横ドップラー効果について
 
 山口県のGさんから、「アインシュタインの宇宙論では横ドップラー効果が重要な役目をしていると聞きました。この横ドップラー効果も窪田さんは間違っていると言うのですか?」という質問がきました。
図面を書かなければいけないので、本HPで公開しておきます。
(2001年12月5日、2002年2月8日/窪田登司)
 
 アインシュタインの横ドップラー効果というものが “アインシュタイン宇宙論” だけの話なのか、それとも一般性のある物理現象なのかは、Gさんご自身で判断してください。
 
 横ドップラー効果というのは、次の図のように光が斜めに観測者にやってくる場合、ちょうど直角になった瞬間の事だとされています。
 
 図で光源AがX’ 軸に沿って、基準系X軸に平行に速度Vで運動しているとします。その時、Cポイントを通過するとき、
どうなるかというものです。
 通常、光源Aというのは遠い宇宙の天体で、観測者Bというのが地球観測者です。光は球面波でしょうが、地球に届くときはほとんど平面波となっています。その光線軸を図では表しています。
 Cポイントでは、観測者にとって光源は近づきつつあるわけでもなく、遠ざかるわけでもない瞬間の光ですから、ドップラー効果は起きないのですが(もちろん相対光速度説でもドップラー効果は起きません)、アインシュタイン宇宙論では、動いている光源Aと観測者Bでは時間が違うからドップラー効果を起こすとなっています。
 
 相対論の教科書には次のように書かれています。
「われわれの特殊相対性理論によって横ドップラー効果を証明してみせよう。光源系でt’ 秒間、周波数f’ の光を発射すると、f’t’ 個の波数となる。これをBで観測すると、f t 個の波数となったと仮定しよう。これを等しいとおき、
光源Aと観測者の時間は異なるのでローレンツ因子によって、
 
t’=tであるから、
f t=f’ t’=f’ t
となり、時間t を消去すれば、
f=f’
となり、アインシュタイン尊師は見事に横ドップラー効果を予言する」
 
窪田より:ローレンツ因子という数学展開が、もともと間違っていると私は指摘してきたわけですが、それ以上に簡単な考察を見過ごしてはいけないと思います。
「t’ 秒間光を発射する」ということはCポイントを通過する瞬間ではないです。時間間隔のある事象です。にも関わらず、「Cポイントを通過する瞬間の横ドップラー効果を説明した」とはどういうことでしょうか。言葉のアヤを使った「こじつけ」です。
 この現象は普通のドップラー効果でしょう。そう思いますよ、私は。
 
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 匿名で私によく食い下がってくる方がいます。
 
 「絶対に“等速直線運動は絶対静止と区別はできない”、アインシュタインの発想は絶対に間違いはない」とおっしゃいますが、なぜ上図のように、静止系の時間が t で、運動系の時間が t’ というように「時間が変わる」のですか?
 すべての特殊相対性理論の参考書に次のように書いてありますね。「光は静止系も運動系も同じ光速 c であるから、ADという長い距離を、運動系ではA’ Dという短い距離で進むので時間は遅くなり、t’ となるのだ」と。
 
 こんなことをご自分の頭で考えた事ありますか?偉い相対論物理学者が書いているのだからといって、それを鵜呑みにしているだけではございませんか。こんな図を正しいとするから、v=c ではt’ =0になる、なんて事になるわけですよ。
 
 図の光点の動きをよく見てご覧。A→Dの光点も、見かけ上光っているA’→Dの光点も同じ時間ではありませんか?
同時にDに到達しているでしょう。だから静止系も運動系も時間は同じ t なのです。ひょっとして「相対論によれば同時ということはないんだ!運動系では遅れて光点はDに到着しているのだ」とでも言いたいの?じゃあ、僕の描いたアニメはデタラメだって言うわけね。「ダメだ、こりゃ」。
 
 よく考えてよ。何が異なるかというと、A’→Dの見かけ上の光速です。A’→Dに沢山のCCD光センサーでも並べておけばパッ、パッ、パッ、パッ、パッ・・・・・と光ってDに行きます。その見かけの光速が c’ です。
 簡単な計算から c’ は、c’=c−v・cosθ です。(ここでθ=∠DAA’=∠ADC )
(上図アニメは“運動系”が光速の約91.4%、約27万4千km/secで運動している例です←これも分かんないだろうなア)
 
 なぜ「どの系も“時間”は同じで、相対光速度が変わる」というのが擬似科学なのですか?
もし、私の指摘が“擬似科学”ならば、アインシュタイン以前の物理学は、すべて“擬似科学”となりますよ。
 私のことを「オカルトオーディオをやっているオカルトクボタ」と言っている知ったかぶりのネットオタク殿! それをご承知おき下さい。もう一度“勝ち犬の遠吠え”をします。
 
静止系A→Dの時間も運動系A’→Dの時間も同じ t です
 
2002年3月28日、4月2日/窪田登司
 
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 上記知ったかぶりのネットオタク殿は、「トップページのFig.1“L、vt、ct、光の直角三角形”は絶対に正しい。すべての相対性理論の教科書に、大科学者が、この図から三平方の定理によって
(ct)=L+(vt)
として、時間の遅れ因子(ローレンツ因子)を導いている。これが間違っているはずはない」と私に猛反発しますが、少しアタマを氷嚢で冷してください。
 運動している系(v とt の関数)を静的に止めてしまって直角三角形を作って、三平方の定理を持ち込むのは数学的に間違っていると、私は“口が酸っぱくなるほど”述べてきました。こういう事をしてはいけないのです。これがすべての間違いの根源なのです。
 
 運動系は運動しているのですから、常に時間的変化を伴っています。動的に、こういう直角三角形が成り立つわけはないのです。
 たとえば上図で、(cT)=L+(vT) となりますか?計算してご覧なさい。なりませんね。なぜ無茶苦茶な式になるかと言うと、動的なものを止めているからです。
 
  運動系は運動系内で式を立てること  
 
これが数学を物理学に応用するときの基本です。
 
 トップページのFig.1「L、vt、ct、光の直角三角形」は、物理的にも数学的にも存在しません。
(2002年4月6日/窪田登司)
 
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【次のようなハガキがきました。名前も住所も書いて無くて、走り書きです。2002年5月2日/窪田登司 】
 
「貴殿は本当にオツムが弱い。20世紀最大の科学者であるアインシュタインが間違っているはずはないんだよ。
 光源の速度をv とする。光源の前方に発射した光の速度は(c+v)となるはずだが、(c+v)とはならないんだ。
c のままなんだよ。それはアインシュタインの速度の加法則によって計算されるのダ。
 
 
こんな計算も出来ないで、何がアインシュタインの相対性理論は間違っていただ!」
というものです(原文のまま)。
 
 多くのアインシュタイン原理主義信者が私を馬と鹿扱いするときの定番式です。
もしも、
@「光は物体を投げたときのような運動をするはずである」(アインシュタインの特殊相対性原理)
A「光は物体を投げたときのような運動をしない。光速度はc のままだ」(アインシュタインの光速度不変の原理)
という2つの“アインシュタイン原理”が正しければ、上式は正しいかも知れません。c+v がc になっていますから。
 (ただし数学的に正しいかどうかは別です。なぜなら、v はvやv、vの成分を持つベクトルであり、velocity です。
一方のc は方向性を考慮に入れない速さの一定数値299,792,458m/sec であり、velocity ではなく、speed です。
こういったベロシティとスピードを単純に足したり引いたりしてはいけないです。数理物理学の基礎です。)
 
 私が相対論は根本的に理論構造に間違いがあると述べているのは、
@「光は物体を投げたときのような運動をしない」(光と物体は異なるということ。物体は慣性運動しますが、光は慣性運動ではなく、EとHの相互エネルギー変換による自己推進です。)
A「光速は一定だから、観測系(運動系)にとって相対光速度は変わる」
としているからです。
 (c−Vcosθ )の c はもちろんspeed で、Vcosθ はベクトル の光線軸に投影した成分、つまりspeed です。
もっと分かりやすく言いますと、c−Vcosθ は光の方向性を考慮した運動系の相対的な光速です。方向性をも考慮した値なので、私は“相対光速度”と述べているわけですが、これによってマイケルソン・モーリーの実験とブラッドレーの光行差の現象を理論的に説明したのが相対光速度説(仮称)です。
 
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“反論”をする場合、できるだけ住所、氏名は書いてください。先日も名前は書いてありましたが(ちなみに頭文字はAです)、「住所は書きたくない」と添え書きがあり、書いてなかった手紙があります。
 お互いに切磋琢磨してこそ生き甲斐があるものです。本ホームページには「名前を出してもらっては困る」という場合、お名前は公開しませんから、よろしくお願いします。
 
 ただ、知ったかぶりのネットオタク殿のようにネット上で私を馬鹿にするのは痛快でしょうね。以前に私がやっちまったミスをことさら取り上げて「自分こそアインシュタイン通だ」と自慢しているヒト。普通の人はアインシュタインという名前だけで震え上がりますから、「アインシュタインが間違っているワケないよ。クボタっていう人のほうがおかしいんだ」と思うでしょうからね。
2002年5月4日/窪田登司
 
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【また同じ筆跡の、住所、氏名を書いてない走り書きのハガキがきました。2002年6月10日】
「貴殿は本当にオツムが弱い。20世紀最大の科学者であるアインシュタイン博士が間違っているはずはないんだよ。世の中で光速より速いものは存在しないんだ」
というものです(原文のまま)。
 
 この人は多分私のHPを読んでないです。
なぜ「世の中で光速より速いものは存在しない」という奇妙な事態になったのか。それはトップページの有名なFig.1
「L、vt、ct、光の直角三角形」をご覧下さると分かります。
 どんなに速い v でも、つまりどんなに CD が長くても無関係に AD を ct としているでしょう。だから、絶対にv は c を超えることが出来ない図になっているのです。
 こういう図は数学的には間違っているし、物理的には存在しないのです。鏡D(運動系)にとって光の方向性を考慮した相対光速度を考えなければいけません。残念ながらアインシュタイン(または前妻のミレーバ)は、ここをミスったのです。
(2002年6月10日/窪田登司)
 
 これに関連する反論が新潟県のH 氏からきました(2002年7月27日)。
 『等速直線運動は絶対静止と区別出来ないから、いかなる v でも必ず光はA からC 、つまりA’ からD に行くのだ。したがって静止系では光はA からD に行ったようになるのだ。絶対にFig.1「L、vt、ct、光の直角三角形」は正しいのだ』
というものです。
 
 窪田:上手い“反論”です。どの特殊相対論の教科書にも、一番最初にその事が書かれていますから。誰がそんな実験をして確かめたのでしょうか。マイケルソン・モーリーの実験?あれは球面波です。だから誤差を見逃した件を他項で説明しました(この誤差に関しては、あなたと同じ新潟県のある高校生が発見したことです)。
 反論者の言い分に戻りますが、そういう事が正しいならば、A’D方向の光速度がc ですね。なぜAD方向の(横っ飛びに飛んでいったとみなされる)光までもが光速度はc なのですか?
 光には光軸など方向性があります。その方向性を無視するのが物理学ですか?
 お願いですから、「特殊相対性理論のミスの出発点」 をお読み下さい。 (10)静止系と運動系について も分かりやすいです。
 
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 2007年2月26日記:最近、同じ内容の反論もしくは質問が3通きましたので、ここでまとめて記しておきます。
「GPSは特殊相対性理論を実証しているものではないのか」というものです。
 私への反論者は「地球は1秒間に3万mものスピードで動いているので、2万m上空の静止衛星から地球に電波が届く間に、地球は約2千mも移動することになり(計算はあなたがやりなさい!)、全くGPSは使い物にならなくなってしまう。窪田氏のデタラメもほどほどにしてもらいたい!」という激しい抗議でした。
 
 この方は私の相対光速度説がどういう理論構造をしているものかをご理解されてない人です。
ご理解くださった人々はすぐに言います。『特殊相対性理論が正しければGPSは成り立たない』と。
 
 “地球は1秒間に3万mものスピードで動いている”と言われますが、これは“太陽”を基準にした値です。つまり公転スピードです。もし“銀河中心”を基準にすると地球のスピードは約400km/sec ほどになるらしいです。もし“アンドロメダ銀河”を基準にすると、途轍もないスピードでしょう。逆に言うと何も“基準”にしなければ、地球は宇宙空間を動いているかどうか分からないです。“静止している”と言っても構わないです(ただし自転はしていますが)。
 このように物体(この場合“地球”)の運動は基準を何に取るかによって、そのスピードは変わってきます。だからアインシュタインは“他の慣性系”を“絶対静止系”とみなして、それを基準にしました。それが特殊相対性理論です。
 
 私は“光”(GPSの場合“電波”)を基準にしましょうと発表したのです。
 したがってGPSの場合、例えば1万7500km上空のGPS衛星から発射した電波が地表に届くまでの約0.058秒間に地球がどのくらい宇宙空間を移動したかは不明です。誰も測定した事はありません。おそらく微々たるものでしょう。GPSの場合、そんな地球の運動は問題ではないです(ただし“自転”による影響は出るし、完全に対地静止しているわけではないのでドップラー効果などの影響もあります)。
 異なる方向から来る複数個のGPS衛星の電波をキャッチして、そのωt の変化を計算しているのがGPSです。
 
 ネットで「GPSの誤差は相対性理論によって解決できる!」と書いてあるのを見つけました。それは「特殊相対性理論によって地上の時間はGPS衛星の時間よりも早く進むが、一般相対性理論によって地上の時間はGPSの時間よりも遅れる。このようにして相殺されるが、通常は地上の時間が遅れるため、GPSの時計を若干遅らせてある。こうしてアインシュタインの相対性理論はわれわれ身近な存在なのである」というものです。
 こういう説明を電波工学を専門としている人が読むと吹き出して笑うでしょう。地上での時間同期が若干ズレるのは、
“こじつけ相対論的効果”ではなく、『地球の自転によるもの』、『ドップラーシフトによるもの』、『電波が地上に届くまでの媒質の濃度傾斜による屈折作用や伝播速度の変化』、『電離層での量子エネルギー効果による波長の伸び』等々による事を、きちっと理解して貰いたいものです。GPSを開発、製品化している技術者に取材してご覧。「同期を取るために相対論なんか使ってませんよ」と教えてくれます。
/窪田登司
 
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 追加します。/窪田登司
 この一ヶ月間に同じ人から(〒番号761−0612のY さんです。何度も猛烈に私に反発し、私をバカ扱いした手紙です。こういう反論者は私にとって貴重な存在です。というのは、手紙の内容をじっくり拝読しますと、「ああ、この人はこういう誤解をしているんだ」、「ああ、この人はこの部分がお分かりになってないんだ」と、基本的な部分の私の説明が行き届いてない事を知ることが出来たからです。
 現在は圧倒的多数の多数決でアインシュタインの相対性理論は正しいとされていますが、実際には砂上の楼閣であり、近似計算で合わせ込みをしたり、こじつけたり、観測値や実験値を捏造しているだけです。
 ひとたび土台を突っつけば、アッと言う間に崩れてしまう理論です。その土台を私は説明しているのです。
 この一ヶ月は私にとって有意義な時期でした。
 
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