諸子百家
1 儒家
儒教思想 有徳の王の政治のもとで、人々が「礼」に従って安定した生活を送ることを説く。
人間関係=上下 社会秩序重視
儒教の思想は漢代になって、国教と定められ、根本となる経典の「五教」が整備された。こ
れ以後儒教は中国における正統の教えとして発展する。。
孔子 BC552年〜BC479年。字は仲尼。仁を中心とする思想により、儒家の祖とされる。
『論語』は孔子の弟子たちが、孔子の言行や弟子たちとの問答などをまとめたもの。
孟子 BC372年〜BC289年。字は子與。孔子の孫である子思の門人に学んだ。孔子の教えを受け継ぎ、仁義・王道を唱えて諸国を遊説したが用いられず、故郷に帰って弟子の教育に専念した。人の性は本来善なるものであるとする「性善説」を主張した。思想は『孟子』にまとめられている。
道徳による人民のための政治である王道を説いた。この人民優先の考えは民本主義と呼ばれ
ここからさらに人民を顧みない天子は倒されてもよいとする革命思想に発展した。
筍子 BC313年〜BC238年。名は況。孟子の「性善説」に対し、人の性は本来悪であると
する「性悪説」を唱え、教育によって人を善に導く必要性を説いた。そのために生活規範で
ある「礼」の重要性を説いた。思想は『筍子』まとめられている。
2 道家
道教思想 世間的な常識を越え無為自然な素朴な状態で暮らすことを主張した。
人間関係=対等 自然な社会
老子 生没年未祥。名は耳。儒家の思想を人為として退け、自然のまま生きる「無為自然」の生き方
を根本とした。
主に処世の方法を説いた。思想は『老子』にまとめられている。
荘子 BC366年〜?。名は周。老子の思想を継承し、相対的価値観を排して、なにものにもとらわれない自由な生き方を説いた。
人間、生死などの根本的な問題について論じた。思想は『荘子』にまとめられ
ている。
列乎 戦国時代の道家に属する学者。唐の玄宗はその徳をたたえた。
3 法家
法家思想 統治の手段として、法術や刑罰を重視した。
韓非子 ?〜BC233年。戦国時代の韓の公子で、筍子に学んだ。筍子の性悪説を発展させて、法律による統制をもとに中央集権国家を実現する方法を説いた。儒家が道徳による治国を説くの
に対し、法律による治国を唱えた。
信賞必罰。思想は『韓非子』にまとめられている。
4 墨家
墨家思想 兼愛と非攻・節倹を主張した。
墨子 BC468年?〜BC376年。孔子の仁愛が家族の枠に制約されがちなのに対して、無差
別の兼愛を主張し、あわせて非攻(反戦)と節倹(倹約)を主張した。墨子の流派は戦国時代には儒家と並ぶ大勢力であった。