだし」
金貨5000枚。
それが私達の軍資金の全て。
「……全額つぎ込んでここでラリるつもりかい?」
おお。神よ。呟きながら胸元で十字を切るエルズ。呆れ顔だ。
「失敬な奴だな」
「エルズさんの言い分は正しいですよ。……それでアルケインのインテリさん、どういう意図なんですか?」
「はっ、決まってる。売るのさ」
「売買ルートは?」
「友達が提供してくれる」
意味ありげにカイリアスは笑った。
確か以前カモナ・トングと接点があるとか言ってたな。
カモナ・トング。
モロウウィンドを拠点とする犯罪結社。
人身売買、売春、麻薬の密売、暗殺、強盗、何でもござれの犯罪結社であり、義賊の集団である盗賊ギルドとは敵対している。
スクゥーマの密売ルートも牛耳っている。
その筋からカイリアスはスクゥーマを買い取り、売り払うのだろう。
そして結果として莫大な利益を得る。
アイスマンは不快そうな顔をした。反乱推奨組織と呼ばれている至門院の所属とはいえ、美学には反するらしい。
私にしてもそうだ。顔をしかめる。
私は美学よりも倫理観からの拒絶反応。
「大将は不服かなのか?」
「気が乗らないな」
「何故だ?」
「何故って……民衆が迷惑するからだ」
「おいおい何を甘い事言ってんだ。皇帝殺したら、どの道世情不安でそこらで内乱が起こって大勢死ぬんだ。だったら先に
スクゥーマでどれだけ死のうが関係ないだろ?」
「……」
「おい大将」
語気を荒げる。
理論上は、確かにそうだ。
麻薬を垂れ流そうが垂れ流すまいが、皇帝を暗殺すれば内乱は必ず怒る。結果として人は大勢死ぬ。
麻薬流通があろうがなかろうがだ。
「……」
だが。
だが……。
パチパチパチ。
「何だっ! 余計な茶々を入れるなよ至門院っ!」
「ふふふ」
拍手したのはアイスマン。
微笑を浮かべている。
「カイリアスさんの理屈は確かに正しい。皇帝を殺すだけでは不充分。そしてマラカティさん、皇帝を暗殺するのであればその後の
アフターケアを考えなくてはなりません。スクゥーマ流通を嫌悪するなら、尚更です」
「……」
それもまた正論だ。
だが分からない事もある。私はあくまで復讐を掲げているに過ぎない。
皇帝暗殺。
確かにそれは大事だ。だが、殺した後は知った事じゃない。
始末したら?
その時は。
その時は……。
「マラカティさん。貴方の進むべき道、私が……いや、我々がサポートしますよ」
「……?」
「話は後です。エルズさんの、お友達が来たようですよ」
視線の先。
船がこちらに近付いて来ていた。
……海賊船。
「帝都まで乗せてけ? 久し振りに会って、まあ、相変わらず横暴な女だぜっ! まあいい、乗りなっ!」
「助かるわ、ガストン船長」
海賊船。
今、我々が乗っているのは海賊船。……世の中、妙な展開が好きなようだ。
ただ安息が欲しかった。
ただ平和に暮らしたかった。
それが今は海賊船に乗り帝都に向っている。向かう理由は皇帝暗殺。……神はユーモアのセンスがあるらしい。
「ふっ」
波間を見ながら、私は自然笑う。
おかしいだろ?
人生における流れは、不透明で読みづらい。まだまだ私は修行が足りないらしい。そして、もう1人。
「……」
エルズは潮風を頬に感じながら黙っている。
船倉は狭く、汚いので気分転換に私は潮風を浴び、波を見に出て来た。そうしたら丁度エルズと出くわした、わけだ。しかしお互い
何を喋るでもなく波を見る。波の如く、私達の心はそれぞれに揺れていた。
エルズの悩みは、信仰。
神の意思が分からなくなっているようだ。『信心深いエルズ』という異名は、今は休業中。相談に乗り、答えを導き出す手伝いをすべ
きかとも思うが私は敢えて何も言わない。
結局答えを出すのは当人だからだ。
私は冷たい?
……そうかもしれない。
しかし、私が思うに、私はエルズの悩みを察する事は出来ても理解する事は出来ないと思うのだ。何故なら、エルズはエルズであり
私ではないからだ。逆もまた然り。
どんなに理解したつもりでいても当人の悩みとは自ずと別物になる。何故なら人それぞれ価値観が違うから。
例えば医者と病人の例が最適だろう。
医者は患者の痛みを医学的に察する事は出来ても、患者がリアルに感じている痛みまでは理解出来ない。悩みもそれと同じ範疇
だと私は考える。
エルズの悩みは、エルズにしか分からない。私は口先だけで同調すべきではない。
まだ、お互いに沈黙を守っていた方がよっぽどマシなのだ。
「エルズ」
「……何?」
「私は船倉に戻る。ここは冷える。そろそろ君も戻った方がいい」
「……」
「……? どうした?」
「あんたは村長として……いや指導者として有能だけど……女心は分からないようだね」
「はっ?」
「あははははははっ!」
私の呆けた顔が笑えるのだろう。エルズは弾ける様に笑った。
女心?
「こういう時は黙って抱き締めるのが普通だと思うけどね?」
「そうなのか?」
「……」
「な、何だ、その沈黙は。……エルズ?」
「この朴念仁」
そう吐き捨ててエルズはスタスタと歩き去る。1人取り残される私。吐き捨てられた言葉の意味を考える。
朴念仁?
「……失礼な」
船は帝都に向かう。
停泊予定地は帝都波止場地区だ。つまり、このまま帝都に入る事になる。
皇帝暗殺。
それは私がそもそも言い出した事だ。皇帝の治世は、あくまで帝国人に対してのモノ。私は必要ないと判断した。
だから殺す。
……民衆の為に?
いいや。あくまで私の私怨だ。
アイスマンにうまく乗せられた感も少しはある。
準備とは何か?
そして……。
ガストン船長と別れ(乗せてもらっているとはいえ、雑用を強いてくるのであまりすきにはなれなかったが)私達は陸に降りた。
海賊船は普通に波止場に停泊している。
表向きは貿易船らしい。
……どこと貿易し、どういう交渉をして、どういう経緯で積荷を手に入れるかは追求しないようにしよう。
さて。
「うー。陸はやっぱりいいぜ」
「カイリアスは水は苦手か?」
「苦手じゃねぇよ、大将。しかし濡れるのは嫌いだな。……もっとも女性が俺様のテクで濡れるのは好きだがな。げっへっへっ♪」
「……」
エロエロかお前は。
「さて。行きますよ」
アイスマン、先導する。
私達は顔を見合す。アイスマンの語調は少し命令気味だったからだ。自分の口調がいつもと違う事に気付いたのか、アイスマンは
ぺこりと私達に頭を下げた。
「すいません」
「いや。別にいい」
「少し神経質になっているようです」
「神経質?」
「マラカティさんは皇帝を暗殺すると仰った」
「お、おいっ!」
突然の発言にカイリアスが叫ぶ。当然だろう、ここは帝都。帝国の中枢。さすがに王宮の中で話しているわけではないにしても、世界中
の人々が集う過密地域。誰が聞いていてもおかしくない……というか、誰かの耳には入っている。
巡察している帝都兵も多い。
あまりここで立ち話するべきではないと思うのだが……。
「カイリアスさん。何をびびってるんですか?」
「びびる……おいっ!」
「ガサツだし図太いように見えても、意外に神経は繊細なんですね」
「貶してんだか誉めてんだか分からねーよっ!」
アイスマンは涼しい顔をしている。
結構良い性格しているようだ。
「……アイスマンって兄貴には甘いけど容赦ないなー……」
「……ありゃ結構ズケズケ言うタイプだよ……」
クレメンテ、エルズはヒソヒソ話。
私も心の中で同意する。
「マラカティさん」
「お、おう」
動揺。
「……」
「……アイスマン?」
まるで交差する瞳から私の心中を読取るかのように、アイスマンはじっと私の瞳を見る。
じっと。
じっと。
じっと。
さすがに私も目を逸らしたり、声を掛けたり出来ない。自然、私もただ瞳を相手の見る。周囲のざわめく声が、活気のある街の声が
空虚に響く。たっぷり数分間、私とアイスマンは微動だにせず見つめ合っていた。
カイリアスは茶化す。
「おいおいお前ら2人して愛が芽生えあってんじゃねーだろうな?」
無視。
「……ちっ」
舌打ちして黙る。
いい加減、延々と見つめ合っている場合ではないと私は思うので口を開こうと唇を動かしかけると……。
「マラカティさん」
「何だ?」
「皇帝を殺すだけでは駄目です」
「……?」
「それでは民衆が苦しむ事になります。政権の空白は、乱世。速やかに誰かが後を引き継ぐ必要があります」
「……? 何を言っている?」
「至門院は皇帝暗殺の機を狙ってました。我々は反乱推奨組織ではない。より純粋に、反乱組織。……機は熟しました。私はそう判断
して皇帝暗殺の為の準備を解き放ちます。しかし殺すだけでは、駄目なんですよ」
「……」
アイスマンのカミングアウトは、はっきり言って危ない。
危険そのものと言ってもいい。
誰かに通報されればお終いだ。ここは世界の中心、口にした言葉は必ず誰かの耳に入るほどの過密地帯。
私は彼の口を止めようとする。
その時、アイスマンは優しく微笑した。
「マラカティさん」
「何だ?」
「我々至門院が欲するのは自由。政権ではない。……しかし政権の空白は乱世の始まり。ならばどうするか。答えは簡単です」
「はっ?」
「マラカティさん。貴方を皇帝として奉戴すべく至門院は全面的に支援します」
サマーセット島。学術機関『至門院』の建物である『翡翠の塔』。
塔の最上階。
その部屋は、異質だった。全面ガラス張り。と言っても透明なガラスではなく、不透明。さらにガラスにはヒビが入っているかのような
黒い線が無数に入っていた。室内は広い。下手な市民の家よりも広い。
その部屋に1人の女性がいる。
美しい金髪の女性。
インペリアル?
ブレトン?
アルトマー?
……いや。違う。
例え帝国の基本的な10の種族を口にしてもその答えはどこにもない。彼女は滅びたはずの種族の生まれ。
背にある白い両翼がその答えだ。
フェザリアン。
空が飛べる、それはそのまま帝国の防衛上の脅威となる。空が飛べるという事はどんなに高い防壁でも意味が成さなくなる。その
理屈から数代前の皇帝が殲滅政策を採って来た。
現皇帝ユリエル・セプティムもそれを引き継いでいる。その結果、事実上フェザリアンは滅亡寸前にまで追い込まれていた。
「……アイスマン、動くようですね」
女性は呟く。
手には水晶。その水晶はアイレイド文明の遺産である『サヴィラの石』。千里眼の水晶と呼ばれる遠視の魔道アイテム。
アイレイド文明は今の魔道文明を超越していたものの、この水晶は当時の文明の力を持ってしてもそう幾つも創造出来なかった
だろうと言われている。
女性の名は『D』。それは本名の頭文字。至門院の当主は皆同じ名を世襲する。彼女は第38代目だ。
彼女の母親も、その母親も、そのまた母親も……逆に言えば、彼女の子供も等しく同じ名を持つ事になる。至門院の当主は基本的
に女系が多い。だからほぼ全ての場合(稀に例外もあり男性が就く場合もある)女性だ。
さて。
「誰かいませんか?」
凛とした声が室内に響く。
透き通るような声。
すぐさま1人の初老の男性が入室してくる。恭しい物腰。
「お呼びでございますか」
「アイスマンが動くべきと判断した模様です。フェイリアンを彼の元に遣わしなさい。……我々が動く時が来ました」
「……まだ早いのでは?」
「アイスマンがそう判断したのです。絶好の機会なのでしょう。急ぎなさい」
「仰せのままに。ディルサーラ様」
そして……。